第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(5/n) 選ばれるだけの理由が無ければ売れない
先週から、第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」の備忘録ブログを書いています。Facebookでじわじわ紹介して頂いているみたいで、ありがとうございます。(過去シリーズは下の方にまとめてます)
今日、ワタシがマネジメントしているジオガイドチーム「香美がたり」の自主練習会と新年会を香住で行って、その後、岡見公園へ行ったら、たまたま、DMO候補法人に登録している、(一社)麒麟のまち観光局 事務局長の石塚康裕さんと3年ぶりにバッタリ!インバウンド観光の素材探しに来られてました。
(岡見公園は火曜サスペンス劇場のクライマックスみたいな場所)
このDMO候補法人は私の自宅がある香美町も入っているので(ということを今日再確認した次第ですが)、京都北部〜鳥取までは、海の京都DMO、豊岡観光イノベーション、麒麟のまち観光局と隙間なく並んでおり、まさに「DMO縦列駐車状態」になってます。(DMOカオスというべきか?)
石塚さんと立ち話をしていたら、塾長・山田桂一郎先生も麒麟のまち観光局に来はったらしく、ふと、講座2日目の「エリアマーケティング」の話を思い出したので、覚えているうちに備忘録で書いておこうと思いました。前置き、長っ!
(2日目初っぱな、塾長の前座をさせて頂きました)
兵庫県北部・豊岡市で宿専門の集客アドバイザー時々観光ガイドをしている今井ひろこです。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。
ターゲットは誰かを明確に。
観光も昭和はマスツーリズムから団体客に移行し、平成になるにつれ個人客へシフトしてきました。そうなると、難しくなるのが新規顧客開拓。
だけど、新規顧客をやみくもに追うよりも、今、来ている人が「誰」か、現状認識するほうが先です。例えば、平日のランチはどんな客層が来ているのか? 週末の温泉はどんな人が来ているのか? 宿泊も同じです。
「誰」が分かれば、その人達にもう一度来てもらうには、と考えることができます。どうしてもう一度来たのかその理由を、店だったらそのお客様に、観光地であればエリアで、アンケート調査をしないと「選ばれる理由」(⇒ポジショニング)が明らかになりません。
「どれだけ質が良くても、選ばれるだけの理由が無ければ売れません」
そうそう。現状認識なんですけどね、地域の観光協会とか観光課って、現状認識しないまま、新規客をやみくもに追いかけてません? だからいつまで経っても雲を掴むような事業しかできないで、観光客が少なくなったら景気のせいにしがちです。
あ、でもね、これは個店も全く同じです。うちの事務所でも集客アドバイスは、まず現状分析から入りますから。
どうしてリピート客を獲得しなければいけないのか?
もし、一見さんばかりを集めたとしたら(駅前の居酒屋呼び込みみたいなん)どうでしょう?
どんなお客様が来るかも分からないので、多種類のメニューを準備しなければならず、食品ロスが多いです。また、満席になっても対応できるようにアルバイトをたくさん雇わなきゃいけないから、利益率も下がります。売上高が伸びていたとしても、恐らく経営効率は悪くなります。
リピート客を集める利点は、リピートのお客さんはどんな好みか分かっているので、予約して来店するのであれば食品ロスがなく、人手も必要なときだけ来てもらえばいいので、結果的に利益率が高くなり経営効率は上がります。
さらに、お客さんがその友達を連れて来てくれたり、新規顧客をお客さんが勝手に開拓してくれるのです。(ちなみに、スイスに来る観光客の90%はクチコミと紹介で来るのだとか)。
ただ、ファンが増えすぎると客単価上げられないジレンマに陥るので、そういうときにはポジショニングをちょっとずらすなどの新規顧客開拓が必要になるそうです。(そこまでまだうちの主人の宿はまだいってないな・・・)
来て欲しくないお客様に来てもらわないようにするためには?
