地方の小さな宿とお店の集客をサポート!「今井ひろこドットコム」

宿泊施設や店舗の集客コンサルティング、プレゼンテーション指導、研修会、ジオパークにおける地域活性化を行う今井ひろこのブログサイトです

*

日本ジオパーク全国大会<霧島>で行われるジオガイド分科会は?

   

10月27日から霧島で開催されるジオパーク全国大会。ガイド分科会では「ジオガイドの理想像」について文章化したいと動いています。ジオパークは日本での活動がスタートしてから8年になりますが、推進協議会の運営方法だとかは一定の認定基準があります。しかし、ジオガイドについては無いのが現状で、ガイド養成をするにしても、各地バラバラな「なんとなく基準」で養成しています。そのため、基準となる「ジオガイドの理想像」をつくろうというのが今回の目的です。

いきなり何も無いところから作るのは時間がなさ過ぎるため、たたき台をジオガイド有志で作り、それを全国大会で修正して発表する予定です。座長は伊豆大島ジオパークの西谷香奈さん。全国のジオガイドの中で最も有名な方です。

<現在のたたき台>

『楽しくなければ広まらない』
ジオパークガイドが目指す、理想のガイド像

ジオパークを広く一般に広めるためには、お客様に、目の前の風景の奥にある物語を楽しんでもらい「地球ってすごい」「また来たい」「もっと知りたい」「他のジオパークにも行きたい」と思ってもらう必要がある。そのために以下のことに留意してガイドを行う。

知識ではなく物語を伝える。細かい知識は忘れてしまうが、感動や物語は覚えている。地層や石、動植物、人の暮らし、風景などを一貫したジオストーリーで結びつけて伝えること。またそれが語れるように研究者の協力も得てガイド自身の知識を深めること。(例 この海岸はシオマネキが多いだけではなく「汽水域にしかいないはずのカニがここにいるのは、溶岩の隙間を通って水がしみ出ているのではないか」という一言を加える)

正確な内容を、わかりやすい言葉で伝える。学んだ知識をもとに、できるだけわかりやすい言葉に変えて、お客様に伝えること。専門用語をそのまま使うのではなく、その意味するところを12歳の子どもや、地学の勉強は全く覚えていない大人でもわかる言葉に変えて伝える。また伝える内容を正確にするために、研究者と協力し適切な表現を考える努力をすること。

その土地ならでは、の物語。お客様が『お金を払う価値がある』と思うのは、その場所ではないと体験することができない物語。日頃からフィールドを歩き、地元の人の話を聞き、お客様が興味を持って聞いてくれるような情報を集めること。

お客様にあった伝え方。お客様の個性や経験をできる限り把握し、それと関連づけて伝える努力をすること。

興味を持たせる工夫。写真、動画、その他の小道具、歌、ゲーム、その他様々な手法を工夫し、お客様が楽しみながら理解してくれるよう工夫すること。景色を観察する際にも、音やニオイ、肌で感じる触感など5感を利用する。

自分のジオパークだけでなく地球全体を。自分のジオパークのみでなく、できる限り幅広く他のジオパークも学び、自分のジオパークを通じて地球全体の物語を伝えること。

安全に留意。地形的リスク、天候によるリスクを最小限にし、どのような危険があるかを学び対処法を学んでおくこと。

ガイド技術を高める。お客様の関心を高め『楽しかった!』と言ってもらえるように、様々なガイド手法を学び、取り入れ、自らのガイド技術を高めていくこと。ガイド自身がまずは楽しむこと・自ら学ぶこと。

現在、日本には39ヶ所のジオパークが認定されていますが、ガイドレベルは千差万別。すばらしいレベルの高さを誇る洞爺湖有珠山ジオパークや桜島錦江湾ジオパーク、糸魚川ジオパーク、伊豆大島ジオパークなどは、行く度に大地の素晴らしさと畏敬の念を感じずにはいられません。逆に、これからがんばって「聞き上手な名物ジオガイド」を育てていくんだ!というところも実はまだまだあります。

ジオパークのブランド化を進めて行くにあたって、「人財」もブランド構築が必要です。そのためには、ガイド養成や指針として基準を設けて、どこのジオパークへ行ってもジオガイド認定を頂いた方は一定のレベルであってほしい。そのための文章化です。

糸魚川ジオパークガイド糸魚川ジオパークの名物ジオガイドの皆様。
ご指名も多く、引っ張りだこだそうです!

ジオガイドのレベルを上げていくことが、結果的に地域に誇りを伝えていくことにつながり、ひいては地域活性化などにも良い広がりが出来てくると考えています。

今回の作業では、それぞれの最初のゴシック文章でグループ分けを行い検討をするのですが、私は最終行「ガイド技術を高める」グループをとりまとめます。30人くらいかな?それぞれの方がどのようにガイド技術を高める努力をされて居られるのか、また、そんなことをしていないガイドさんなら、なぜしないのか?どんなことだったら自分にも出来る?ってことについても聞いて議論を深めたいと思います。

どんな文章に仕上がったかは、分科会終了後にブログで報告します!

The following two tabs change content below.
今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパーク, 地域活性化, ガイド, ジオパークとは?, ジオパーク大会など

コメントを残す

  関連記事

バーチャルジオパークコーディネーターとして私が一番伝えたいこと

日本ジオパーク全国大会南アルプス大会2日目を迎えました。すぐ近くで御嶽山が噴火。 …

ガイド分科会③「ガイドビジネス実践者のための情報交換」の内容とは?★日本ジオパーク全国大会2016伊豆半島大会(4/4)

今朝の五輪サッカー決勝、死闘を繰り広げたドイツvsブラジル。両方にとってプレッシ …

「ガイド・インストラクターは憧れの仕事」〜『観光立国の正体』から

こんにちは。兵庫県北部・豊岡市で宿専門で集客のアドバイザー時々観光ガイドをしてい …

海の京都・丹後半島の間人(たいざ)がにを初めて食べた!(2・終)

昨日のブログの続きです。とってもきれいな間人(たいざ)かに、頂いたものはできるだ …

イカ、カツオ、ノドグロなど相次ぐ「不漁」・・・魚介類の町おこしはそろそろ限界に? 

GWに入り、全国各地ではイベント開催のニュースが流れています。そんな中、気になる …

小学生による海辺の漂着物調査を行いました(後半)

「小学生による海辺の漂着物調査を行いました(前半)」の話の続きです。休憩時間が終 …

2017年の日本ジオパーク再審査結果を見て、私なりに想うこと。 

まずは今朝の日本海新聞。(但馬欄です) 年末企画でジオパークのイエローカードにつ …

今年からさらに厳しくなった日本ジオパーク認定審査

今年の認定審査では、3地域が認定、1地域が保留、2地域が見送りという例年になく厳 …

【開催報告】12/9(土)環境学習コーディネーター養成講座で講師として登壇しました!

今回のブログは、兵庫県と(公財)ひょうご環境創造協会が主催し、NPO 法人はりま …

城崎オンパクで但馬牛見学ツアーを開催

私の主宰するNPOで今年度進めている、香美町小代(おじろ)での「但馬牛と棚田の暮 …