日本に”世界ジオパーク”続々誕生~NHKラジオ番組を聞いて(5・終)
10月12日に放送されたNHKラジオ第1放送「私も一言!夕方ニュース」の中ので「日本に”世界ジオパーク”続々誕生」という題で日本ジオパーク委員会事務局の渡辺真人さんが出演されて、ジオパークの説明を分りやすくなさっていましたので、その番組の書き起こしのダイジェストを昨日のブログに続き、お届けします。今日が最終回です。(M:解説委員の室山哲也さん、W:渡辺真人さん)
M:ジオパークに認定されるような地域では、そこに暮らす方々は自分の住む地域をしっかり知って、農業や産業などのつながり、文化をつないで考えていく。誰かが与えてくれるのではなく、自分で作っていかないといけない、というイメージですよね?
W:世界ジオパークは2004年に始まった仕組みで、まだ10年しか経っていません。ですので、これが完璧なジオパークというものや、こうすればいいジオパークなる、というモデルがあるわけではないんです。ジオパークになった地域がそれぞれの地域に合ったやり方で、自然をどうやって知り、それをどうやって伝えて、それとどう調和して生きていくかということを自らが考える、そういう約束をしたということが、世界ジオパークになったということだと認識しています。
M:韓国では生物多様性条約会議が行われていたり、これから地球温暖化会議が始まる中で、人口がすごく増えているので、地球そのものが人間社会と隣接して一緒に暮らす状況になっています。人類の人口の半分以上が都市にいるという報告もあります。手付かずの自然そのものがだんだん無くなってきて、人間と自然がどう向き合っていくのか、ということがますます問われる時代になりますね?
W:特に日本列島は火山や地震とずっと付き合って暮らしてきた日本人が住む場所ですので、これからも大都市と地学的な大きな力とどううまく折り合いをつけていくか考えていかなきゃいけないだろうと思います。
M:活動の主役は、高齢者や団塊の世代などに地域をよく知っている人が多いと思いますので、そういう方も関わるでしょうし、子供への教育にもつながっていくのではないですか?
W:多くのジオパークでは、これまでは地域に住んでいる子供たちが、自分の住む地域がどういう場所なのかをあまりよく知りませんでした。ジオパークをきっかけに、地域を自らよく知るということが起こっています。更にその子供たちへの教育に、昔からの事を知っている地域のお年寄りが関わるということが起こっていて、そういう意味では、ジオパークが地域の世代間をつなぐ事にも役立っています。
M:最後に一言。ジオパークの活動はこれからどうなっていくと思いますか?
W:日本列島で暮らしていくということは、地学が起こす様々な現象と上手く付き合っていくことだと思います。そこでジオパークが大きな役割を果たしてほしいと思っています。それから、ジオパークというのは田舎、地方にあることが多いんです。そういう地方がジオパークで活性化する。具体的に言えば、人々が自分たちの地域を学び、自分たちの地域の魅力に気づくということが徐々に起こっています。そういう、地域が元気になる動きがジオパークで起こり、もっと広がったらいいなぁと思っています。
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ジオパークを目指したい、と準備を始めているところや、手を揚げようかなぁと思っている自治体が相当数あると聞いています。ですが、日本ジオパークの審査で落ちるところも増えています。それは、「ジオパークになった地域がそれぞれの地域に合ったやり方で、自然をどうやって知り、それをどうやって伝えて、それとどう調和して生きていくかということを自らが考える」ということを、自治体の担当課だけ、一人二人の先生方だけ、住民のごくごく一部だけでなさろうとして、それを多くの住民に伝えきっていないのかもしれません。逆にいうと、ここをしっかりと地道に伝えていくことで、「人々が自分たちの地域を学び、自分たちの地域の魅力に気づく」様になるのだと思います。自分の地域の事、知っているフリして知らない人、意外と多いんですよ。合併した市町は特に。
税金を払って暮らし、生活の土台になっている自分のまちのこと。私は学んで守って活用し、暮らし続けていきたいと思います。
日本に”世界ジオパーク”続々誕生~NHKラジオ番組を聞いて
ジオパークの推進協議会の皆様
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今井 ひろこ
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