地方の小さな宿とお店の集客をサポート!「今井ひろこドットコム」

宿泊施設や店舗の集客コンサルティング、プレゼンテーション指導、研修会、ジオパークにおける地域活性化を行う今井ひろこのブログサイトです

*

田舎であなたの商売がうまくいかない7つの理由(2)

      2014/06/30

私がここに嫁いで6年、いろんなケースを見てきた中で思った「田舎であなたの商売がうまくいかない理由」を昨日から書いています。昨日は7つのうち2つ「景気のせいにする」と「すぐに安くする」をお話しました。今日は続きの2つです。

3)様子見、なにか儲け話が降ってくるのを待っている。

ジオパークに関わるようになって、ジオの恵みを使った商品開発の提案をしたこともありますが、「儲かりますか、それ?儲かるんやったらしますし、すぐに現金化できないようなものは・・・だれかすでにやってるの?」と言われる経営者の方が多いです。パイオニア(先駆者)になるのは嫌で、誰か成功した担保があってから始めるというのは、もしかしたら地域性かもしれません。私の師事する郷土史の先生は「香住のつれしょんべん」という言い方をされておられました。

独特の地域性は明治期のカニ漁法の普及などにもみられたのですが、最近は「かにすき(カニ鍋)」がそのいい例です。今は全国的にメジャーになった香住発祥の食べ方で、昭和40年までに香住の「川本屋」さんが釣りに来たお客さんに教えてもらって始めたというのが起源と伝えられています。それまでは浜ゆでしたものか焼きガニを食べるもので鍋に入れて食べる食べ方はありませんでした。かにすきが始まった当時、香住は海水浴ブームで夏にお客さんが押し寄せ、冬は雪深く閑古鳥だったのですが、その冬に食べる「かにすき」が高度経済成長の波に乗り、中産階級のサラリーマンなどが社員旅行で大量に来るようになると、一気に「かにすき」をする宿が増えて、現在の「香住の民宿が150軒」という状況になっています。決して悪いというわけではありません。宿の価格競争と価値観の多様化、経営者の高齢化で、どこまで踏ん張れるかが問われています。儲かっている宿の真似をすればよい。また売れる食材(カニやイカ、但馬牛など)やコンテンツ(海水浴やスキー)が突然現れるのを待とう、では事業を続けていくことはできません。

松葉がにのカニすき鍋の写真
実はかにすき発祥の地は香住。

4)人を頼ろうとしない。

昨年秋に豊岡市商工会の起業塾へ通って以来、各地の商工会職員の方々とお話する機会が増えました。商工会や商工会議所の方々は民間企業の商売をどうやったら軌道に乗せることができるか、軌道に乗った企業さんはどう維持するかについてサポートをしてはること、それらは地域振興、地域活性化がベースになっていることを知りました。企業サポートのために、その道のプロの派遣を手続きして下さって、一緒に勉強なさっていたり、安価で講習会を開催し企業活動の手助けをして下さっているのです。

ジオパークを商売に活用して下さってる方が時々商売の相談を私にして下さるのですが、私では太刀打ちできないこともあり、商工会の専門家派遣(年3回まで依頼主の費用負担はゼロ円です)を紹介したところ、「そんな制度があるなんて知らなかった!専門家の先生がとても親切にいろいろとアドバイスして下さって、すぐに行動に移せました」とお礼をいわれました。商工会を頼っていなかったんですね。

残念ながら、商工会や商工会議所を「融資の仲立ち」だけにしか使っていない方が多く見られます。商工会を頼るときには、すでに手遅れという方も少なくないそうです。田舎の人ほど他人の目を気にするようですが、格好いい悪いの問題でなく、常日頃から商工会や会議所をうまく頼って、自分の知識に無いことをどんどん吸収してほしいです。勉強会や研修会で販促でたくさんの実績を挙げられているすごい先生がいらしていても、全然商工会員が参加しない、なんてこともあるようです。もったいない!!

 

明日もひき続いて、あげていきます。

 

田舎であなたの商売がうまくいかない7つの理由
(1) | (2) | (3) | (4)

 

illust3786
中小企業、個人事業主の方、プレゼンの個人指導は
ミラサポで今井ひろこを活用!
今年度、国の支援制度で、年3回まで
指導料は一切不要。今がチャンス!
詳しくは私のこちらのブログを参照ください!
180x50
illust3786

The following two tabs change content below.
今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - 田舎での商売心得, 補助金申請

コメントを残す

  関連記事

地域づくり系の助成金申請書作成5つのコツ

先日のプレゼン審査会の続きです。当日のプレゼンも大切なのですが、基本は申請書です …

風土がFoodを生みだす白神山地(3)松岡豆腐店<下>

昨日のブログ、秋田・八峰町でのジオパーク体験プログラムで訪れたお豆腐屋さんの続き …

今年も地域資源の商品開発に使える補助金が登場!「平成29年度山陰海岸ジオパークビジネス創出支援事業」

ようこそ!兵庫県北部・豊岡市で宿専門の集客アドバイザー時々観光ガイドをしている今 …

真の「宿のおもてなし」を感じた旅館・宝生亭<2>館内施設の巻

昨日からご紹介している、主人のお友達の旅館、石川県山代温泉「宝生亭」は、館内もい …

持続化補助金申請で書くのが難しい項目の攻略法

先週くらいから、今月末に迫った小規模事業者持続化補助金(50万円までの補助金)の …

田舎の地域創生って、実に時間がかかるのです。〜但馬コネクション聴講記・1〜

先日、豊岡市日高で行われた但馬コネクションという会合に初参加させて頂きました。こ …

仕組み、仕掛け、仕事。田舎で事業再生させるキーワード〜但馬コネクション聴講記・2〜

昨日の話の続きです。先日、豊岡市日高で行われた但馬コネクションという会合に初参加 …

なぜ、浜茶屋のカレーライスが新聞で紹介されるのか?

最近、周りでプチブレイクしている、私のフィールド・香住区佐津海水浴場の海の家で販 …

持続化補助金申請で間違えやすい項目の攻略法

小規模事業者持続化補助金の申請締め切りがいよいよ10日を切り、ラストスパートなさ …

宿のオーナー注目!小規模事業者持続化補助金でスマホページを作る場合の注意点

今年も小規模事業者持続化補助金(小規模事業者支援パッケージ事業)が中小企業庁から …