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城崎温泉旅館視察ツアー「三木屋」編~城崎オンパクでジオってみよう(5)

      2014/06/04

先週に書いていた、城崎オンパクで開催された『有名旅行社の新人研修でやっている 城崎温泉 旅館視察ツアー体験』の続きの話です。山本屋さんへ行かせて頂いた後は、賑やかな通りを抜けて、創業340余年、老舗御三家の三木屋さんへ。若い10代目オーナー・片岡さんが出迎えて下さいました。

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三木屋の歴史を丁寧に語って下さった10代目の片岡さん

まず驚いたのが、登録文化財に登録された木造の建物。こちらも震災直後はすべて倒壊してしまい、昭和2年に現在の木造3階建てに立て直したそうです。そしてさらに驚いたのは、建物に入ってから。昨年大規模にリニュアルしたというホールと奥に広がる日本庭園と相まって、静穏で優雅な空間を感じさせます。明治時代に撮影されたと思われる写真を見せて頂きましたが、庭園の作りがほとんど変わっていません。百数十年の間ずっと変わらない庭園が維持できているのも、三木屋さん故ですね。

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庭がとにかく広すぎて、iPhoneのパノラマでないと映りません。 

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ホールも同じく広すぎて、iPhoneのパノラマでないと映りません。

三木屋さんは作家・志賀直哉さんお気に入りの宿としても知られ、最初に訪れた大正2年、30歳のときに「城の崎にて」を執筆。震災で倒壊する前の建物で書いたとされ、その頃の部屋の様子も作品に詳細に描かれているのだとか。志賀直哉さんは以降40年間ほど三木屋に通われたそうで、今回、志賀直哉さんの愛用していた部屋を見せて頂きました。その部屋は庭の眺めの良い2階にあり、京都の老舗旅館・柊屋滞在中に三木屋の主人に送った直筆はがきも展示されています。現在こ部屋には一般のお客様はお泊めせず、見学コースとして宿泊のお客様からご希望があれば、片岡さんがご案内されているそうです。

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志賀直哉さんのお気に入りの部屋。

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志賀直哉さんが70代の頃に宿主に宛てて書いた直筆はがき。娘さんへの贈り物に対するお礼状だそうです。

「三木屋は建物と庭が生命線なので、木造のしつらえを変えずにリノベーションしました」と片岡さん。敷地建物が広く、部屋食だと料理が温かい状態で出せなかったため、1階に食事処を新調し、椅子席で食べるスタイルに変えたそうです。すべて1階で済ませることもできますので、足腰の弱いシニアの方に向いてます。落ち着いた空間なので、若いカップルよりは、40代からのオトナ旅にいいですね。オーナーが志賀直哉に詳しいので、志賀直哉フリークの方や文豪の作品が好きな方もWelcome。文豪の宿として、外国人の個人旅行客にも合いますね。

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1階の食事処も見せて頂きました。 

またまた話が長くなってきたので、続き4軒目の「ときわ別館」さんとツアーのまとめは明日に。

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパークの旅, 山陰海岸ジオパーク

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