ジオパーク国際大会ツアーでのバス添乗ガイド、無事終了しました!<上>
2015/09/24
18日(金)に、ジオパーク国際大会でのツアーガイドを行ってきました。今日はその報告をさせて頂きます。
私が山陰海岸ジオパーク公認ガイドのため、私の住む香美町を案内するコースを2コース造成し、そのうちの1コースのガイド・海岸線を巡るガイドをNPOたじま海の学校のまちあるきガイド「香美がたり」3名が、ぶっつけ本番でバスに乗って行いました。その他、香美町観光商工課から3名、学術部会の松原先生、先山先生、三木先生の豪華3名の先生方がそれぞれ1人ずつ3台に分かれて同行して下さいました!
コースは主に香美町の海岸部のジオパークの見どころが中心で、2000万年前のゾウ、サイ、鹿の足跡化石、景勝地・今子浦、遊覧船かすみ丸で船から鑑賞、そして、日本酒の酒蔵・香住鶴です。ここを3台で一気に行くとかすみ丸以外大混乱になります。そのため、3台をローテーションでそれぞれ見どころを回していくという、1台ずれるとすべてが狂う冷や汗もののルートです。時間きっちりで催行できるかどうかが勝負の分かれ目でした。
私がガイドを担当した香住エリアを回るコースは、バス3台、150人が参加すると聞いていたのですが、9時の出発段階で、外国人にキャンセルが続出したり、遅刻する方が居られたりで120人くらいに。ツアー代を払っているのにキャンセル、或いは、ツアー代を払っていないのに登録しているとかで、早速、受付はプチ混乱状態。それでも「今の段階でバスに乗っている参加者が今回のツアーの参加者!」とJTBが決めて、9時10分にバスは出発しました。
しかしここで私に今度はアクシデント。何と乗車15分で気分がだんだん悪くなって乗り物酔いに・・・しまった、酔い止めを飲んでくるのを忘れてしまった!私は乗り物酔いがひどく、電車でも進行方向と逆側に座るとそれだけで気分が悪くなるのです。揺れに慣れていないうちから細かい字を見たらそれでアウト。ううっ。。。そこで自分の案内もそこそこに、化石がご専門の三木先生にマイクをお渡しして、これから向かう予定だった足跡化石とルート変更した流痕化石の解説をお願いし、私は時々進行方向を見て、何とか胃液を胃の中へ戻す努力に注力しました。(汗)
努力は何とか報われ、乗り物酔いは回避できたものの、今度は私の案内の声にお客様から「うるさすぎる」と注意が。乗り物酔いの様子を見せず一生懸命ガイドをせねばと思う余り、声が少々大きくなっていたようでした。私の声はコンクリートの壁をももろともしない特別な声質でとても通るのです(一節には水の中も良く聞こえるとか)。一方、同時通訳の方の声は普通です。そこで、バスのマイクは通訳さんだけが使うようにして、私はマイクを使わずで話をすることにしました。これもバスの場慣れをしていれば音量調整がつかめたこと、耳をつぶしかけた参加者の皆様、申し訳ありませんでした。
三松さんのFBからシェア。
香美がたりのベストを着て行いました。
さて、バスは最初の見どころ、流痕化石に到着。実は前日、最終下見をしたときに、足跡化石が藻でズルズルして歩くのも一苦労、私もこけたほど。参加者の安全を第一に、近い場所にある別の化石の場所へと前日に変更したのです。ジオパークの見どころは保全にもお金がかかり、大臣や知事の見学などよほどのことが無ければ、ガイドや地域の方が自分たちで保全しなければなりません(昨年から、ジオパークでは保全の補助金があります)。流痕化石は私たちの普段の案内コースに無い部分でしたので完全ノーマークでした・・・参加者からは「どうして草を刈ってないの?!」とお叱りを受ける始末。トホホ。
実は、流痕化石周辺は雑草が生い茂り、近くからも見ることが出来ないほどになっていたのです。。。そこで近くから見れるようにと、私ひとりでしたけど、土砂降りの中、ツアー前日に2時間半かけて、草刈り用ハサミでアレチウリを切り取りました。
福島先生の人材育成塾で学んだ事の一つに「解決法は百万通りある。今の自分に出来ることをブレストしていき、優先順位を付けるだけ。やると決めたら全力で取り組む」があります。何とか午前中に香住コースの下見(午後から小代コースの下見を行う必要がありました)を済ませるために、いま、この場で自分に出来ることは何だろうと考え、行動に移してみました。それが、限られた2時間で、参加者が近くで順番に写真に収めることができるスペース分の刈り取りでした。
フェンスを乗り越えて行く人が多い場所なので、
フェンスの手前はあえて残して、上部をカット。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。この場所、私以外の2人はガイドをしたことが無い場所だったので、いつも小学生の子供達にこの場所を案内している町教育委員会のイシマツさんに解説をお願いしていたのですが、「仕事があるので、立ち会えてもバス1台くらいが限界」と言われていました。しかし現場に行ったら、そのイシマツさんが居られるじゃないですか!いつものようにお話をして頂くことができ、穏やかな空気が流れました。
流痕化石とその周辺の地層について説明するイシマツさん。
ジオパーク国際大会ツアーでのバス添乗ガイド、無事終了しました!
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今井 ひろこ
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