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第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(3/n) ターゲットを一つに絞る

   

一昨日から、第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」の備忘録ブログを書いています。

1つめ:第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(1/n) 「自立と持続」

2つめ:第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(2/n) 3つの目「鳥の目、虫の目、魚の目」でマーケティングを!

この観光塾、塾長で観光カリスマの山田桂一郎先生も濃ければ、毎年異なる豪華ゲスト講師も濃すぎだし、プログラムもぎゅーーーっと凝縮してて、この夜なべ談義は終わりが24:30と、美容と健康に全くよろしくありませんが、心の健康には宜しいのです。(爆)

(一番奥の女性が今日の主役・多田稔子代表)

塾の感想を書き出したら止まらないんですが、記憶力はドンドン無くなっていくし、肩こりがとても痛くなるので、途中で尻切れトンボ化してしまう。そこで覚えているうちに書いてしまおうと備忘録的な感じになってます。まとまりが無くてすみません(汗)

 

兵庫県北部・豊岡市で宿専門の集客アドバイザー時々観光ガイドをしている今井ひろこです。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

今日はまだDMO候補法人という位置づけながら、全国のDMOからお手本とされて視察もたくさん来る田辺市熊野ツーリズムビューロー多田代表の講演での気づきを。

多田代表とは何度か面識があり、2年前の気仙沼DMOの視察でも復興居酒屋でご一緒させて頂きました。巫女さんをマダムにしたような上品さがにじみ出ていて、私、隠れファンなのです♪

(一番奥に多田さん)

熊野古道といえば、元日にNHK地上派で全国放送されるなど、今も国内外で絶大な人気を誇る、国内では勝ち組にあたる世界文化遺産です。

(NHKオンデマンドで見れますよ)

『ターゲットを絞る!』

熊野古道の世界文化遺産認定をきっかけにトレッキングする外国人旅行者が増えてきたことから13年前に設立され、旅行業も取得し、外国人観光客のワンストップ旅行窓口として機能しています。

田辺市熊野ツーリズムビューローのWebサイト)

多田代表はこのビューローを設立するときに、まず、基本スタンスとして

①歩くという目的を持った個人のお客様に来てもらう
②上質な観光を提供する

としたそうです。

そのため、①について「歩くのが趣味の欧米豪の個人観光客(FIT)」、つまり、日帰りで特段歩くのに興味の無い団体バスのアジア系でなく、2泊3日、3泊4日で歩きながら、日本の暮らし、文化、宗教観を知りたい、英語が分かる欧米豪の外国人にターゲットを絞りました。

ちなみに、ビューローの外国語ホームページは日本語の他に英語、フランス語、スペイン語、中国語、韓国語の5カ国語がありますが、英語、フランス語、スペイン語と、中国語・韓国語では、情報の厚みが全く違います。

英語ページ

韓国語ページ

設立と同時に「外国人の感性が必要」と国際観光推進員としてブラッドさんを雇用して、現地ガイドや宿泊施設、見どころ、古道すべてのレベルアップを図ったとのこと。英語が話せなくても大丈夫だから、と伝えて、延べ60回に及ぶワークショップを重ねて、現在の受入体制ができているそうです。

今では当たり前ですが、見どころのアルファベット表示から決めていかなくてはならない時代でした。また、神社や古道の歴史など、日本独特の文化や風俗風習については、日本を知らない外国人に伝わる翻訳にするのが大変だったそうで、ブラッドさんがとても努力されたそうです。

熊野古道は田辺市だけでなく、近隣市町村に及びます。観光客には市町村の区切りなんて興味ありません。そこで、One Kumano Kodoとして、バラバラな看板をなるべく揃え、日本語、英語の2カ国語表記にしました。

この2カ国語も「ターゲットを絞る!」から来ています。英語の分かる欧米系外国人をターゲットとしているので、何カ国語も資料、看板を作る必要がありません。ホテルに置く指さしコミュニケーションツール、居酒屋向けのメニューなども英語と日本語の2カ国語表記です。

