「ジオパーク」を誰に何を伝えて、どう行動してもらいたいの?
今回、NPO桜島ミュージアムの福島さんのお話をお聞きして、ジオパークの活動を収益につなげるためのシンプルな構造についてすごい!と感じたことがあります。
福島さんが代表をつとめるNPO桜島ミュージアムはその目的がわかりやすいです。
桜島をまるごと博物館と考え、現地で本物を見て
楽しみながら学べる観光地づくりに絞り込む団体
そのことを踏まえてまずは皆さん、Googleで「桜島・錦江湾ジオパーク」と検索してみてください。
実は最初に出てくるのがなんと、鹿児島市観光情報サイト「よかとこかごんまナビ」です。その中でジオパークについて解説されています。2番めに来ているのは日本ジオパークの公式サイト内での紹介です。
続いてGoogleで「桜島ミュージアム」と検索してみてください。普通、博物館のサイトが出てくると思いますよね?
検索トップが「みんなの桜島」というポータルサイト。
桜島ミュージアム (体験・観光・ツアー)←カッコ書きで「体験・観光・ツアー」と掲載。これ、すごいと思いませんか?この3つができる場所ですよ、とひと目で分かるようになっています。
これ、スゴイことなんです。マーケティング的に解説させていただきますね。まず、ジオパークを伝えたい、楽しんでもらいたいターゲットは誰か?はい。観光客です。では、観光客に何を伝えたいのか?桜島を体験・体感できるアクティビティを楽しんでもらいたい。最後に興味をもった観光客にどう行動して欲しいのか?問い合わせ・申し込みをしてもらいたい。
マーケティングとはシンプルに言うと、伝えたい人にわかりやすく伝えることで売れる仕組みを作ることです。「みんなの桜島」はそのことが達成できているサイトになっていることがお分かりいただけますか?「ジオパークの紹介としては弱い!」と思われるかもしれません。賛否あるかもしれません。でも、ジオパークを詳しく解説しようとすればするほど聞き手は何を伝えたいのかわからないサイトになります。WEB内におけるジオパークとしての紹介は日本ジオパークの公式サイト内で紹介されているのでこれで十分かもしれません。(Google検索で2番めに来ていますし)
ここであえて山陰海岸ジオパークの公式サイトをご覧ください。伝えたいターゲットは誰でしょうか?観光客?地域住民?ジオパーク活動をする関係者?他のジオパークの行政職員?ターゲットが定まっていない(あるいは誰もが見てください)としてしまうとどこを見ればよいのか、何を伝えたいのかがよくわからないものになります。このサイトを訪れた人がどう行動して欲しいのか?観光客目線で見た場合、ウォーキングマップやドライブマップはあります。ということは「勝手に観光しなさい」ということ?ガイド一覧から詳細申し込みができますが、何ができるのかは一つ一つのガイド、あるいは団体を見ていかなければならず、(見てもよくわからない団体もあり)実際の行動、申し込みにとてもつながるとは思えません。せいぜいリンク集ぐらいの使い勝手、しかもWEBサイト内の低い階層で紹介されているため、観光客の方が実用できるサイトとはいえないでしょう。広域ジオパークの弱点、拠点施設が多数あり、まずはどこへ行けばよいかの決め手にもかけます。行動を促すのではなく、行動をかえって迷わせてしまうサイトになってしまっています。ただ、正直いってしまうとどこのジオパークも似たり寄ったり。「世界」ジオパークと言われているところほど随分前に作ったWEBサイトのところが多いため、「みんなの桜島」のような思い切った作りにはできないのが正直なところではないでしょうか。
今回の山陰海岸ジオパーク内でのガイド交流会において「ガイド収入がある」と言われた福島さんの言葉に驚きの歓声があがっていました。ボランティアか有償か以前の問題として、お客様を集める仕組み(=マーケティング)をする意識をまず持つことが求められています。
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今井 ひろこ
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