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ジオガイドのリスクマネジメント★そのガイド屋、お客様ファーストですか?

   

京都からおはようございます。京都は相変わらず外国人が多く、夏の観光真っ盛りという感じです。暑い一日、頑張っていきましょう!

兵庫県北部・豊岡市で宿専門の集客アドバイザー時々観光ガイドもしている今井ひろこです。当ブログへお越し頂きありがとうございます。

ジオパークでガイドや講演会してます、わたし。

私は今、世界的に取り組みが進む「ジオパーク」に関わっています。世界遺産でお馴染みのUNESCO(ユネスコ)のプログラムのひとつで、世界的に貴重な地形地質遺産を保全保護して後世に残しつつ、地域活性化にも使って持続可能な地域づくりをしていく仕組みです。

日本には8箇所の世界ジオパーク(認定地)があり、その一つ・山陰海岸ジオパークに私の自宅もオフィスもあります。私は元々ダイビングガイドで、その関係でジオパークに関わるようになりました。現在も細々とガイドのお仕事をたまにしています。

そのほか全国39箇所の(日本)ジオパークから呼ばれて、ガイド講習や地域活性化事例の講演をさせて頂く機会が多いです。(8月27-28日は南紀熊野ジオパークで講演を行います!)

東三河ジオパーク構想

「ジオガイドは保険に入らないといけないんですか?」

ジオパークガイドの方々から私にご質問を直接メールで頂くことがあります。今日はそのうちの一つの質問ついてお答えします。

「ジオガイドはどうして保険に入らないといけないんですか?」

この保険というのは、傷害保険と賠償責任保険を指します。私が、今、関わっている山陰海岸ジオパークでは、最低限、賠償責任保険に入ることになっています。理由は、山道や海の崖沿いの遊歩道を歩く場合、こけて骨折、倒木でこけて捻挫した、熱中症で倒れた、崖から滑落した、等のときに「ガイドが案内したから行ったのに、事故に遭ってしまった。休業補償してくれ、入院治療費くれ」という事態になり、ガイドが業務上過失傷害、業務上過失致死容疑で立件され刑事裁判になったときに、裁判費用を補償するための保険です。つまり、ガイドの裁判費用を補償するために入る保険です。

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ちなみに、傷害保険はお客様が入る保険なのですが、怪我したときに見舞金がでる保険です。私が主宰するNPOたじま海の学校の「香美がたり」というガイド商品は傷害保険も賠償責任保険も両方かけて、ガイドツアーを販売しています。

事故が起こらない場所を案内してるのに、保険に入る必要があるのか?

質問頂いたガイドの方がおっしゃるには、

「私は普通に町の中を案内するので、崖や山道などで怪我する危険は無い。だから保険に入る理由が無い。」

あらら・・・困りましたね。

このブログをお読みの方、選んで下さいね。

ガイドの質がほぼ同じガイド屋さんが2軒あり、ガイドコースは崖沿いの少し危険な場所も通ります。その場合に、

A:「もし万が一、何か起こって怪我や命を落とすことがあっても、うちらは責任負わないので、自己責任でお願いします!」というガイド屋さん

B:「一応、保険は入っていますが、入ってるからと言って気を抜かず、私からお伝えする注意事項をしっかり守って頂き、本日のツアーを楽しんで下さい」というガイド屋さん

もしどちらかを選択するなら、どっちを選びますか?

私ならばBを選びます。安心だからです。保険料金を取らずに安くしてお客様の参加費を抑えたいって考えは、事故に遭ったときのお客様の立場、お客様ファーストで考えてない。人の命を預かる事への軽視です。

『普通に町の中を案内するので、崖や山道などで怪我する危険は無い』と言いのけたガイドが居たとしたら、そのガイドは信用しない方が良いです。実は、ガイド自体がガイド中に車に轢かれて死亡した事故が昨年ありました。

道路から離れていて、車にひかれる危険性は無いという場合でも、心臓発作や何か予期せぬ事が全く無いと言えません。落雷、どうしますか?熱中症は当たり前に起こることなので新聞記事にもなりませんが、起こる危険があります。それが救急で運べないくらい道路から遠い場所ならどうしましょう?ガイドは1人だったとしたら・・・(涙)熱中症は後遺症が残ることもある深刻な脳障害を引き起こします

歴史的建造物の中を案内している。建物の中だから車にひかれることは無いから安全だ、というガイドも問題だと思います。火事が起こったときにどうしますか?お客様が逃げ遅れて、ガイドの自分だけが助かったら・・・責任を問われることもあります。

ボランティアだからといって免罪は無い。

ボランティアガイドだから、お金をもらってないからと言って、責任が免れる訳ではありません。ガイドの意思に反して訴えられます。過去に、ボランティアで参加したPTA行事で子供が川で溺れて死亡した事故があり、監視していた親御さんに責任があるという判決が出ました。ボランティアだからという免罪符はもう通用しないのです、そういう時代ではなくなりました、日本は。

賠償責任保険はガイド自分の身を守るための保険です。人が1人亡くなったら一億円。2人なら二億円、3人なら三億円かかります。子供でも1億円越える時代になりました。社長さんが亡くなったら1億円では済みません。

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1年に数万円(1-5万円)で保証できるのであれば、入っておくに越したことがありません。もし、保険に入っていなければ、裁判に訴えられた時点で自己破産です。自己破産は自分や自分の家族の身を守りますが、事故に遭われた方や家族の生活は守りません。アナタの事故が他人の家庭や人生を不幸にしてしまうのです。

私は最低限、お金を頂いてガイドをするのであれば、例え友達であっても、傷害保険や賠償責任保険に入っておくべきだと思っています。事故になる確率がン十万分の一であっても、です。それに当たることが無い、ゼロ%と言えないですね。

よく言われるんですよ、わたしも。「まちあるきガイドと海のダイビングのガイドってリスクが違うのに、同じように捉えられたら困ります」って。事故になる確率が違うだけで、事故ったら、怪我するか死ぬのは同じです。その時に、自分や自分の家族を守り、怪我されたり亡くなられたお客様の家族を守れますか?

ジオガイドのヒヤリハット&リスクマネジメント講習は当社へ!

全国のジオパークでジオガイドのリスクマネジメント講習をさせて頂くときにはこれらの話をしてから、ヒヤリハット事例で危険予知トレーニングを行っています。その効果は大きく、「いろんな事故の可能性があるとは思わなかった」「お金をもらってガイドをすることの責任を感じて背筋がピンと伸びました」というお声を頂いています。ご要望のジオパーク推進協議会、観光協会の方は、下記にお問い合わせ下さい。

コムサポートオフィス 代表:今井ひろこ
電話&Fax 0796-24-3139
メール: info@@@imaihiroko.com (@は一つで送信下さい)
サポートWebページはリンク先をご覧下さい。

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宿専門集客アドバイザー、ジオパークガイド
コムサポートオフィス 今井ひろこ
〒668-0022
兵庫県豊岡市小田井町5-3 フラッツオダイ201
TEL & Fax 0796-24-3139
http://www.com-support-co.jp
info@imaihiroko.com
Facebook:@hiroko.imai.matsumoto
Twitter:@Imai_Hiroko

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパーク, ガイド

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