自由研究を旅行先で!海辺の生き物の自由研究のサポートをしました
12日ぶりに休日をとった先週、主人の経営する民宿かどやの宿泊プランのひとつ「親子体験ダイビングプラン」が入り、自由研究のサポートをして頂きたいというリクエストがあったので、私がサポートを行ってきました。うちの宿はダイビングのインストラクターが私や主人を含めて3人いるので出来る宿泊プログラムなんです。どんなことを行ったのか、ご紹介します。
ダイビングは10歳から可能です。潜水時間は20分ちょっとですが、スノーケリングも練習しますので、スノーケリングでは水面から観た海中の様子、ダイビングでは水中の様子を自由研究にまとめます。
参加されたのは、父母と中1の娘さん。お父さんがダイビングを趣味にされていて、ちょうど海の中の生き物も観ることもできるから、自由研究にまとめたら一石二鳥だね!と家族を誘ったのだそうです。
体験ダイビングプランでは、まず最初にレクチャーを陸上でします。どんな風に潜るのか、絶対にやってはいけないこと、逆に必ずしてほしいことなどを、10歳から理解できるよう、小5の臨海学校でのインストラクターも務めるダイビングスタッフが丁寧に説明します。
そして、自由研究のサポートプログラムです。イルカや魚、カニが好きという娘さんと親御さんと私で、どういうことを研究したいのか、ディスカッションしました。海の生き物を調べるといっても、アジがいました、ホンヤドカリがいました、と生き物の名前とスケッチだけでは小学校5,6年生レベルです。中学一年生ですので、魚や貝などの魚の色や体表のデザインを観察して、砂地、磯、水面、水面と海底との間のどこで泳いでいるのか、環境と体表デザインの特徴をつかむことで、どうしてそこにいたほうが居心地がいいのかを考えよう!ということになりました。私や親御さんが決して誘導したのではなく、娘さんが何を知りたいかをディスカッションの中で見つける作業をアシストしています。それも自由研究の目的として記入しますので、ここが大事なポイントです。
その後、スノーケリングの練習の時に水面からアジの色(実は水面から観ると銀色でなく黄色に見えます)を観察。そしてダイビングの時には、ガイドを担当するインストラクターからそれぞれの場所にいる魚を紹介してもらいながら、水中へ同行したお父さんが「潜るんです」(水中に持って入れる簡易カメラ)で生き物や環境を撮影して頂きました。
ダイビングが終了したあと、どういう生き物が居たかについて、図鑑を示しながら私が解説。特に、どんな体表デザインの特徴があったかについて、どこで何匹でどんな風に泳いだり、じっとしていたかを娘さんに思い出して頂きながら、娘さんにメモして頂きました。砂地にいた生き物については特徴的なことが見つかりました。砂と同じような点々がいっぱいついたデザインです。何故、砂と同じようなデザインになっているのか?と親子でディスカッションをして頂き、ある程度の答えが出てきたところで、この日は終了。あとはご自宅でまとめて頂くことになりました。
この研究のゴールは「擬態」、つまり、他のものに似せて存在することで、敵から身を守るということ。どんな敵なのかは図鑑や本で調べることが出来る範囲で結構ですので、それを図書館やインターネットで調べてみると更に学びが深くなります。自分が実際に観た、体験した事柄から、何を連想し、そのことについて調べて、自分が観たことに対する結果をまとめるか、です。この話は親御さんにお伝えしており、自由研究を親子でディスカッションして頂きながら完成まで持っていき、自由研究を家族で楽しくまとめることを、私の隠れた目標にしています。
観た魚についてはカメラの写真だけでなく、実際に図鑑を見ながら絵を描いてみよう!ということにもなり、とってもワクワクするステキな研究になりそうです。親御さんは「とってもいい視点をありがとうございました。毎年苦労するんです・・・」と。確かに、どういう視点で自由研究を論理立てて、また実験しながらまとめていけば良いのか等は、理系出身じゃないと分からないかも。そういう意味では、元化学者&ジオガイドとしての経験が活かせるので、私としてはウレシイ限り。充実したサポートでした。
今回、まとめがきちんと出来ると、来年は磯の生き物をあわせる、或いはもう少し潜って海藻がたくさんあるエリアで生き物を探してみるという風に、テーマが連続して広がってきます。他のお子様とほぼ内容が重ならない海中−5mの世界を観察するので、他の児童生徒と違う研究対象で自由研究やってみたいという方に向いています。
健康上、当日の体調で潜れないという方は水面〜−50センチでの磯の生き物について、スノーケリングしながら、どういう場所にいるのかについて調べ、身体の形で棲む場所の特徴が見えてきますので、同じように研究をまとめることが出来ます。ぜひ、残りあとわずかとなってきましたが、盆休みに是非、海辺で自由研究、やってみましょう!
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今井 ひろこ


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