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白山手取川ジオパークで水の旅(3/3)荒忠さんのフグのへしこ

   

今回、フグのへしこを作って100年以上の荒忠さんの工場を見学させて頂きました。小さな木桶に歴史を感じますが、この木桶はもう製造しているところが無いそうで、へしこづくりを辞めた業者さんからも頂いて、現在は4000個あるそうです。

白山手取川GP荒忠さん

フグの卵巣だと半年ほど塩水に漬け、それから麹と混ぜて木樽にきれいに積み上げていきます。

白山手取川GP荒忠さん

こうした状態で桶を4段に載せ、手取川河川敷から採ってきたであろう大きな川原石を載せて、約2年から2年半、いろんな菌の力で旨みを生み出し、ふた夏を越して次の夏前に樽から出して販売し始めるそうです。夏がフェーン現象などで暑く、冬がそこそこ冷える、この気候風土と水が美味しいへしこを作る上で欠かせないとのこと。これこそジオの恵みです。

白山手取川GP荒忠さん

へしこが美味しいのは夏。食欲が落ちたときにお茶漬けにしたり、酒の肴などにもプチプチ感がたまらないのだそうです。昔の人は、猛毒のフグをよく麹漬けして無毒になるどころか美味しくなることが分かったなぁと思います。

「この豊富な湧き水があるからこそ、加工もできるし、大量に洗うこともできる」と、工場内にある大きな水槽を前に仰っていた社長の荒木忠嗣(ただし)さん。確かにほぼ使い放題の水が水道水であれば、とても高くてバンバン使えないと思います。手取川の湧水があるからこその魚の加工業です。

白山手取川ジオパーク

ところで、四代目になる荒木社長に、積極的に家業を継いだのか聞いたら「いやいや、全く。そんな気が全くなくて、ディーラーに勤めていた位だから」。しかし、いずれは継ぐんだろうなぁと思っていたとか。「車の販売はノルマもあるし大変だけど、へしこは安定して売れるから良い商売だよね、夏の臭いはきついけど。」今では5代目になる予定の息子さんがしっかりと後を継ぐために会社に入り、すでに六代目を継ぐお孫さんまで!昭和の時代には周囲にへしこ屋が多かったようですが、今では8軒と大変少なくなったとか。今は地元向けだけの安いへしこばかり売っていても商売が厳しいので、楽天市場などのネット通販に力を入れているそうです。

 

フグの卵巣のへしこを少しあぶって薄くスライスして、夜の宴席で頂きました。

白山手取川GP荒忠さん

他のへしこでは味わうことのできない卵巣独特のコクと旨みが、程よいしょっぱさとともに口の中に広がり、ご飯がとっても進みますし、日本酒のアテとしても最高でした。こういう食文化は続いてほしいですね。

白山手取川GP荒忠さん

ご飯がご飯がすすむくん〜♪

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

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