「日本のジオパークへ行ってみよう」日本海新聞連載コラム・南紀熊野ジオパーク<上>
遅くなりましたが、2014年12月27日(土)日本海新聞連載コラム「日本のジオパークへ行ってみよう!」のコラム記事です。今回は南紀熊野ジオパークを2ヶ月に渡って掲載予定で、今回は紀伊半島南部がどうやってできたのか、今月の後半は熊野を取り上げます。
2ヶ月に渡って書こうと思ったのは、近畿では2カ所目、それも、近畿の北端の山陰海岸ジオパークに対して、南紀熊野ジオパークは南端と、とても対照的であるとともに、成り立ちの歴史が異なります。対照的な二つのジオパークをどう描いていこうかなと思った次第です。
取り上げた橋杭岩は、NHK近畿エリアのニュースでは潮岬と並んで取り上げられるほど、馴染みのあるところです。このコラムの読者は但馬(兵庫県北部)の方なので、その方々でも知っているところであれば、読んで下さいます。珍しいところ、知られていないところを載せるのもジオパークとしては必要なのでしょうけど、私はできるだけ馴染みのところや山陰海岸ジオパークと比較できるところを掲載しています。
串本は10年以上前に何度も潜りに行きました。黒潮がぶつかる海域には、テーブルサンゴが広がり、熱帯魚など魚種も多く、複雑な海底地形が広がる場所もあり、ダイバーに大人気です。日本海側では寒さを感じる9月後半以降、11月の連休まではウエットスーツでも十分に潜ることのできる水温です。それ以降も、ドライスーツという中が濡れないダイビング専用スーツを着ることで快適な青い黒潮の海を堪能することができます。
一年に10回以上、串本まで潜りに行った年もあるのですが、橋杭岩は片手で数えるほどしか見に行ったことがなかったのです。見ても「へぇー、不思議な形」で終わっていたのです。なぜ、どうやって、こんなことに・・・とまでは思うことが無かったのですね。その楽しさを知ったのは、ジオパークで大地の成り立ちを学んでからです。視点が変わったんですね。
橋杭岩のようにギザギザになっているところは山陰海岸ジオパークでも少なく、同じような成り立ちでは、京丹後市の屏風岩が近いかな、と。自分のフィールドのどこと似ているとか、そういう「比較して楽しむ」ことができるのも、ジオパークならではの楽しみ方です。
そうそう、串本での思い出で鮮明なのは、国内の「うすかわ饅頭」の中で最も美味しいと私が思う「儀平のうすかわ饅頭」です。
ここの饅頭はあんこが上品で、薄皮が本当に薄いんです。そして出来たてがとにかく美味しい・・・けど熱いんです。店内で食べさせて頂いたことがあるのですが、一緒にダイビングに行った私の旦那が一口で食べようとしてやけどしたのを覚えています。ダイビングの帰りに寄って、片道8時間の長い運転中、ほんのり温かいのをおやつ代わりに食べながら帰ったのを思い出します。串本に行かれたら、ぜひ、儀平のうすかわ饅頭、一度お召し上がり下さい。
コラム取材にご協力頂いた南紀熊野ジオパーク推進協議会さま、和歌山大学の此松先生、本当にありがとうございました。
今井 ひろこ
最新記事 by 今井 ひろこ (全て見る)
- 第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(5/n) 選ばれるだけの理由が無ければ売れない - 2019年1月17日
- 第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(4/n) 着地型観光で選ばれる商品とは? - 2019年1月15日
- 第6期・南紀熊野観光塾「塾生講習」に参加して(3/n) ターゲットを一つに絞る - 2019年1月14日
関連記事
-
-
11月開催のジオパーク講演会のご案内
2015年度も後半にさしかかってくると、増えてくるのがジオパーク講演会です。今年 …
-
-
理想のジオガイドって?島原でガイドさん向けジオカフェ開催しました!
昨日、島原半島ジオパークのガイド有志11名が集まり、島原半島ジオパークで恐らく初 …
-
-
9/21(金)島根県商工会連合会の経営指導員等研修会で講師を務めました【スマホ時代の最新Web集客支援セミナー】
一昨日、9/21(金)に島根県商工会連合会(島根県連)主催・第9回 島根県経営指 …
-
-
5/10 山陰海岸ジオパークガイド養成講座2017、香美町でついに開講!
今週は怒濤の気忙しさで、目の下にクマができるほどでしたが、10時間以上寝て、今は …
-
-
ジオパークの図を見て違和感を感じた理由は、日本版DMOの図を見てハッキリした!
今日は2/15、16で登壇するジオパーク講演会で使用するスライドを作っていて、ふ …
-
-
12/6(日)天草ジオパーク祭の講演会に登壇!<下>
昨日のお話の続きです。12/6(日)天草でジオパーク講演会に登壇して、ジオツーリ …
-
-
日本のジオパークのメッカ「糸魚川ジオパーク」巡礼へ<2・終>
北陸新幹線が通り、リニューアルした糸魚川ジオパークへ巡礼に行ってきたお話の続きで …
-
-
海と大地が育むキャベツ-日本のジオパークへ行ってみよう!(日本海新聞連載)
一昨日、月一回掲載している日本海新聞但馬版「日本のジオパークへ行ってみよう!」。 …
-
-
ジオパークって民間にどう浸透させればよいの?☆ジオ談会に参加
今朝もよく晴れて、事務所のある豊岡市内は真ん中に川が流れて盆地特有の朝霧がすごい …
-
-
『集客』を再認識したガイド養成講座の企画〜『集客』の極意とは?
昨日はとっても青空が広がって、いい天気でした。でも今のワタシには日焼けは厳禁。今 …
- PREV
- 2014年1月の講演会、セミナー予定
- NEXT
- 但馬牛ガイドコース用のお客様向け冊子を制作中です