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「月刊兵庫教育」7月号にジオパークについて寄稿<3/4>

   

おとつい昨日と、月刊兵庫教育7月号に寄稿したジオパーク活動についてお話をしています。今日の3回目は、地方を元気にするジオパークの5つの効能についてのお話です。

月刊兵庫教育

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温故”地”新 〜ジオパークと地域づくり〜(3)

<4>地方を元気にするジオパークの5つの効能

日本のジオパークの殆どが地方の過疎地にあります。私はジオパークで経験し学ぶことのすべてが「この地で生きていくことの自信と智慧」に繋がると思っています。なぜならジオパークには地方を元気にする5つの効能があるからです。

一つ目は足元に眠る地域の宝を再発掘できること。住民は地元の素晴らしい見どころや昔の特産品を意識していません。再発掘して今の時代に合うものを再活用し、地域振興へつなげます。

二つ目は「商品ストーリー」を科学的な視点で構築できること。今は“商品の背景”が重要視される時代です。昔から生産される野菜や果物などは風土に合ったその土地ならではのものが多く、そこに科学的根拠が明確に示されれば、商品を買う明確な理由に結び付きます。

三つ目は防災もジオパークのテーマであること。地質学や地理学の専門家が地元に入り調査研究をして地元住民に伝えることで、自分の暮らす土地のクセを専門家から直接学ぶことができ、自然災害への備えを住民皆が高めることができます。

四つ目は看板やパンフレット、体験プログラムなど、観光客向けに数多く作られていること。山、海両方の魅力がある山陰海岸ジオパークだからこそ楽しめる体験プログラムが多数登場し、観光客増加に一役買っています。海側では豊岡市竹野町のジオカヌーや新温泉町三尾の海上タクシーの運行、豊岡市神鍋高原のスノーシューウォークなどは、ジオパークになって以降に開発された観光商品です。

五つ目は地域をつなぐ力となること。ジオパーク活動を含め、地域活動に参加する人たちが増えると、その中から若きリーダーが出てくるようになります。観光イベントだけでなく、地元の祭り、公園の草刈りなどを通して、地元への愛着心や誇りの醸成につながります。やがて持続可能な地域づくりの担い手となって、地域を守り続ける存在になります。実際、彼らが地元で頑張っている姿を見て、都会へ出た同級生が帰ってくる例も増えてきています。平成の大合併から10年が経過していますが、市町の一体感は未だ完全ではなく、地元への愛着心が希薄になり、若者の流出が止まっていません。地元に残る数少ない若手が地域づくりに関わり続けていくためには、既存の枠組みを超えた真の連携が必要です。ジオパークになってから町境や県境を超えて民間交流が進みました。商圏が拡大し売上が増えた事業者や地域づくりに参画する学生も増えてきました。副次的な効果で、ジオパークだけでなく、但馬全域でも20-50代を中心に連携が進みました。

ジオパークで連携

私はジオパーク活動を進めるうちに、地域活性化を進めていくためには町単独でなく、但馬全域を視野に入れた活動が必要だと感じるようになりました。地元の事業者の売上を伸ばして雇用を増やし、若い人にUターンして欲しいと、3年8ヶ月勤めた役場を退職して、昨年春にコンサルタント業を起業しました。ジオパークの情報発信で培ったノウハウを提供しながら、地元の企業や商店、宿泊施設のホームページや販促物の「伝える力」を底上げする手助けをしています。

「月刊兵庫教育」7月号にジオパークについて寄稿
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役場を辞めてからは町民への出前講座は後任へ移りましたが、ジオパークの理念は今もコンサルティングの場で使っています。特に、宿泊施設や観光施設では、ジオパークの基本となる「地元を足下から深く知り、自ら伝えること」の重要性をビジネスの場に活用することを一つのアイデアとしてクライアント様にお話ししています。この地で無ければできないこと、自分がこの地で活かされている意味を深く考えることが、ビジネスの独自化につながり、持続可能な生活ができていくと私は考えているからです。

いよいよ、最終話は明日へ。
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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

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