理想のジオガイドって?島原でガイドさん向けジオカフェ開催しました!
2015/12/11
昨日、島原半島ジオパークのガイド有志11名が集まり、島原半島ジオパークで恐らく初のジオカフェを開催しました。専門家やプロの方々をお招きして、お茶やお菓子を食べながら、ざっくばらんにディスカッションを行うサイエンスカフェが都会を中心に流行っていますが、特にジオパークに関わるテーマで行うことを「ジオカフェ」と私は勝手に呼んでいます。私が香美町でジオパーク推進員をやっていた頃、屋内でできるこのイベントを毎年1−3月にテーマを決めて行っていました。
今回は、10月末のジオパーク全国大会でお友達になった島原半島ジオパーク公認ガイド・大町さんからご提案頂いて開催しました。テーマは「理想のジオガイド像2015」。ジオパーク全国大会のガイド分科会で決まった「理想のガイド像」について、島原半島ジオガイドの皆さんと、自分たちに足りないもの、伸ばしていくものを意識してもらう会になりました。今回、私はファシリテーターをさせて頂きました。
まずはアイスブレイク。まずは私から山陰海岸ジオパークのご紹介と香美町ジオマップを使いながらジオストーリーに重点を置いて作ったことをお伝えし、今のガイド活動や推進活動についてお伝えしました。その後、参加者の皆様にはガイド歴など自己紹介をして頂きました。普賢岳の災害語り部や資料館のボランティアガイドとジオガイドをされているベテランの方、英語ガイドをされている方、ジオガイド養成講座からガイド活動をしている方、明日ジオガイドの面接試験というホヤホヤの方まで!どの立場でも学びを深めようという方々ばかりでした。
アイスブレイクが終了したところで、皆さんが思うジオガイド像について付箋にそれぞれ書き出して頂き、私と大町さんで皆さんに出していただいた付箋をグルーピングしました。その結果、「災害と恵み」、「楽しむ」、「安全管理」、「風習」、「ジオの伝え方」にまとめることができました。やはり島原は普賢岳がメインテーマで、災害と恵みについてお話しされる方が多く、最もたくさん出ていました。また、日本で最初に世界ジオパークになっているため、子供たちに楽しく分かりやすく伝えていくということも多かったです。
ホワイトボードにグルーピングした結果について
講評する島原半島ジオパークガイドの大町さん。
その後に、先日の全国大会でまとめられた「理想のジオガイド像2015in霧島」を配布し、今回のガイド分科会でまとめた経緯をお伝えしました。そうして、お隣同士で自分たちができていない事についてお話して頂きました。
皆さんが最も困っていたのは、「地球全体を伝える」ということ。そんなにグローバルに考えられないという意見が多かったです。また、ガイドツアーの「安全管理」が出来ていないと指摘する方もいました。「工夫しながら伝える」ことができていないから、例えばイラストで分かりやすく伝えるツールが作れたら、と仰る初心者のかたも居られました。
地球全体を伝えるという事まで行かなくても、日本列島の歴史や九州の成り立ちであれば伝える事ができそうで、それにはやはり他のジオパークに実際に行ってみる事をオススメしました。活火山の場合、時間軸は有人史の4000−5000年前くらいになりますが、例えば糸魚川ジオパークだと5億年というスパンになります。その場所で、日本列島の成り立ちや地球の歴史の一部を肌で感じることができるはずです。島原にも阿蘇山の9万年前の大噴火の火砕流が流れてきていて、阿蘇のガイドの方から「9万年前はご迷惑をおかけしました」と言われた逸話を大町さんがされていました。時間軸に注目することで小さいところから、話をしていこうという提案が出たところで、この日のジオカフェはお開きとなりました!
ジオカフェからの懇親会。郷土料理続々登場!
参加された皆さんからは「ほんとに今日は楽しかった!」と言っていただき、改めてこういうジオカフェも必要だということがわかりました。島原半島ジオパークの場合、ガイドさんの専門分野に多様性があり、特に元消防士の方や地震研究所の方がおられるので、そういう方から専門の話を学んだりできる環境が素晴らしいと思いました。先にジオパークになっているところがジオガイドの見本として活動できるよう、お互いがんばっていきましょう!

今井 ひろこ


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