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小学校児童向けジオパーク教材制作記(7)

      2014/11/29

昨日に続いて(7)「学習指導要領に沿った教材」として使える場所であること、の続きです。例えば、学習指導要領・小学校理科の小6で決まっている項目は

小学校6年生
B 生命・地球
(4) 土地のつくりと変化
土地やその中に含まれる物を観察し,土地のつくりや土地のでき方を調べ,土地のつくりと変化についての考えをもつことができるようにする。
ア 土地は,礫(れき),砂,泥,火山灰及び岩石からできており,層をつくって広がっているものがあること。
イ 地層は,流れる水の働きや火山の噴火によってでき,化石が含まれているものがあること。
ウ 土地は,火山の噴火や地震によって変化すること。

でした。これだけ見ると、例えば小6の場合、岩石って何でも見せてよいのかな?と思いますよね。山陰海岸ジオパークでは火山灰はフレッシュな(?)ものはなくて、2000万年前ごろのしっかり固まったグリーンやクリーム色の火山灰地層しかありません。化石って足跡化石でもいいのかな?貝化石かな?まさか恐竜の化石?! と悩むことばかりで、実際に作るときには困ります。

今子浦の泥岩と安山岩
今子浦の泥岩。バックは水中破砕の安山岩

実は、どのように指導するかのポイントを掲載した「小学校学習指導要領解説 理科編」というのが別冊であり、一つの単元についてすごく詳しく掲載されています。

例えば、小6の「土地の作りと変化」では、(P80に掲載)

(4) 内容の「B生命・地球」の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア  アについては,岩石として礫岩,砂岩及び泥岩を扱うこと
イ  イの「化石」については,地層が流れる水の働きによって堆積したことを示す証拠として扱うこと。
(中略)
ア  崖や切り通しなどで土地の構成物を観察することによって,土地は,礫,砂,泥,火山灰,岩石からできており,幾重にも層状に重なって地層をつくっているものがあることをとらえるようにする。また,各地点の地層のつくりを相互に関係付けて調べ,ある地点で観察した層あるいはその構成物の色や形の特徴が他の地点でも観察できることから,地層は各地点を連ねるように広がりをもって分布していることをとらえるようにする。ここで扱う岩石は,礫岩,砂岩及び泥岩とする。(以下略)

と、岩石も具体的に示されています。地層もつながりと広がりを持たせて観察させると明記されています。

「学校現場で使ってもらえる」ジオパーク教材を作るなら、その基準にできるだけ忠実なものが理想だと思っています。岩石も標準的な礫岩・砂岩・泥岩を見せるほうがよく、火山岩を観察させるのは中学校にはいってからです。ジオパークに関わる地学の先生の中には「子供たちは珍しい岩石や地層を見たらワクワクしてどんどん専門的なことも知ろうとするし、恐竜の化石なんかも興味ある子はどんどんついてくる」と仰る方も居られます。でもそれは学校現場では通用しません。まず先生方がその知識を理解していないためですし、指導要領外の学習に時間を割きたくないこと。なにより、興味を示さない児童が出てきたときの授業態度、そして安全管理面を考えるからです。

ジオガイドや地学の専門家の熱い気持ちもわかりますが、教材を作るときの基準はあくまでも「現場の先生が使いこなせること」。どうしてもというときに、専門家やジオガイドを活用して頂くことが理想だと思います。
 

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香美町ジオパークフィールドノート(PDF)
児童編 : 指導者編

小学校児童向けジオパーク教材制作記シリーズ
(1)(2)(3)
(4)(5)(6)
(7)(8)(9)

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパークの販促物&教材

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