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3/7 山陰海岸ジオパークビジネスフォーラムに参加して

   

昨日、『山陰海岸ジオパークビジネスフォーラム in TAKENO〜アクティビティもつながろう〜』というイベントがあり、主に体験プログラムを行うガイド団体や自治体職員(の多くが豊岡市だったかな?)、ジオガイドさんが40人ほど集まって行われました。

山陰GPビジネスフォーラム

今年度に推進協議会が募集した体験メニュー創出支援事業の報告会も兼ねたもので、第一部では、採択事業の報告と事務局からの報告、話題提供があり、第二部は全体討論会が行われました。

補助金はとっても使いやすかった!

第一部の採択事業発表では、NPOかんなべ自然学校の前田くんがトップバッターで登壇。「ジオパークという言葉はまだまだ浸透していないので、ジオツアーとかジオなんとかって付けても、お客様が来なかった。そこで、トレッキングやキャンプなど、エコツアーの魅力に引き込んで、お客様との信頼関係ができてからジオパークのお話をしている。」

その他、私の主人が香住ダイビングサービスのスノーケリング事業、(株)マザーアースの宮崎さんがカヌー&サップ事業、(株)西村工務店の西村さんが蘇武岳や瀞川渓谷のジオトレッキング事業について報告されました。聞いていた感じでは、補助金は使い勝手が良いもので、備品や広告費に使えるのが良かったみたいです。

がくちゃん

主人もダイビング事業で登壇

兵庫県以外の活動報告では、京丹後市の琴引浜「シンクロ」の代表・丸田さんが、ビジネスとして「ビーチノルディックツアー」の問題点を示しました。「ノルディックツアーは昨今いろんなところで行われ、公民館行事や健康増進活動の場合、無料や格安でツアーが行われることが多い。ガイド団体の主催では数千円と有料になるためか、お客様が確保しにくいとのことでした。今、龍宮プロジェクトという企画でインバウンドのお客様を呼び込もうと活動しており、ビジネスチャンスと考えているが、小さいエリアだけでは誘客できないため、ジオパークの広域連携の必要性を感じている」という報告でした。

丸田さん

琴引浜シンクロの丸田さん

話が最もビジネスっぽかったのは、鳥取のカニくんことTottori Blue(スノーケリング&カヤックショップ)の中谷さんのお話でした。水中写真を撮影して何枚かは印刷して送るそうですが、その時に手書きのイラストとサンクス手紙も入れて送付し、もっと欲しい方は販売もするそうです。そのため、リピート率がとても高いのだそうです。保全もビジネスにするため、料金を取り、カヤックで洞窟内の漂着物を回収するツアー(2000円/人)も行っているとか。「人がたくさん来たらジオパークがきれいになる」という流れを作りたいと仰っていました。

カニくん

さかなクンと親友の”カニくん”

ジオパークの上手な使い方って?

山陰海岸ジオパークビジネスフォーラムの第2部では意見交換会が行われました。ジオパークの上手な使い方について会場で聞くと、豊岡市のジオカヌー事業は、民間からの要望で、自治体がサポートしている例をあげ、自治体と住民と連携するうまくいくという意見が出ていました。

また、『景色+α』の売り方が大事で、テレビなどのマスコミ対策は効果がある。お客様はガイドの知識に期待しているのではなく、テレビで見た景色がトレースしたいのでは?お客様は見所に着いたら、ただただ、景色に酔っている。そこでガイドがいきなり解説すると、雰囲気を壊しかねない。お客様が言葉が欲しいというタイミングで伝えるのが本当のガイドである、と(株)マザーアースの宮崎さん(カヤック)。

マザーアースの宮崎さん

『景色+α』のアルファ部分は人もあるのでは?地元の専門家やプロの職人も大事な要素で、京丹後の丸田さんは、「龍宮プロジェクトは人が主役。地元のプロがガイドになって、プログラムが展開されている。洞窟に連れて行く西口船長に会いに来る人が増えてきた。」と仰っていました。

その一方で、環境省職員は、「自然環境を壊さないで事業を行って欲しい。利用と保全。ジオパークというよりも、国立公園だから昔から住民が守ってきたんだから、それを伝えることで自然と儲かっていくはず。」とビジネスに振りすぎて環境破壊にならないよう、保全の大切さを伝えていました。

今回のフォーラムの目的は、山陰海岸ジオパーク内のアクティビティを行う事業者が緩やかな連携を取って行けたら、ということが目的の一つだったので、そういう意味ではどういう事業者がいるかを知るきっかけとなったと思います。

当ビジネスフォーラムに欠けていた視点とは?

今回のフォーラムで私が知りたかったことは、体験メニュー創出支援事業やビジネス創出支援事業という名前が付いていて、ビジネスフォーラムって銘打ってるほどなので、ビジネスとして使えそうなのか、利益や事業継続性などのほか、マーケティングの話になるかと思っていました。どうもガイドフォーラムっぽい内容に終始していたような・・・

当該事業の「体験メニュー創出支援事業」の場合、地元商工会や商工会議所が相談を受けて、事業計画等の指導をすることが条件になっていました。今回の報告会に、指導した商工会の経営指導員さんが参加して、ビジネス&マーケティングの視点からの言葉が欲しかったのですが、どなたも来ていませんし登壇もされていませんでした。(確定申告でド忙しい時期だから仕方ないかも知れないですが・・・)経営の専門家が入ることで、より具体的に事業を軌道に乗せるための方法を、参加者や今回の登壇者につかんで頂くことができるはずです。

他のジオパークでもしビジネスフォーラムを行う場合は、ぜひ、中小企業診断士などの民間の専門家や商工会の経営指導員など「経営のプロ」の発表の場を作って下さい、お願いします!!

次回以降のフォーラムは推進協議会としては行わないということなのですが、補助事業は平成28年度も募集があるようです。予算が確定してからでないと、規模や募集件数はわかりませんが、応募締め切りが4月末日までになるという情報もあり、あっと言う間に募集が終わる可能性が高いです。補助金を申請したいという方は準備をしてください。コムサポートオフィスでも当該補助金に関してご相談を受け付けています(当該事業のコンサルティングで2件採択されました)。どうぞお気軽にお声をおかけ下さい。

ジオパーク補助金20160308_1

ジオパーク補助金20160308_2

当日の配付資料に入っていた
27年度の募集要項。28年度も
同様の補助事業が行われる予定です!

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中小企業、個人事業主の方、
ジオパークを活用した事業での
経営計画、事業計画は
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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパーク, ジオパークビジネス

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