但馬牛の安産祈願「大日祭り」に行ってきました!<下>
2015/05/10
昨日の「大日祭り」の続きです。お堂では、参拝記念の栃餅、さとう餅、お札、木札、熊笹が売られていました。実はそれぞれにいわれがあるそうで・・・
栃餅は地元の栃から取れる実を使って作られたもので、小代だけではなく美方郡でも名産です。さとう餅は甘い味のお餅だそうで、牛が甘いものが好物らしく、そこから「大日祭り」での名物となっているのだそうです。地元の年配の方に伺うと、昔は遊びに行くところが殆どなく、このようなお祭りが楽しみの一つで、そのときに食べる「さとう餅」がとっても大好きで嬉しかったということでした。この二つはすぐに売り切れたとのこと。いかに今年の参拝が例年より多かったかということですね。
さて、お札と木札、熊笹ですが、これらは矢田川を挟んで谷向かいにある牛玉山(ごうおうざん)光明寺でご祈祷されたもので、木札は95歳になる住職様に一つ一つ手書きしてご祈祷して頂いた縁起物。お札も同様です。いずれも牛舎に貼り、安産と健康を祈るお札です。熊笹もご祈祷されたもので、これを食べさせて健康を占うとのこと。笹の食べ具合が、お産が今後できるかを判断するバロメーターとなるのだそうです。私はこの日しか購入できないこのお札を購入。知り合いの畜産農家さんに差し上げたいと思います。
お堂の向かいには鐘もあり、一家に一頭居た時代は、雌の子牛が生まれるとお祝して鳴らしたそうですが、今では大祭の時だけ鳴らすようです。その隣にある東垣集会所では、参拝者に但馬牛の牛すじで炊いた大根とこんにゃく、みかた大納言小豆で作ったぜんざい、そして白菜の漬け物とたくあん、お菓子、〆にはコーヒーと、たくさん振る舞って頂きました。そこで参拝に訪れた畜産農家の方々や地区の方とお話をいっぱいすることができました。
東垣集落の方に聞くと、ここ数年、あまりにも参拝者が少ないので、大日祭りももう辞めようという話が出ていたそうです。しかし、今年もう一年がんばろうと集落の有志の方や区長さんがお声がけして、今年の祭りが実現したとのことでした。300年以上も伝わるこのお祭りは、但馬牛のルーツであることを示すものとして継承して頂きたいです。そして畜産農家の皆様と気軽にお話ができる場として、この日限定の但馬牛フリーク向けツアーなども計画し、祭りならではの賑やかさに協力していきたいと思いました。
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今井 ひろこ
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