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オコゼ料理の生中継で気づかされた宿のオンリーワン

   

昨日、主人が経営する民宿「美味し宿かどや」で、テレビ局の生中継がありました。毎日放送「ちちんぷいぷい」という地域密着型情報番組です。14時から18時前までの番組の中で16時前から始まるコーナー「のびのび生中継」に登場。主人と女将さん、若女将さんと3人が登場し、名物のオコゼ料理を堪能する、という構成でした。

番組のオープニングでは、近くの佐津海岸から生中継もありました。浜風が吹いていると言えど、気温30度。暑い中での中継でした。

ちちんぷいぷい
佐津浜で中継をする河田アナと中継クルー

番組が終わった瞬間から、宿にはかなりのお問い合わせや予約を頂いたようです。オコゼ料理と宿スタッフの情熱が伝わってホッとしました。

ちちんぷいぷい

実はこの夏、但馬地方にとっては痛い夏になるかも、という予想をしておりました。

1)大阪USJでハリーポッターエリア開業(7/15)

2)舞鶴若狭自動車道全面開通(7/20)

3)ETC割引率休日5割→休日3割へ縮小(4/1)

ガソリン価格の高止まりも響き、但馬の道の駅の方も「この夏、少なそう・・・」と悲観的な見方をされておられました。この辺りの宿の予約も例年よりは平日の入りが少ないとのことで、心配が募っていました。

そんな折、偶然にもこの番組からオファーがありました。こちらからは全く売り込みやマスコミリリースは出していません。主人は出演依頼の理由を番組スタッフから聞いて、それならと取材を受けようと思ったそうです。その理由は「放送エリアの日本海側で、オコゼ料理を出しているところをインターネットで調べたら、ここ(うちの主人の宿)しかなかったから」とのこと。インターネットで調べてみると、意外とオコゼ料理は無いのです。(ダイビングではよくお会いするメジャーな魚なんですけど。。。)

ちちんぷいぷい
怖い顔して美味しいオコゼ

女将さんは先代から民宿を継いだ約30余年前からオコゼ料理を出し続けています。宿のトレードマークもオコゼ。民宿を継ぐときに、ほかの民宿との違いを出したいと思い、どこの民宿も使ってなかったオコゼにフォーカスしたのだそうです。今では、活イカや香住ガニ、ノドグロ(あかむつ)などの魚介類と、夏の懐石やコース料理の選択肢はバラエティ豊かになりましたが、それでもオコゼを出し続けていたからこそ、毒ヒレを持つ魚の扱いにも慣れ(始めたころは数度刺さって腫れて熱出したそうです)、刺身や肝、皮などのお造りも料亭さながらの盛り付けになるんですね。

ちちんぷいぷい

うちの主人もこのオファーが来るまで、オコゼ料理は普段から見ている普通の魚。「なんで今頃オコゼ?」と思ったそうです。でも先ほどのように振り返ってみると、30年も続けてきた、それもほかの宿で出していないオコゼを出し続けてきたからこそ。この宿の「オンリーワン」に改めて気づかされたと言ってました。

かどや
トレードマークがオコゼなんです

私は、このような「自社の宝」は、客観視できる他人だからこそ見つけることができる、ということを、今回の生中継で改めて学びました。私もコンサルの卵として、依頼者が持つ「宝の原石」を見つけ、磨き光らせるお手伝いができれば、と思いました。

この香住には民宿が150軒あると言われています。但馬海岸全体ではその倍はあります。その中で生き残っていくためには、他宿との差別化を図らなければなりません。体力を奪う改装をせずとも、差別化を図ることは可能です。もし、宿をされている方は、料理や自社商品を書き出して頂いて、その中に「近隣市町では作っていない商品」があれば、ぜひホームページに載せてオンリーワンとしてPRをしましょう。可能であれば、マスコミ各社や情報番組などへ商品PRを出してみましょう。書き方が分らなければ、私も専門家としてコンサルティングをしますし、お近くの商工会や商工会議所へ専門家を問い合わせて頂ければ、紹介してくださいます。国や商工会の制度の中には、指導料無料になる制度もありますので、うまく活用して、自宿のオンリーワンを磨きましょう!

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - 地域活性化, ジオパークの旅, マスコミ掲載&出演, 田舎での商売心得

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