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ジオパークの図を見て違和感を感じた理由は、日本版DMOの図を見てハッキリした!

   

今日は2/15、16で登壇するジオパーク講演会で使用するスライドを作っていて、ふと気づいた、ジオパークに対して思っている「違和感」についてお伝えします。

こんばんは。兵庫県北部・豊岡市で宿専門で集客のアドバイザー時々観光ガイドをしている今井ひろこです。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

今日の但馬地方は当地にとっては豪雪になり、大雪初日に起こる交通機関の麻痺状態が続いています。朝は雪が全く無かったのですが、朝8時から降り続き、積雪は半日ですでに50㎝を越えています。

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私の車もこんな感じ。

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そのため、今日は豊岡の事務所には行かず、自宅でスライドを作っています。

違和感、それは1/24にハッキリした。

先月、1/24(月)に観光カリスマの山田桂一郎先生が(一社)豊岡観光イノベーション主催の講演会にてDMOについての講演をされました。

その際、バッサリと

「日本版DMOはこのままいけば失敗する!」

と切り捨てました。「このまま」というのは、観光庁WEBサイトの図に示されているスキームです。

日本版DMO

この赤で○をしている部分、「観光地域づくりとし、観光による地方創生」という時点で失敗すると先生は仰っていました。

山田先生の持論は、観光だけで無く、全ての産業、すべての地域住民が主体的に関わり、持続可能な地域を紡ぎ続けない限り、地方創生は無理、と私は解釈しています。(詳しくは山田先生の著書「観光立国の正体」をお読み下さい)

私は一度、この図を昨年9月に見て、先生の話を聞いて感銘と衝撃を受けていたのですが、その時には気づいていなかったんです、ジオパークの違和感に。

NPOジオパークネットワークのWebサイトを久しぶりに見てみたら・・・

私が全国各地のジオパーク講演会に呼ばれるようになったのは2011年頃から。最近では、これからジオパークに名乗りを上げるところからの講演依頼が多いです。(各先生方、ご推薦ありがとうございます。)

2/15、16の講演もこれから日本ジオパークへ申請を行う中央アルプスジオパーク構想推進協議会さんのご依頼です。そのため、ジオパークについて全く知らない方々へどうお伝えしようか、改めてジオパークのページを見直したんです。

そして、見たのがこの図です。

ジオパークとは

(ジオパークとは/NPO日本ジオパークネットワークWebサイトより)

この図を見ると、「保護保全」「教育」、「観光活動」が手段で、目的は「地域振興」なんです。

この図を見て、日本版DMOと言ってることが同じように見えたのです、私は。

「観光だけで地域振興をしていこう」ってことなん・・・?

私の考えと何かが違う!

今井ひろこが考える「ジオパーク」とは?

ところで。

私がいつも講演の時に使っている図はこちら。

ジオパーク

ジオパークの三本柱である「保護保全」「教育活用」「地域活性化(観光振興・地域振興)」は手段であり、目的は「持続可能な地域づくり」であることです。

私がジオパークに関わるコトになったとき、現在も師事する兵庫県立大学大学院の先山徹先生からジオパークのこの仕組みを教えて頂きました。

私はこの考え方に共感し、このスキームを軸に今まで香美町や但馬、全国各地で講演を行ったり推進心活動を進めてきました。

このスキームは今の本業であるコンサルティングでも同じです。持続可能な地域づくりをする目的のために、ひとつでも多くの地方の小さな店や宿を残したいと、私にできる「集客アドバイス」でサポートしています。

私が今まで活動してきたジオパーク推進の目的は『持続可能な地域づくり』。人口がどんどん江戸時代くらいに少なくなる中でも、自分たちが主体となって、活き活きとした幸せな暮らしを集落、地域で紡ぎ続けること。

私の図と、ジオパークネットワークの図の違い、分かりますか?

かつて「観光」だけでやろうとして失敗した。

私が2010年にジオパーク推進員になったとき、観光関係者を中心にジオパークの話をする香美町の出前講座をさせて頂きました。

ジオパークを産業で活用すると考えたとき、どんな人でもすぐに思い浮かぶのは「観光」です。

しかし、推進員活動をして数ヶ月経った頃、観光ではない、自治会からご依頼が来たんです。そこで話をさせて頂いた時に

「ジオパークって観光だけでしょ?うちらは関係ないからねぇ〜。」

って住民の方に声をかけられたのです。同じような感じのことを町職員からも聞いたんです。

「えーっ、なんでなんで関係ないっていうの?!」

そう思っていたら、ヒントを教えて下さったのは現鳥取環境大学の新名阿津子先生でした。

同じ頃、このスライドでは観光振興のみを書いていて、地域振興を書いていませんでした。それを見た新名先生から「観光だけで無いですよ、観光以外の産業も回っていかないと、地域活性化、地域経済全体は回っていかないんです」って当時、教えて頂いたんですよね。

何のために税金使って推進員の私を雇い、何のために税金を使って公用車で出前講座に行かせるのか?それは、観光関係者のためで無く、ジオパークで地域の宝を掘り起こし、住民に自分の地域に誇りを持ってもらうと同時に、商売人は商売に活用して長くここに住んで暮らしを次の世代に紡いで欲しいやん!

それに私も徐々に気づいていったんです。

住民みなさんにジオパークを自分事にして欲しかったから、きちんと「持続可能な地域づくりをしていくのだ!」と、目的をそのころ言われてた「観光まちづくり」から私は変更したのです。

観光だけだと限定的になり活動の幅も広がりませんからね。

地域振興とはなんぞや?

そこで問題となってくるのは「地域振興」とはジオパークの目的なのか手段なのかということです。

[名](スル)学術・産業などを盛んにすること。また、学術・産業などが、盛んになること。「科学の振興を図る」「観光事業を振興する」(デジタル大辞泉より)

と書いてあるので、「地域振興」とは『学術・産業で地域を盛んにすること・盛んになること』なんだろうなぁと。

盛んになった後、どうするのかが無いんですよね、地域振興が目的だと。

「いや、自分の店が儲かったらそれでエエがな!」となりそうですが、さもありなん。持続可能という目的が無いのであれば、店はその代で終わってしまうでしょう。

地域全体が儲かったとしても、そのお金がすべて都会へ吸い取られていくようなことがあったらどうします? 地域に残っている店がすべて東京資本の店だったら、税金は東京へ行ってしまいますね。

山田先生はできるだけ地域でお金を回すことを考えろと仰いました。一次消費、二次消費・・・と消費の回転を増やすことで地域にお金が残るようになって、初めて地域の経済が回るのだ、と。どれだけコミュニティービジネスで成功した会社や一社強いところがあっても、日本経済が収縮していくそのスピードに負けてしまい、地域経済の地盤沈下は止められない、と。(こちらのブログを参照下さい)

だから「儲ける」ことが目的になってはいかーん!と私は考えます。

・・・だんだん長くなってきた、まとまりがつかなくなってきたのと、興奮して書きすぎて晩ご飯食べるのを忘れていたので、ここで今日は止めます。

私ね、ジオパーク=ジオツーリズムだけでやろうとするから、いま、あちこちのジオパークで活動が頓挫したり弊害が起きている気がするんですよね。そのあたりも後日述べたいと思います。

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパーク, ジオパークとは?

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