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滞在時間を1分でも増やし、地元にお金を落としてもらう工夫を

   

先日、香美町で3日と4日に行われたじゃらんリサーチセンター主催のセミナーでの気づきをご紹介するシリーズ。3回目の今日は、地元にお金を落としてもらう工夫についてです。

一人1000円を追加消費するだけで・・・

宿泊施設が190余りある香美町といえど、宿泊客を増やすというのはとても難しいです。例えば、香美町は宿泊入込数は年間35万人です。もし、仮に10%にあたる3万5千人を宿泊客で増やすと経済効果は、47000円×35000人=16億4500万円の経済効果になりますが、それはかなり無理のある数字です。よほど、目玉となる観光施設やイベントが無いと無理ですね。

香美町のお隣、豊岡市まで、来年度中に北近畿豊岡自動車道が延伸されると増えるのは日帰り客です。香美町に訪れる観光客は日帰り含めて139万人。多くはスキーと海水浴、日帰りのカニ昼食です。その方々が町内のお土産屋や飲食店、観光商品などの購入で現在より1000円使ってくれるだけで、1000円×139万人=13億9千円の経済効果になります。

1000円札

宿泊を10%伸ばすのは宿泊施設の努力だけでは大変ですが、日帰り客の千円消費UPであれば、町内の事業所さんや観光協会などの協力で無理のない数字だと思います。ここを目指していこうというのが観光振興+地域振興の考え方です。地元と地元、そして来訪者が新鮮な魅力を再開発する仕組みを作っていくことが大事です。

すき間時間を有効に使え!

講師の佐藤さんは香美町のパンフレット類を見て、指摘されました。

「過ごし方の提案が無いんです。」

旅先の過ごし方に価値や感動があれば、どれだけ遠いところでも観光客は行くのです(特に外国人は)。旅行をしない人にいかに旅をさせるか、そして、すでに旅行で来られている人にはどんどん観光地で消費してもらうことが必要で、その消費するタイミングはどこかというと、「地域に触れ合う時間」で消費させるのが最も効果的なのです。

一つの例を佐藤先生が実体験でお話に。先生が前夜に宿泊した宿で、夜にスナックへ行こうかと思案したけど、観光客が行けそうな店が近くに無かったそう。夜に町で消費させるために、スナック、バーでお金を落とすシステムを考えてみては?とのことでした。そういえばじゃらんリサーチセンターの報告書で、日本人は宿泊料金や交通費以外で、どのタイミングが最も高額に消費するかというと、スナックやバーだそうです。利用人数は少ないけど、金額が4000-5000円になりますもんね。

現状の各観光協会HPや町観光HP、各パンフレットなどの記載では、過ごし方の提案が心を打っていきたくなるような情報提案になっていないのだそうです。カスタマー(この場合は観光客)視点で地域資源を精査して観光資源を発掘して、観光客一人当たりの滞在時間を伸ばして、消費金額を上げることを目的に地域資源を使いこなすこと。そして、観光資源を有効に活用するには、旅程の隙間時間に地域らしさを体感できるような、旬の体験を通じて「想定外の楽しみ」を提供することがポイントです。

旬の体験、そして地域らしさとは・・・明日お話します。

 

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(公式)コムサポートオフィスHP
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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - 地域活性化, 田舎での商売心得

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