値下げしないで売るための3つの考え方
小さな店舗、小規模宿泊施設の支援をさせて頂いていると、価格設定の悩みをよくお聞きします。特に「もう少し安くしないと売れないのでは?」と思っている方が多いです。「値下げして売る」というのは目の前の売上を上げるための一つの方法ですが、結果として自分で自分の首を絞めることになります。今日は値下げをする前に考えて頂きたい事を3つ、挙げてみました。
(1)その商品が欲しい人に伝わってますか?良さが伝わってますか?
商品が売れないのは高いからでしょうか?ほとんどの場合は「その商品がここで売られているのが知られていないから」です。もちろん、商品名だけの話ではありません。その商品の良さを知ってもらっているか、というのも同様です。良さを知ってもらわなければいくら安くしても誰も買いません。商品の存在や良さを知ってもらうための努力をしたのでしょうか?その商品が欲しい、と思うような人に届くような工夫をしてみたでしょうか?
型番商品でなければ、全く同じ商品ということはあり得ません。例えば、自店舗は300円、近くの競合店は200円で類似品が販売していたとします。どちらもの存在を知っていて、何も説明が無ければお客様は200円の方を購入するでしょう。でも、300円のこの品は「こういった特別な日に使ってほしい」という体験を強調するような説明書きがあれば。該当する人は1.5倍の料金でも興味を示すはずです。全ての人が安い方の商品を買いたいわけではありません。高い理由を知れば、高い方を買いたい人もいるのです。そういった人に出会うための努力、伝える為の努力をしましょう。
(2)スペックばかりを強調していませんか?
商品やサービスの良さを伝える、というと、商品説明ばかりしていませんか?大切なのはその商品を買うことでお客様がどんな体験ができるかを伝えることです。「体験」とは「どんないいことがあるか(=快)」、または「どんな不便が解消できるか(=不の解消)」のことです。

「快」や「不の解消」であることが多い
「こんないい商品なのにこんなに安くしますから」というセールスを受けること。私もあります。最近だと車が2回目の車検でしたので、やたらと「安くしますから今がチャンスですよ」ばかりを繰り返すセールスを受けました。私にとって「いつもより安い」はハッピーではありません。そもそも「値引き交渉しなくても安い」というだけで、「交渉すればいつでもその値段になるんですね」ぐらいにしか思わなかったんです。新車になると私にとってどんないいことがあるのか、今不便と思っていることがどう解消するのかを教えてほしかったです。
(3)商品を買うから良いのではなく私から買うから良い、ということが伝えられていますか?
先ほど「型番商品でない限り」というお話をしましたが、「型番商品」でも、高い方から買う場合があります。それは「このお店から買いたい」「この人から買いたい」と感じたケースです。そういった関係性をお客様と築くにはどうすればよいか。買ってほしいとき以外にもコンタクトを取り、お客様にとって役立つ情報をお届けすることです。
先日、家電品を購入した時のことをお話しましたが、アフターサービスや設置などの品物以外のサービス面での違いもそうですよね。お客様は「商品の価格しか見ていない」のではなく、事業者側が「商品以外の価値を伝えていない」のです。だから、価格競争に巻き込まれてしまうのです。
商品の存在と価値、その商品を買うことで得られる体験、そして私から買う理由をしっかりと伝えていきましょう。「値引き」とはそれをしていない結果なのです。
今井 ひろこ
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