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5/10竹野・海浜植物の観察会<ジオ編>

   

児童向けジオパーク教材の話は長くなりそうなので、児童書編が終わったところで、いったん休憩。先週末に開催された、兵庫県立人と自然の博物館(通称:ひとはく)主催のひとはくセミナー(フィールド観察会)のお話です。

ひとはく春の観察会

ひとはくは山陰海岸ジオパークが世界ジオパークに無事認定される少し前から、山陰海岸ジオパークに関わって下さっています。そして今年、大学院が豊岡市にできたわけですが、それ以外の自然史の博物館や総合大学が無く、調べ物をするには鳥取大学や神戸大学、兵庫県立大学(三田)まで行かなければなりませんでした。専門の先生がわざわざ香美町や但馬にまで来て下さることは、とても感謝すべきことです。今回は豊岡市竹野で海浜植物の観察を、香美町小代で山間部の植物観察を2日間で企画してくださいました。


10日の観察会は午後から集合。同日に別の植物の先生がひとはくセミナーを京丹後で行っていたため、参加者は6名と先生の声がとても聞こえるいい人数でした(あまり多いと先生の説明が聞き取れないし見えません)。この日は兵庫県豊岡市の竹野浜、弁天浜の海浜植物を観察しました。私はジオガイドも兼ねているので、どうしてもジオな目をしてしまいます。

弁天浜(兵庫県豊岡市竹野)

弁天浜は夏場、海水浴とキャンプ場として利用が多い場所ですが、この日はほとんど人影無し。そんな中、浜の東側にゴツゴツした岩場を発見!後で聞いたところ、2000万年前にこのあたりにあった河川から運ばれた礫(れき)が集まってできた岩だそうです。良く見てみると、角が丸い岩がゴロンゴロン。そしていろんな色がたくさん。かなり激しく流されてきたんでしょうね。

弁天浜の岩場

そしてその裏手になる竹野川側には、北前船の係留跡と思われる杭が。コンクリで新しそうな感じですので、明治時代後期くらいでしょうか??

北前船係留跡
中央にある杭のようなものが係留跡?

ところで、弁天浜はとても砂が細かいのが特徴です。サラサラ! このサラサラ砂と一定面積がハマニガナやスナビキソウに適しているようなのです。

ハマニガナ
ハマニガナ(キク科ニガナ属)<県レッドデータブックCランク>

スナビキソウ
スナビキソウ(ムラサキ科スナビキソウ属)
渡りの蝶・アサギマダラが好んで蜜を吸う花。<県レッドデータブックCランク>

ハマニガナとスナビキソウはどちらもサラサラなところで育ちます。波打ち際からは少し離れたほうがいいのだけれど、完全に土になるところでは他の植物に負けて生き残れない。そして一定の広い面積が無いと生き残れない。長い年月の中で、競争相手の少ない、この場所を選んで進化してきたのですね。写真では木の生えている右部分が土のところ、真ん中がハマニガナ、スナビキソウエリアです。

弁天浜を見てみる
弁天浜の海から陸方向を眺めると、植物の生き残り戦略が垣間見えます

同じ浜でも私のフィールド・佐津海岸にはこれらの花は咲きません。地形の違いで砂質も変わり、育つ花も変わってくる。当たり前なのですが、不思議な植物の世界を土地という目線で見ることができました。

弁天浜の砂
弁天浜のサラサラ砂

植物をガイドネタにする時は、花の名前だけでなくこのようなこともお客様にお伝えすることで、サラッとジオパーク的なお話につなげることができますね。明日は竹野浜&弁天浜で出会った、その他の植物をお話します。

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ガイド, ジオパークの旅, ジオパークの植物

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