2016年の日本ジオパーク新規加盟認定地域が発表!
こんにちは。兵庫県北部・豊岡市で宿専門の集客アドバイザー時々ジオパークガイドをしている今井ひろこです。当ブログへお越し下さり、ありがとうございます。
ちょっと遅くなりましたが、先週9日に日本ジオパークの認定審査の発表があり、拡大申請地域を含む5ヵ所が日本ジオパークに新規認定されました!(新規認定審査には2種類あり、全く新規で申請するほか、既にジオパークですがエリアを10%以上拡大する場合に新規審査と同様の扱いになります。)新規認定地域の皆様、おめでとうございます!
今まで30ヵ所のジオパークに行って、あとちょっとでコンプリートと思っていたのに、行ったことの無いジオパークが増えました。またがんばろうっと!
お祝いに市民400人が駆けつけた!
(下北ジオパークFacebookページより)
これで、日本のジオパークは全部で43地域。そのうち、世界ユネスコジオパークは8地域です。東日本の密度が更に濃くなりました。火山が主テーマのジオパークも増えました。
(兵庫県立大学大学院 先山徹先生作成)
ちなみに今回7地域の新規認定審査地域のうち、講演会に行かせて頂いたのは何と5ヵ所も! ちょっと嬉しかったりします♪
認定及び見送り地域についてそれぞれの理由が発表されるので、毎回私は注目をしています。その理由は、今、日本ジオパークが求める基準が見えてくるからです。(以下、日本ジオパークネットワークHPより理由部分抜粋)
新規認定地域(5ヵ所)の認定理由
*箱根ジオパーク【神奈川県】(拡大申請)
南足柄市の編入については、前回認定直後から検討を続け、講演会の開催や広報紙での PR 活動など、本格的に準備を進めてきた。南足柄市では、一般市民から募集・養成したジオガイドも誕生している。既存地域についても、認定時の課題を解決しながら着実に発展してきた。箱根ジオミュージアムは、わかりやすい展示と導線づくりを実現している。また、昨年の噴火で、火山活動への関心が高まったことを活かして、地域活動や、火山のもとでの観光、防災教育にもつなげている。
*下北ジオパーク【青森県】
前回の認定見送り後、各種地域団体などが様々な活動を行い、ボトムアップ型の推進体制が構築されてきている。 住民のジオパークに期待する声が多く聞かれ、実際にジオパーク商品開発が行われるなど、今後の展開が期待できる。 学校教育・社会教育の現場にもジオパークが積極的に取り入れられ、今後、住民を主体とした地域資源の保全と観光及び教育への活用の取り組みが展開されていくものと期待される。
*筑波山地域ジオパーク【茨城県】
前回審査において認定見送りとなったことを受けて、地域を代表する 景観である関東平野、筑波山、霞ケ浦を軸とした新しいテーマを構築した。自治体を超えて住民同士が繋がったことで、保全活動がさらに活性化し、日本ジオパークネットワークにおける地域資源保全への貢献も期待される。また、 広大な関東平野や筑波山の生い立ちについて考え、日本国内外の平野との相違に気がつくことにより、水害や地震といった災害に頻繁に見舞われる日本の平野で暮らすことを改めて意識できるジオパークとなることも期待される。最先端の研究機関との連携や研究学園都市住民へのジオパークの浸透が今後さらに進むことで地域資源の学術的価値の向上や、ジオパークで育った子供達が世界に羽ばたきジオパークを広めていくことも期待される。
*浅間山北麓ジオパーク【群馬県】
夏場人口が住民の 5 倍にもなる観光地の環境を背景に、火山防災を意識したジオパークの活動が、住民にも受け入れられはじめている。今後日本ジオパークとして展開することによって、日本ジオパークネットワークへの貢献も少なくないと考えられる。大手観光企業との連携も進んでおり、ジオ資源を活用した地域の持続的な発展が期待できる。
*鳥海山・飛島ジオパーク【山形県、秋田県】
鳥海山や飛島を愛する多くの地域住民の思いを、県境を越えた行政と学術関係者が支援する体制ができており、ジオパークとしての質を持続的に活かすうえで必要となる十分な推進体制を有している。
見送りとなった理由
