助成金申請におけるプレゼンテーションの5つのコツ
ここ数年、自治体の補助金や助成金申請ではプレゼンテーションを義務付ける動きが加速しています。
先日、但馬県民局の助成金申請プレゼン審査会に参加しました。私が活動するNPOたじま海の学校は3年前から毎年、まち歩きガイド「香美がたり」(主にまち歩きガイドの育成と運営、小冊子発行)に対して県から助成金を頂いています。例年40-50団体が申請し、申請額が10万円以上の事業はプレゼンが義務付けられます。プレゼンの結果は順位で表され、それによって助成額が減額されます。
今回の「夢シナリオ地域づくり活動応援事業」のプレゼン審査会は、申請団体10団を1グループにし、1グループごとに審査会場に入り、各団体3分間で行います。ベルは2分半でチン、3分でチンチンと鳴り、3分経てば強制ストップです。もし、言い足りないところがあれば、10団体のプレゼンが終了したあとで、30秒程度追加で述べることができます。審査委員の方々は事前に提出した申請書類を見ながらプレゼンを聞き、審査委員が順に質問していきます。
ちなみにNPOたじま海の学校は、1年目7位、2年目6位、3年目の今年は2位でした。(右肩上がり!) 申請書類は私が担当、プレゼンは初年度、私が担当しましたが、2年目からはNPO代表がプレゼンターになってもらっています。書類もプレゼンも担当が事務局の私だと、私一人で活動していると審査委員に誤解されるかもしれないというNPO代表の判断からです。ただし、どういう風に伝えていくかの筋立てや小道具の作成など、プレゼンの指導は私が行いました。(ワタクシ完全に黒子役です。)
実は、NPOたじま海の学校は今回のように助成金申請を出す側になることもあれば、別の機会では審査員側になることもあります。両方の立場を経験しているからこそ、プレゼンのポイントがいくつか見えてきます。
今回のプレゼンに向けて留意したことを列挙します。
- 申請書類に書いたことの要約は話さない。
審査委員は事前に申請書類に目を通しています。そのため、要約だけで終わると、「それ、書いてあったよね。」と話を聞き流されることもあります。申請書類の要約ではなく、その事業の根幹に関わる、本当に言いたいことのみを3分でコンパクトに話します。 - 話の展開はまず結論から。
最後に結論と未来の夢を語る。本当に言いたいのはこれだ!ということを最初に話し、〆の結論も同じことを話します。どれだけ中身がグダグダでも、どういう話だったのかを聞き手は理解することができます。(私のプレゼン指導ではこの手順を徹底的に叩き込みます) - 原稿はできるだけ覚え、聞き手を見て話をしましょう。
プレゼンは聞き手の目を見て話すことが大前提です。当該事業を本気でしたいのであれば、原稿などは見ず、自分の言葉で話せるでしょ?と審査員の立場では思います。原稿を棒読みしている団体が殆どでしたが、それは「自分の中で事業内容を咀嚼できていない」と判断されます。人生で大勝負をかけるプロポーズを想像して下さい・・・原稿作ってその紙を棒読みして相手にプロポーズして、果たしてプロポーズは成功しますか? - 残り30秒で結論と明るい未来を。
通常、残り30秒で最初の合図が入ります。そこからはもう一度結論を繰り返しましょう。更にはそれによってどんな明るい未来が待っているかを語りましょう。最後のシメさえ良ければ、真ん中がグダグダでも、ある程度は審査委員の方に思いを残すことができます。 - 想いを自分の言葉で熱く伝える
魂の入ったプレゼンを行うことが大前提です。自分の言葉で伝えること。たった3分間ですが、相手の頭の中に事業が描けること。そして描かれた事業の周りでは人々の笑顔や数年後の未来が見えていること。ここが大切です。「こういう夢がある」とか「こういうことをこれからしていきたい!」ということを具体的に話すと、未来志向をPRすることができます。
以上、私のプレゼン個人指導では、この5つのことを意識して話す順番や原稿を変更していき、伝えることを鮮明に、かつ、自分の言葉に変えて、プレゼンに魂を吹き込んでいきます。
皆様もご自身のプレゼンがこのようになっているかチェックして頂き、もしできていないようであれば、ぜひ意識してアレンジしてみてください。また、自分にはちょっと無理かも・・・でも変えたい!という方、今年度に限り、経済産業省のミラサポ制度を活用してプレゼン個人指導が無料で受講できる場合がありますので、私までご連絡ください。
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今井 ひろこ
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