地域連携の必要がある事業は、関係者と話し合いを重ねて、4社ほどこの地域に乗り入れるバス会社の総合時刻表を旅行者のために作り、利便性向上を図っています(同じバス停でも会社によって名前が違うことがあるらしい)。さらに、2017年には着地型旅行会社を作って駅前の窓口(熊野トラベル)で宿やガイド、バスチケットを予約できたり、Webでも予約決済ができるようにしています。

地域内経済循環を目指して

売上も順調に伸びているそうで、4億円近い売上とのこと。(詳しくは紀伊民報のこちらの記事をご参照下さい

紀伊民報の記事より抜粋)

また、この熊野古道の旅行事業では、街道沿いに地元の方が宿泊施設やゲストハウスを次々OPENさせていたり、宿泊者の大きな荷物を次の宿へ運ぶポーターも10社できているとか。お弁当屋もできているでしょうし、お土産屋さんも、神社のグッズ売り上げも伸びています。

語り部ガイドもウォーキングしながらのガイドなので収入が良く、半日1万円で受けているとのこと。特に外国語を話せるガイドは一日3-4万円で行っていますので,若い人や年金受給前の方でも生業の一つとして復業できそうですね。

(言葉と決済の壁を乗り越えることができたビューローの役割)

今後は、「歩く」にもっとシフトさせて、メインの中辺路道(30km程度)以外の熊野古道の整備だけでなく、紀伊半島の他の宗教観光スポットである吉野、高野山と結んで歩くルートを整備するなどして、今の2泊3日、3泊4日でなく、2週間、1ヶ月の滞在を目指したいとのことでした。

課題としては2-3日歩いて休息日を1-2日取ってもらうためのアクティビティーがまだ足りないというので、「日本文化を体験できるお茶やお花などはどうですか?」って、ゲスト講師の西谷先生から提案もありました。

海外は「歩く」のが好きな人たちがめちゃ多い

多田代表曰く、海外、特にヨーロッパ人は歩くのが大好きで、市場は日本が考えているより遙かに大きいとのこと。

世界文化遺産で巡礼道として認定されているのは熊野を含め2箇所しかないそうで、スペインのサンディアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道(長い道は800キロだとか!)と組んで、共通巡礼手帖を作って2つの道を完歩した旅行者を認定する制度を作ったら、すでに2000人弱の方が達成されているとのこと。

ロングトレイルは日本ではまだまだ珍しいのですが、ヨーロッパでは普通。それだけ、「歩く」に絞っても市場は広いから、ぜひ、「歩く」コトを目的としたFITをもっと取り込んでいきましょう! とのお話しでした。

私の雑感

世界遺産であっても、認定の年だけたくさん来訪し、その後はドンドン減っていくという話を聞いていたので、熊野古道は関わる皆さんが本当に努力と話し合いを重ねているからこそ、特にターゲットとしたヨーロッパからのお客様が増えていて、上質な旅を提供出来ています。

特に着地型旅行会社という「ワンストップ窓口」が重要で、いかに地域団体、事業者と連携を密にしていくかと共に、お客様のウォンツを満足させていくためにも、スタッフに外国人を雇用して、外国人だからこそ気付くことを一つ一つクリアして事業展開を図らなければと思いました。

じゃぁ、但馬丹後因幡のDMOが外国人をターゲットにした広域観光を目指しているにも関わらず、これほどの売上が立っていないのにはどんな理由があるのかな?単に世界遺産でないから、なのかしら?それともターゲットを明確にしてプロモーションや整備がまだまだ道半ばだからでしょうか?

「ターゲットを【歩く】という1つに絞り切った努力」

多田代表が強調されていた言葉。事業経営でターゲットを絞るって勇気が要ることです。だけど、それをしていかないと資金も人も集中投下できないですもんね。私も今年はメインを「小さな宿の集客」に絞って、それ以外のお仕事やガイド事業についてはできるだけ後継者や他に出来る人に回すなどして、体力と資金を集中的に宿の集客全般に投下しています。それが功を奏するかどうか、結果はこれから・・・。

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - 南紀熊野観光塾

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