*月山ジオパーク(構想)
月山ならではの資源は多くあり、月山を中心に活動意識は高いが、核となる見どころをどう編集し楽しんでもらうかという戦略が整理されておらず、月山ならではのジオストーリーが十分にできあがっていない。テーマに沿った具体的な戦略・計画が必要である。
*萩ジオパーク(構想)
地形・地質、生態系のみなら ずそれに育まれた歴史・文化といったジオパーク資源の多様性に富んだ地域であると同時に、住民活動が非常に活発 であり、ガイド活動や教育活動を中心に市民活動が全域で組織的に展開されている。しかしながら、萩まちじゅう博物館構想とジオパーク構想とのお互いの位置づけが明確でなく、ジオパーク運営に向けた組織体制の整備に課題が残されている。また学術的支援をする人材や研究者が乏しく、ジオパーク構想を推進する上での学術面に不安がある。
この結果から見えてきたこと
今回、私は審査を受けた7地域のうち、3地域は今年、主に住民向けにジオパーク講演会で登壇させて頂きました。
その時にジオパークエリアを回らせて頂き、住民目線でジオパークがどう映っているのか見ています。
マスコミの注目度と住民の想いは比例する
認定を目指すにはそれなりの準備が必要です。その準備が未だ整っていないうちから、市長や町長、知事のトップダウンで出すことを決めてしまって、予算取りをなさっている場合は、住民に想いが少ない場合が多いです。そのバロメーターとして、私はマスコミさんをチェックしています。
今回新規加盟したジオパークの中で、マスコミ露出が凄かったのは下北ジオパークでしょう。テレビ番組の枠を使って市長がPRをしていましたし、何かイベントがある毎にインターネットニュースで見ていました。
河北新報のネットニュースサイト
私や他のジオパーク関係者の講演会のときにマスコミの方に取材をして頂いていたり、日々、ジオパークの話題がネットニュースに流れてきている時には、記事として住民に届きますので、必ず目にします。マスコミさんも注目している地域活動は記事にしますから、私は各ジオパークの住民参画バロメーターとしています。
また、FacebookやTwitterなどSNSで発信している方のブログや投稿を読み、どんな方が活動されているのか、特にガイド以外を注目しています。ガイドじゃないけど応援している人がどれだけ居るかで、そのジオパークの熱意が読み取れます。今回、見送りとなった地域は是非、マスコミの方々に注目して頂けるようなジオパーク活動を広げて頂きたいと思います。
キーワードは「地域の持続的な発展」
先日まで観光カリスマ・山田桂一郎さんのセミナー受講記を書いていたからでしょうか、そのジオパーク内で観光商品やジオツアー、特産品や「人」をどう売っていくのか、お客様が何を求め、それに対して答える能力が地域内にあるのか? 私はマーケティング/マネジメント能力も今後のジオパーク再認定審査のときに先生方に見て頂きたい点です。
実際、今までも観光圏として活動してきた鳥海山・飛島GPはすでに観光商品の開発やパンフレット&チラシなどでも協働して行き来も多く、ジオパークに加盟しても新たなまちづくりの枠組みとして活用がすぐに図れます。
一方、いままでそういう観光地でも無かったエリアは新たに枠組みを作っていくわけですから、郡部が違えば、交流も少ないでしょうし、いろんな関係性に慣れるのに時間がかかります。準会員になって申請準備を初めて1-2年ですぐに申請をするのではなく、しっかり醸成してから申請したほうが良いような気がしています。
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来月10日〜12日の日本ジオパーク全国大会で、認証式が行われます。加盟認定された地域の方の笑顔に会えることを楽しみにしています。
申込が未だのかた、お急ぎ下さい!
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今井 ひろこ
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