ここ数年で多くなったと感じる「ガイド様」
ジオパークや観光、水中ガイドなど、いろんなガイドを養成してきた私。ここ2,3年は、他地域のジオパークガイド養成講座に講師として参加することが増えてきました。ガイド養成講座では、お客様の安全とガイド時々の安全を守るためのリスクマネジメント講座をお願いされることもありますし、ガイドが実際にツアーを企画したり運営をしている例として、うちのNPOで行っている「香美がたり」の活動をお話する機会も頂きます。
今、開催される全国各地のジオガイド養成講座(ほとんど行政が行う)での欠点は、ガイド団体やガイド自身のマーケティング(商売)やマネジメント(運営)の話がゴッソリ抜けているのです。とにかく地学や人文科学の知識を詰め込み、自分が話せるネタを増やすことに注力しているように思います。養成講座が終了したら、ジオパークではガイド協議会やガイドクラブ、観光協会などに登録してガイドを行うケースがあります。山陰海岸ジオパークは3人以上のガイドで団体を作って登録をすることになっているので、有志のケースもありますし、うちのようなNPOで活動するケースもあります。うちのNPOは私がマーケティングやマネジメントを行うので、プラマイゼロくらいの事業収支になっています。しかし、一般のガイド養成講座でマーケティングを学んでおらず、知識も無いとなるとどうなるか?
自分がガイドを担当するツアーで
「観光協会でジオツアーを募集しているんだけど、全然お客さんが集まらないんだって。」
「役場がモニターでジオツアーを募集しているんだけど、1人しか参加者がおらへんねんて。」
と言う事態が起こっても、何もしません。動きません。それどころか「それやから役場はあかんねん」「それだから観光協会のPRが下手やねん」と、文句を言い出します。自分がガイドを担当するのに。
ゴミ拾いをしたり、遊歩道の整備を手伝ったり、草刈りも手伝うガイドさんは居られますが、積極的にジオツアーの集客を手伝ったり、PRをするガイドはほとんど見かけません。「やり方、知らないもん」で終わってしまう。お友達に来てと伝える、家族に参加してと伝えるジオガイドは何人居るでしょうか?
実はダイビングガイドも同じことで、「私はガイドしかしません」と言うガイドも見受けられます。器材の手入れはするけれど、ダイビングポイントの手入れや、ダイビング器材の販売、リゾートツアーの募集、PR等は嫌うガイドのほうが多いです。
いずれも「売り込みになる」「友達から嫌われる」「そんなことはめんどくさいからオーナーや団体リーダーに任せたらええねん」です。
せっかくツアーを企画しても、誰も募集をしなければ、何も募集されてないのと同じです。同様に自分がガイドするようなツアーで、観光協会が募集したとしても、お客様の予約状況が芳しくなかったら、自分も一緒になってSNSで発信する、友達に来てーと伝えるということをしない人が増えてきたように思います。そのくせ、お客様が来ない、お客様が集まらないと、不平ばかりを言う。ガイド自身もツアー企画やPR、集客ができて、はじめてガイドツアーは成立すると私は思っています。
ですから、私は、そのような、面倒なこと、大変な作業を避けるガイドを「ガイド様」と呼んでいます。海外ではダイビングリゾートで、それぞれの担当が明確に分かれていて、ガイドはガイドしかしない、荷物運びは荷物を運ぶことしかしないということが普通ですが、日本ではそうもいきません。「ガイド様」はそのうちガイドができなくなる、危険な状態です。
何故か?「ガイド様」は、自立したガイド活動を継続することができません。集客ができないのですから。お客様が偶然、自分やツアーを見つけて来て下さるのをひたすら待つだけです。それは、餌がずーっとくるのを待っているけど、餌が与えられずやがて餓死する動物のようなものです。そのためにも、ガイドは運営方法や商売の方法を勉強すべきです。インターネットが苦手なガイドはSNSを使わなくとも、お友達に口頭や電話で伝えるというアナログな集客方法もあります。自分の友達にガイドツアーの良さをきちんと伝えれば、友達がPRをしてくれるようになります。そういう姿を見せないで集客など不可能です。
全てのガイドが集客や販売促進の方法を学べば、きっと商売として事業化できます。その努力をまずはジオパークガイドが行って、立派に事業になると証明してみませんか?
今井 ひろこ
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