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ジオパークは「ボトムアップで住民から」と行政がトップダウンで言う矛盾

   

最近、ジオパーク関連の会議に出ていて大きな矛盾を感じることがあります。先日も、とある会合で出た話ですが、ジオパークについてのアンケート結果によると「ジオパークは住民に広く周知されていない」「ジオパークは一部の人たちだけがやっている感じがする」「ジオパークで本当に地域振興が進んでいくのか未知数である」などなど、世界ジオパークって言ってる某ジオパークで、こういうことを今更ながら言ってていいのか?!ということに話が及びました。

たいてい、こういうときに矢面に立つのは行政です。「行政が今までジオパークに使った資金は4-5年間に累計10億にもなるが、その効果が出ているのか?」「なんで行政がもっともっとPRしないんだ?!」と。非難するのはラクですよね。言うだけだから。

私はもちろん行政「も」ジオパークをPRすべきと思うのですが、本来、もっと広めるべきは、ジオパークを理解できたガイドや地域住民なんですよ。だって、ジオパークに住んでいるのだから。それが愉しいと感じたのだから。

夢但馬2014夏号001

ジオパークを必死のパッチでPRする私たち夫婦
(夢但馬2014ガイドブック夏号)

よくよく考えたら、おかしな話じゃないですか。

「ジオパークは住民からのボトムアップなんですよ!住民の皆様、やりましょう!」と行政がトップダウンで言っている現実・・・それに異を唱えて自ら動く人が少なすぎる。

主人のマーケティングの先生である藤村先生は、先日のFacebookでこう述べてはります。

当たり前の話ですが、好きになってもらいたかったら、自分から好きになること。
助けてもらいたかったら、自分が助けてあげること。
国に何かを求めるのなら、自分が国のために何ができるかを問うべきです。
そういうこと。

すべてそうですね。
でも、見返りを求めてやっていたら、本当はちょっとちがうけどね。

FacebookやTwitterでも、あなたが与えることです。
見返りをもとめず、発信することです。(以下省略)

〜藤村正宏Facebookより〜

私はいきなり行政がジオパークやりなはれとトップダウンで伝えても、頭ごなしに言われて理解するだけの心を住民は準備して下さらないと思ったから、10人以上集まる会合に呼ばれたら、PCとスクリーンとプロジェクター持って、どんな雪でも、どんな雨でも、どんだけ暑い日でも行ってました、出前講座に。だって、この地域のことを深く愉しく学ぶことができるジオパークという、新しい視点で発見した「宝」をみなさんで共有したいと思ったから。私ね、呼ばれたんですよ、次々と、住民さんの団体から。これこそボトムアップです。そういう小さな積み重ねをしていかないと、住民合意は得られないと思っています。最初は押しかけていき、あとはクチコミで広がることを狙って・・・それだけ時間と手間がかかるんです。だけど、それをしていかないと、今までの地域活性化策と同じじゃないですか。1-2年やってみて、すぐに効果が出てこず、やっぱりアカンだね、ってのと。ジオパークは30年くらいの長い長いスパンで考えないといけない漢方薬なんですから。

観光客にジオパークを知ってもらいたい、っていう前に、まずは住民でしょ。住民に広く知ってもらうために、「ジオパークなんて住民に俺らが説明してもわからんやろうし」とふんぞり返らないで、知っている人はどんどん伝えていって欲しい。面白いと思ったなら、伝えて欲しい。

ジオパーク人なら、行政に文句を言う前にすべきことがあるはず。。。 今回はちょっと愚痴、でした。

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパーク, ジオパークとは?

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