客商売をやっている以上、リゾート地や人気の観光地では、ターゲットを絞ってもどうしても「お呼びでない客」は来てしまいます。その場合でも、ちゃんとおもてなしをしないと、インターネットで何書かれるかわかりません。そのためにも、来て欲しくない客は来ないように、こちら側が工夫しなければなりません。
主人の宿ではブログで来てほしいお客様像を伝えたり、理不尽な苦情の書かれたクチコミに「貴方は二度と来ないでね」とやんわりコメントするとか、しますけどね。最近ではGoogleマイビジネスの返信でもそのように答えることで、「ご縁を感じないお客様向け対策」はできますが。
山田塾長がが紹介して下さったのはインバウンド客にむけての対策。多言語化のホームページ。例えば、飛騨古川でインバウンド旅行を手掛ける美ら地球(ちゅらぼし)は、日本語と英語のページのみ。その言語以外をあえて用意していないのは「英語が出来る人」とターゲットを絞っているから。英語を読み、英語サイトから申し込んで来ることができるレベルの客だと、教養も知識もあると考えられるので、文化体験の里山ツアーだと興味を示して満足度を高められるからだそうです。(このポイントは、熊野ツーリズムビューロー多田さんの話でも登場します)
ニーズとウォンツの違い
観光地で商品を売っていくときには、地域のコンテンツを活かしたプロダクト(製品・サービス)がお客様にちゃんと「価値」として認められなければ売れません。それは宿商売でも飲食店でも土産屋でも全く同じです。
そこで必要なのが
「ニーズとウォンツ」を知ること。
お客様の要望、してほしいこと(ニーズ)を聞くだけでなく、お客様が本当に欲しい「価値」は何かを捉えておくこと。お客様が欲しがる「価値」と自分たちのプロダクト(商品・サービス)の「価値」が一致しないと、リピートしてもらうためにウォンツを提案していくことも難しい。
ウォンツとニーズって違います。(ま、文字が違うから意味も違うんですけどね)
ユーザー目線で例えると、
例えばランチが食べたいとしましょう。それはニーズ。メニュー見て何が食べたいかはウォンツ。ラーメン食べるのか、寿司を食べるのか、その瞬間に決まるものがウォンツです。
カニ宿に置き換えると、家族でカニ宿へ泊まる旅行はニーズ、とすれば、旅行に来てカニ食べる事で、どんな感動体験がしたいのか、どんな事の幸せを得たいのかがウォンツ、かな。カニ食べたいだけっていうのはウォンツでは無いんですよねー。うむ、ちょっと例えが難しい。うむ。。。
だけど、そのウォンツもニーズを捉えていないと提示できませんから、お客様との関係構築を密にしないと分かりません。濃いぃ関係、コアなファンだとウォンツも分かってくるし、聞けば教えて下さるので、季節を変えて新しい提案もしやすくなります。
エリアマーケティングも個店のマーケティングも基本は同じ。
講座を聴いていると、地域経営も個々の店のマーケティングも、マーケティング手法は同じなんですよね。そういう意味では、気仙沼の森さんの気仙沼DMOの話は、まさに個々の店での現状分析から経営まで個店で行うことと全く同じ事を、気仙沼市を一つの大会社に見立てて現状分析をして経営しているだけなんですよね、おおざっぱに言うと。
でも個々の店が、ターゲットを絞って、お客様のニーズを把握して、ウォンツとなる選択肢を提示出来ているでしょうか? 地域経営にかかわるとかのお声はワタシにはかからないでしょうから、まずは支援して欲しいと依頼のあったお店で、学んだことを活かして、そのお店を元気にしていきます。そういうお店をふやせば、面の展開はできるでしょうからね。がんばります!
第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」 過去ログ
1つめ:第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(1/n) 「自立と持続」
2つめ:第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(2/n) 3つの目「鳥の目、虫の目、魚の目」でマーケティングを!
3つめ:第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(3/n) ターゲットを一つに絞る
4つめ:第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(4/n) 着地型観光で選ばれる商品とは?
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今井 ひろこ
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