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山陰海岸ジオパーク国際学術会議(湯村会議)の講演内容

   

本日は山陰海岸ジオパーク国際学術会議2014「湯村会議」です。今回の国際学術会議が最終回らしく、今回は総集編ということで会議のテーマが『ジオパークによる地域づくり』となっています。私は午後から兵庫県代表として約20分「ジオパークで地域を元気に!」という題名で口頭発表とパネルディスカッションで登壇します。今日はその口頭発表の要旨を掲載させて頂きます。

湯村会議

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「ジオパークで地域を元気に!」

住民だけでなく、自治体、そして地質学や地理学、農業林業・・・多分野の科学者が専門家として関わり、三位一体となって活動できるジオパークは、今までにない地域づくりの枠組みです。ジオパークには地元を元気にする5つの効果があります。1)足元に眠る地域の宝を再発掘できるということ。2)「ストーリー」を科学的な視点で構築できること。3)防災もジオパークのテーマであること。4)看板やパンフレットなど観光客向けに作られるようになったこと。5)は地域をつなぐ力となること、です。

湯村会議スライド

ジオパーク活動など地域活動に参加する人たちが増えると、その中から若きリーダーが出てくるようになります。それは決して観光イベントということだけでなく、地元の祭り、地区の公園の草刈りなどを通して、地元への愛着心や誇りの醸成につながります。やがてその人たちが持続可能な地域づくりの担い手となって、地域を守り続ける存在になります。今回の口頭発表では、この5つ目について事例を交えて報告します。

県内各地では10年前に平成の大合併が行われ、自治体が再編されましたが、合併後の市町の一体感は未だ完全ではなく、結果、地域への愛着心が希薄になり、地方では若者や企業の流出が止まっていません。地元に残った数少ない若手の担い手たちが地域づくりに関わり続けていくためには、既存の枠組みを超えた真の連携が必要です。

湯村会議

山陰海岸ジオパークは海岸沿いにある京都府京丹後市から鳥取市北部までの3府県3市3町にわたります。自治体間の連携は観光部門では存在するものの、民間レベルではジオパーク以前には連携がほとんど無かっただけに、ジオパークになってからは交流が進み、連携や仲間づくりが行われるようになりました。フェイスブックなどのソーシャルメディアを活用して連絡や相談をし、そこで知り合った人同士でお客様を紹介したり、互いの店をホームページなどでPRするなどした結果、商圏が広がり、売上が上がったという事業者や、まちづくりに参画する学生たちも見られるようになりました。いずれもジオパークがあったからこそつながった人脈です。

ジオパーク登録を「きっかけ」にして、連携によって仲間を増やし、商圏を広げつつ、地域資源も生かせたら生かして、自分の会社を元気にする。そうして地域を盛り上げる活動にも参加して、地域貢献をする。これが、地域振興も手段の一つとするジオパークを自社ビジネスに活かすということです。

ジオパークは温故知新。ジオパークだけに、私は「知」を「地」に変えて「温故地新」と言っていますが、地形地質、気候風土に根差した暮らしをもう一度足元から見直し、新しいものや産業を創り出していくための活動です。私の暮らす山陰海岸ジオパークにはまだまだ私の知らない潜在価値(=地域の宝)が埋もれています。それを生きている間に一つでも発掘し、磨きをかけて世に出して、地域を輝かせる光に育て、子供からお年寄りまで生き生きと暮らし続けることのできる地域になるよう、今後も活動していきたいと思っています。

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

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