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ジオパークマスターマップ初版の製作秘話<下>

   

昨日のブログの続き、商店主さんにジオパークのサポーターになって頂く制度「ジオパークマスター制度」のお話です。香美町でジオパークマスター制度を進めるにあたって、山陰海岸ジオパーク全体で進めていきたいという考えはもちろんありました。声かけもしました。しかし、担当者レベルで相談したら、他の市町はビックリするほど消極的。香美町の真似はしたくないということもあったでしょうし、とある市では一部の商工団体の中にジオパークそのものに否定的な意見があって進まないだろうという意見も頂きました。

香美町のジオパーク関係者は、糸魚川ジオパークへ視察に行くまでは、ジオパーク活動を積極的に推進していなかったものの、行ってからは関係者の目が覚めたのか一気に流れが変わり、どんどんジオパークを推進していこうという前向きな雰囲気になっていました。そこで、ジオパークマスター制度は先行して香美町1町だけで進めました。

ジオパークマスター私の主人はジオパークマスターを200%活用!

ジオパークマスター制度は今でも制度が続いていて、とってもありがたいと思っています。特に民間にジオパーク活動が浸透するか否か。特に観光地では商人がその鍵を握っているといっても過言ではありません。私が思う「ジオパークマスター」の効能を3つ述べます。

1.過疎地域だから、店を「町の小さな観光案内所」に

香住など車で移動する事の多い観光地ではヒトが歩いているのを見かけません。また、観光協会も大きな町に3カ所しかないため、観光客が道に迷ったときに聞く人がいません。日本海側の方は特にシャイなので、道を尋ねられても警戒して無視しがち。そのため、幟を立てて、道を聞いても良いですよ!という「町の小さな観光案内所」の役割を担って頂きました。もちろん、ジオパークの幟は賑やかしになりますし、目立ちますよね。

ジオパークマスター

2.ジオパークマスターマップの利点は「掲載店の平等感」

私がジオパーク推進員になった頃、一番欲しかったマップがあります。宿の仲居の時に聞かれて困った、観光客向けの町内の店舗(特に飲食店、土産物)マップです。ところが、香美町全体のそういうマップは存在しなかったのです。観光協会は町内の合併が進まずで3つもあり、それぞれに観光協会員の店だけを載せたマップを作っています。商工会は香美町では1つですがそういう店マップを作っていなかったのです。飲料組合、民宿組合、旅館組合・・・いろいろとありましたが、町内全部の店を網羅したマップはありませんでした。

知っていましたか?自治体として店舗が載っているマップを作ることは通常ありません。全店舗を載せることは不可能ですし、特定の店だけ載せると「えこひいき」だと言われかねないからです。

マップジオパークで一気にパンフレット、マップが増えました。

観光客にとっては組合間の縄張りは無関係です。また、地図を欲する目的は、観光の見どころだけでなく、地物を食べることのできる飲食店や土産物屋の場所を知るためです。飲食店だけでも掲載されたマップが無ければ、どこでお昼ご飯を食べるかも決められず、宿泊翌日の昼まで香美町に残ってくれません。観光協会も飲料組合も関係無く、店も観光客も無料で気軽に掲載したり取ったりできるマップは出来ないものかな、と考えて浮かんだ名案が「ジオパークマスターマップ」だったのです。

ジオパークという閾値を付け、賛同してくれた方はマップにひと言コメントと屋号など店情報も載せるということにしたのです。これなら、ジオパークを推進する自治体として堂々と店舗マップが作れます。香美町の中でも海岸部は道が入り組んで、グーグルマップもややこしいと言われます。しかし、このマップなら、ジオパークマスターの店そのものが幟が立っているなど目印となって道がとってもわかりやすく、土地勘の無い観光客に紹介しやすいのです。

3.笑顔の顔写真も載せて、観光客が感じる「安心感」

役場からは「顔写真を載せたら、社員が辞めたりしたときに修正しないとややこしくなるし、店が潰れたり、お亡くなりになった方が載っていたら困るでしょ」と難癖を付けられました。でも、笑顔の顔写真が載っているのと、ヒトの写真情報が無いものとでは、観光客が見たときの安心感がまるで違います。笑顔の店主がたくさん載ったパンフレットは見ているこちらも笑顔になりますね。これこそ、ヒトとヒトとの本当のおもてなしです。

ジオパークマスタージオパークマスターマップの初版。

ですから、一度登録されたら、毎年登録店舗に手紙を送って、内容を確認して頂いて、写真やメンバーの修正、営業時間の変更等も聞いています。これほど丁寧に管理運営を行っているからこそ、このジオパークマスターマップは人気があって、毎年カニのオンシーズン前になくなってしまうほどです。

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現在、商店主を対象にジオパークのPRをお願いする制度を作っているのは
糸魚川ジオパーク「ジオパークマスター」
山陰海岸ジオパーク「ジオパークマスター<香美町>」
島原半島ジオパーク「島原半島ジオパークサポーター」
とかち鹿追ジオパーク「とかち鹿追ジオマスターの店」
です。商人以外も含む一般住民を対象にしたサポーター制度は、伊豆半島ジオパークや三陸ジオパーク、銚子ジオパークなどでも行われています。どのように制度を進めていったらいいか、運用、仕掛け等でお悩みのジオパーク関係者の方は是非お気軽にご相談下さい。

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

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