城崎温泉と香美町小代のコラボ・但馬牛見学ツアーの意義
昨日とおとついのブログで、城崎オンパクで行く、但馬牛見学ツアーin香美町小代のお話をさせて頂きました。城崎オンパクとは、豊岡市の城崎観光協会が主催しているイベントで、1か月間、城崎温泉の周辺で多彩な体験ツアーを行います。今回行っている但馬牛ツアー、ガイドは私たちNPOたじま海の学校が養成し、ガイドで訪れる畜産農家や旧家などへの折衝、ガイドの選定は香美町小代観光協会にお願いしています。
実は、異なる市町の観光協会同士が、自治体を挟まず、対等に組んで何かイベントやツアーを行うというのは殆ど皆無でした。自分のところだけ、儲かればいいと思っていたからか、あるいは、ほかのところと組んでイベントを行うことの余力が無いのか・・・なぜ今回、それができたかというと、ジオパークだからです。ジオパークの中で但馬(兵庫県北部)を活動拠点としている私に「今井さんが仕掛けてる体験ツアーって無いですか?」とお声を掛けて頂いた城崎オンパク事務局に感謝しています。こういうお声掛けがあって、私が両方の観光協会の間を取り持ち、町自治体担当職員を挟まず、民間だけでツアーの開催が可能になりました。本当に感慨無量です。この3方をつなげて下さった関係者の皆様、ありがとうございました。
最近の城崎観光協会は、城崎の温泉だけではダメだとお気づきになったのか、自転車で豊岡市北部を周遊する「山陰海岸ジオパークチャレンジライドin但馬」など、城崎の観光半径を広げてきています。今、但馬で最も多い宿泊客を呼ぶ城崎温泉を起点に、今日は竹野海岸、明日は香美町小代、明後日は出石そばをゆっくり食べて、その次の日は神鍋火山の跡をみてニジマス食べて・・・今まで城崎温泉に泊まって経験したことがなかった1-day旅行ができるようになれば、「もう城崎は飽きたし、ほか行こう」と思っていた旅行客の呼び戻しにもつながります。
自宅を出て宿へ着く。点から点の「目的一点集中型」の旅行よりも、どこかへ寄って来て、帰りもどこかへ寄って帰る、線から線の旅行にシフトしてきました。高速道路が延び便利になったことで、点から点、線から線の旅行は、1泊を日帰りにし、旅行先でお金を落とさない危険性もはらんでいます。
その流れに逆らい、日帰りを1泊に、1泊を2泊にし、地元へ「楽しく使って頂いたお金」が落ちるには、それ相応のコンテンツが必要です。今回、このツアーを催行して実績を積み重ねたら、2-3年後には定期コースとして、観光客が最も多い城崎温泉からの小代観光ツアーが月1回でもできる可能性があります!そうしたら小代も城崎温泉もWIN-WINになります。「One但馬」の組み合わせは、新たな観光ルートを作るほどのポテンシャルがあるんです!
1年間に渡って300余りのイベントが組まれている夢但馬2014
只今、秋・冬号配布中。
ご存知でしたか?外国人向けのJR周遊券(JR-RailPass)の近畿圏分は3泊4日7000円で、但馬北部まで使えるのです。レンタカーを借りるより、関空へ入った外国人が利用しやすいのがJR周遊券です。外国人が使う旅行本を見ると、但馬で大きく載っているのは城崎温泉です。ですから、今後外国人向けに、城崎温泉を起点にして、城崎温泉からあちこち行けるツアーを構築する必要性が出ているのです。それに、今の日本人も、都市部に住んでいる方で車を持たない人も増えてきました。(重いものはネットショップで買って玄関まで持ってくる時代になりましたから)車を持たない都市部の方が、城崎温泉を起点にして行きやすい、着地型の日帰りツアーを作っていく必要があるのです。
以上、画期的な民間連携がジオパークでできるようになった、というお話をさせて頂きました。
「連携無くして進展なし」
人口が少なくなった今、連携を深めて『温故地新』、いろんなツアーを再構築し、新しい但馬の観光スタイルを作っていきましょう。
11/5(水)城崎オンパク・但馬牛見学ツアーにもぜひご参加ください。
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今井 ひろこ


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