地域づくりシンポジウムの聴講者を増やすための5つの秘策
先日、某市でジオパークシンポジウムを開催するかどうかの会議があり、私と主人にお声がかかりました。2度、地域づくりやビジネスといったテーマのジオパークシンポジウムで、方向性を決め、実働スタッフの指揮を執った(ディレクションといいます)経験があったためです。
地域づくり系のシンポジウムは何度も一般聴講や時に登壇者として参加してきましたが、聴講者は役場や自治体などからの消極的参加(強制参加、「動員」ともいう)が多く、そういう人たちに聞いて頂いても、確かに勉強になりますが、その人たちが家業で商売をしていたり、地域づくり活動をしていなければ、暖簾に腕押しでしょう。
過去2回行ったジオパークシンポジウムでは、先人の意見を聞くのではなく、実際に今活動している中で、うまくいったことよりも困ったことを伝えあって、パネラーや会場からの意見を伺って解決の糸口を探るようなシナリオにしました。そのため、運営計画の段階で5つの秘策を練り、能動的参加(楽しい動員)を増やす事ができました。
1)登壇者は団体リーダー又は企業の「若手」を起用する
地域づくり(ジオパーク)の登壇者は先日も話しましたが、未来は若者が切り開いていきます。商工会青年部やJCをはじめとする、若い人たちの団体リーダーは、商工会のつながりやJCの全国大会など、自分たちの活動範囲でしか、地元への熱い想いを語る機会がないのです。若者の考えを市民の聴講者に聞いてもらいディスカッションをすることで、お互い刺激を受けて、新しい知見や明日からの更なる気力が湧いてきます。次の2項のこともあるので、できるだけ構成員、メンバーが多い団体を選ぶことです。
それまでにディレクターやコーディネーターになる方は、ひつこいくらい、綿密にリーダーの方々やその団体の中心メンバーの方々とシンポジウムでの道筋(話す内容や発表スライドの作り方指導なども)、そこから2,3年後の展望などのミーティングを重ね、信頼関係をがっちり固めておくことも大事です。
2)登壇するリーダーのいる団体の構成員に当日の役割分担をお願いする
席の配置も役割分担で。(2012年3月の香美町ジオパークシンポジウム)
大事なのはシンポジウムを自分事と思って頂くことです。役場職員は会場設営など全部をし、お膳立てしてしまうことが多いのですが、それはもったいないことです。当日の運営は、例えば、会場設営、席の配置、片づけ、受付業務、駐車場案内、館内案内など、多岐に渡りますが、自治体が主催を担っていても、登壇するリーダーの所属する団体構成員の方々に「皆さんで作り上げるシンポジウムです」と役割分担をし、それぞれ行って頂きましょう。役場職員は、役場職員でないとできないような最小限どのことにとどめて、みんなで作り上げていくようにしましょう。各団体の構成員は自団体のリーダーが話すため、積極的に動員に参加し、シンポジウムが始まれば席に座って聞いてくれます。
3)発表団体の日頃の活動を当日会場にポスター展示させる
市民が話を聞いて下さる絶好のチャンスなので、活動が掲載された新聞記事の拡大コピーを貼っておくだけでも「あぁ、見た見た!この子たちなんだ!」と認知してくれます。それだけで親近感が湧き、シンポジウムも聞いてくださいます。
4)終了後「交流会」を必ず行い、異業種交流の場とする
若手の団体だと年齢構成も似ています。今まで会う機会が少なかった人たちと積極的に名刺や情報を交換し、自分の商圏を広げて頂きたいです。特に市町が異なるとなおの事、仲間同士で固まらないで積極的に交流をしてほしいです。参加者は忙しい間を縫って、この日のために都合を付けて参加しています。こういう機会でもない限り、田舎では交流することができません。
5)メディア対応を事前からしっかりと行う
今は情報があふれている時代。脳みその容量は年齢とともに減るため、追い打ちをかけるように、シンポジウムの日程を忘れるものです。メディアの方にお願いして、開催前の予告(参加者募集)を1週間前に出して頂き、その後、シンポジウム当日も取材をして頂いて、翌日あるいは後日の新聞地方欄等に載せて頂くようにします。登壇するリーダーが所属する団体も掲載されますし、市民にもシンポジウムの内容を伝えることができます。インターネットでも配信されることがあると全国からも注目を集めることになるでしょう。
以上、地域づくりシンポジウムの参加者を増やすための秘策をお話しました。ぜひ、地域の若い人たちに発表の機会を与えてあげてください。
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今井 ひろこ


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