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コウノトリの野生復帰から10年でわかったこと☆意外に人間じみた一面も

      2016/03/05

先日、兵庫県立コウノトリの郷公園の運営懇話会に参加し、コウノトリの生態について深く学ぶ機会がありました。何故か県の環境政策ではわたくし呼ばれることが多く、この懇話会はもう2年以上になるかと思います。半年に1回あるのですが、コウノトリの保護活動について専門家から教えて頂ける有意義な会議です。

コウノトリ

さて、昨年はコウノトリ野生復帰から10年を迎え、43府県、311市町村に飛来するだけでなく、韓国へも飛来するなど、コウノトリも活発に活動しました。繁殖地の豊岡だけでは餌不足で、どんどん全国に繁殖地を広げていきたいところです。

コウノトリのペア

主人が撮影したコウノトリのペア

現在、豊岡市内には9組のペアが居り、ことし新たに1組のペアが誕生するかも!という嬉しい報告も頂きました。10組目が誕生することを祈っています。

野生復帰から10年でわかったことを、会議の席上、県立大学大学院の江崎先生が教えて下さいました。

※コウノトリは固い絆の一夫一妻。

※3歳で繁殖開始する。

※独身の若鳥が放鳥個体の半分くらいいて、その子達があちこちへ旅に出ている。(フローターといいます。人間はフリーター。)

※親による子殺しが存在する。(吐き戻しという給餌行動に関係した口減らしを行う)

※メスが他のメスが生んだ子供を襲う「種内闘争」が激化してきた。

※縄張り内に「独身の居候」が存在する。

2015年8月末現在で82羽の自然放鳥のコウノトリがいますが、メスのほうが多く、特に熟女の独身メスが多いようです。メスが多い理由ですが、メスを生むペアが多く、オスを生むペアは9組中2組しかいないそうです。オスが少ないからカップルができないのではなく、一夫一妻なので、嫁・婿選びも慎重になっているようで、独身のコウノトリが好む相手に、なかなか巡り会えていないのではということでした。日本人の今の婚活事情を反映しているかのような状況です。

一昨年だったと思いますが、固い絆の一夫一妻だったはずなのに、浮気性のオスが2羽のメスの間でケンカになり、奥さんの巣を愛人が襲って子供を巣から突き落とした事件まで起きています!ここまで話を聞くと、日本で起こっている人間の暮らしと全く変わらないような感じです。私がコウノトリが好きな理由も、まさに人間臭い感じがするからなのです。

コウノトリ

主人が撮影したコウノトリ(郷公園にて)
行くなら給餌の15時前後がオススメ!

兵庫県北部但馬地方でまかなえるコウノトリはせいぜい50羽前後。なわばりが広いんです。その上、ドジョウやヘビ、オタマジャクシやカエルもたべる肉食動物なので、そういう生き物が雪降る冬も安定的に捕れなくてはいけないのです。コウノトリの繁殖に協力して下さる農家サンの田んぼは水がずっと冬も張っていて、水中昆虫などが食べれるようにして下さってます。(但馬では冬は雪や雨が多く、もともと湿田になってます。)

最近では、鳴門市で電柱にコウノトリが巣作りして、ニュースになりましたし、南の島では韓国から渡ってきたコウノトリがバードストライクで死に、それがコウノトリと分からず焼却処分してしまったということもありました。種の保存法と文化財保護法で保護されており、必ず何かあれば保護することになっています。そういうことから、自治体向けにコウノトリ飛来時の対応パンフレットを作成し、配布したそうです。(リンク先でご覧頂けます)

コウノトリ

釧路のタンチョウヅルや佐渡のトキと比べると、まだまだ全国的な知名度は低いコウノトリ。私がこれから出会う方へ、コウノトリの素晴らしさ、美しさ、兵庫県や豊岡市の取り組みを伝えていきたいです。

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパーク, コウノトリ, 山陰海岸ジオパーク

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