講師やコーディネーターの有償無償議論の根底にあるもの
先日、ブログで「ジオパークでの講師やコーディネーターは有償か無償か?」という話を書きましたら、これも相当なアクセス数を記録し、Facebookではいろんなご意見を頂戴しました。それだけ、ジオパークに関わる講師、プロガイド、コーディネーターが困惑している現状が垣間見えます。
Facebookでは、私の師匠の一人で(一社)IPNET-J代表の本多先生がその根底にあるもの、というお話をして下さいました。先生とは8年前に出会い、インタープリターの待遇改善を自分たちから図っていかなければ、有望な若い人たちが育たないと講習会の時に教えて頂き、目から鱗がボロボロと落ちたことを覚えています。
アメリカでは、ガイドやインタープリターに報酬を払ったり職業にできる土壌があります。日本には、まだまだガイドの働きにお金を払う風習はありません。しかしここ10年ぐらいそういうことを職業にできるようになってきました。しかし範囲は限られた、山岳ガイドやバスガイド、ダイビングなどです。セラピーも自然に関するものはなかなかそうはなりませんがアロマセラピーのようなセラピストは、職業になっています。
レジャー産業も旅館や観光地はシーズン以外は閑古鳥ですが、パチンコなどは年中おおはやりです。要するに(観光は)もっとも金回りの悪い産業の中のしかもあまり価値を評価されないところにいます。
そんな中にいる講師やコーディネーターはもっと評価が低いです。コーディネーターや事務局的に調整する役割は全く評価の対象になりません。講師も謝金が出ても、そのための準備や段取りにかかった時間に対し評価がありません。たとえ1時間3万円の謝金をいただいても、そのために下見したりパワポをつくつたりと数十時間かけても評価の対象になりません。時間給に直すと1時間の講演で3万円もらっても時間給に直すと250円ぐらいにしかならないこともあります。アルバイトの方が実入りがいいのです。
この体質が問題でこれからの若い人たちがプロとしてレベルの高い仕事をしていくことにつながりません。いつまでも自己満足のボランティアレベルを超えないのです。(中略)
そういえば昨日、知り合いと専門家派遣の講師謝金の話になり、ミラサポでの講師謝金が1時間5000円と専門家の分野の中でも一番安いと嘆くと、「1時間5000円って一般庶民からは凄い値段だと思う」と言われ、その1時間のためにどれだけの準備が必要なのかをお話し納得して頂いたところでした。私もそれと同じようなことを、以前、ジオパークガイド養成講座の講師謝金について町の担当者に丁寧に説明し、適正な人件費を計上して頂きました。
ちなみに私の講演会&セミナーはどれ一つとして全く同じものはありません。準備が短いものでも前々日から準備(1日12時間として)をし、行き帰りにそれぞれ6時間かかるジオパークの場合、1泊2日で36時間拘束+24時間の制作時間として計60時間。それを講師謝金3万円で割ったら500円です。兵庫県の最低賃金は776円ですから、実にそれ以下なんですね。それでも講演会やセミナーを行うのは、自分の学びの為、次のお仕事の糧となり肥料となるからです。
ある県立大学の先生は同じFacebookコメントの中で
任意団体やNPO等の中には(講師謝金などの人件費は)無償を前提とするところも数多くあります。これに行政等が乗っかっているので問題が生じるのです。需要と供給からいうと時間に余裕のあるリタイヤ組は数多くいます。そことの競争に勝てないとビジネスとして成り立ちにくいかも。
せっかく全国の自治体の1割以上がジオパークになっているのです。講師やコーディネーター、ガイドは変革のチャンスなのです。年金組の生きがいとしてのジオパークガイド&講師業としていくのか、若い人たちが食べていけるようにするジオパークガイド&講師業にしていくのか、人件費計上を見誤り、生きがい派を重視するようなことがあれば、持続可能な地域づくりを目指すジオパークの理念は土台から崩れるでしょう。
やはり、自治体には特に、講師やコーディネーターなど、資料がすべて用意されていても正規職員ではスキルが無いためできない仕事には、適正な人件費計上、講師謝金の支払いをジオパークにいる人たちの中から求めていきましょう。
今井 ひろこ
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