「今回もわかりやすかった」と大好評!老人会でジオパーク講演をするときの3つのコツ
今月13日に私の暮らす集落の老人会の新年会に呼ばれ、ジオパークの講演会を行いました。老人会では毎月の会合でいろんな種類の勉強会を行っているようで、昨年秋に何度かお声を掛けて頂きましたが、他のジオパークへ講演に行っていたりして、日が合わず、今回の新春講演会となりました。
私の暮らす集落は人口が350人程度で、100世帯余です。そのうち、老人会に入っている方は一昨年90人を超えていましたが、昨年一気に8人がお亡くなりになり、80人弱までになっています。女性が2/3、男性が1/3と圧倒的に女性が上回っていて、女性の一人暮らし(独身女性?!)が増えているそうです。おじぃちゃんたちに「どうして集落では男性が少ないんですか?」と聞いてみたら、「若いときに働き過ぎたから!(笑)」と教えて頂きましたが、私の見た目では、兵庫県北部・但馬地方は、圧倒的に女性が働き者のような気がします。(女性のほうが働き口が多い)
かつて香美町ジオパーク推進員だった頃、最も多く出前講座をさせて頂いたのが老人会や老人大学でした。講演する私のほうが逆にいろいろと教えて頂くような講座が多く、今のように話がスムーズできるようになったのは、老人会に育ててもらったからといっても過言ではありません。今回聞いて下さる方の中には4回目という方も居られ、ネタ繰りが大変でした。しかし、老人会ではテッパンネタやコツがあり、これらの話しをところどころに入れることで、飽きさせない工夫をすることができます。
1.昔の集落の写真を最低5枚は入れる
特に、老人会の方々が若かりし頃の50〜70年前の写真は、自分が映っているかも知れないと、目を凝らしてご覧になります。家が映っていると「誰々ちゃんの家だがね!」という声もちらほら聞こえてきます。
地引き網の様子(昭和初期?)
2.屋号が絡むネタを出す
屋号というのは、店の名前です。私の地区は江戸時代、小型中型の商い船(北前船ともいいます)が就航し、船には屋号が書いていました。その屋号の記録が書物に残っている場合があり、今回も北前船の研究者・新温泉町諸寄在住の安本先生の研究から分かった北前船関係の屋号のスライドを出しました。
すると、「うちげだ!」とか「○○ちゃんのところだがな!」とそこでも会場は盛り上がりました。超ローカルネタは老若男女ともに喜ばれます。
3.都会のヒトにウケたガイドネタを話す
老人に限らず、地元の方ほど、当たり前に見る毎日の風景に珍しさはまるで感じられないと思いますが、都会の方をガイドしているときに、楽しく見るヒントをお伝えすることで、「めちゃスゴい地域じゃないですか!」と都会の方にウケるネタがたくさんあるのです。
例えば、屋根の瓦。一番手前の軒瓦(のきがわら)に施されているデザイン、何に見えますか?都会の方は「カニ!さすがはカニの町、香住やね!」と喜んで写真をパシパシ撮影されます。
実は、山間部でも使われており、日本海側でよく使われる、石州瓦(島根県)のマークです。北前船でも交易した商品の一つです。
また、船小屋が海岸線の際にあるのも日本海の中央部ならではの風景です。
太平洋側では船小屋は海岸線の際に作ることはできません。香住の潮汐差は年に最大でも50センチいかないくらいですが、今まで見た中では、熊本県の天草地方の潮汐差は500センチ(5m)ほどになります。そういう場所では、海水浴の時に水辺のギリギリまでシートを敷くことも出来ないし、モノを磯に置いていたらいつの間にか磯が見えなくなることも。そういう話をさせて頂くと「自分のところが普通だと思ってたー!」とご納得されます。
*****
老人会はお勉強する場では無いので、例えば地球科学の話や地質図を出しての話は極力控えて、地形の成り立ち程度に留めています。私の町では老人大学でしっかりと濃い内容の講義を受ける機会もあるためです。それよりも、自分の孫や店のお客様に話したいジオパーク話をすることが大切です。誰かに話をして、はじめて自分が腑に落ちることってことも多いからです。これからも老人会などでジオパークの話はNPOの事業として続けていく予定ですので、お気軽にご相談下さい。
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今井 ひろこ
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