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若い人たちの就業支援で、シカやイノシシから地域を守ろう

      2014/06/24

「ふるさと環境交流会in但馬」でのパネルディスカッションでは、会場からも深い意見が出るなど活発な討論が行われました。その中で、今、早急に但馬で取り組まなければいけない、シカやイノシシなどの獣害からどう地域を守っていくか、という具体的な施策の話が出てきました。

ふるさと環境交流会1

1)豊岡市の猟師対策の取り組み(豊岡市)に注目

「ノアの箱舟」プロジェクト(森林再生)とセットで行い、年間6500頭のシカを処分することと、それを担う猟師を育成する。一昨日のブログをご覧ください。

2)但馬の自然の現状把握をし、発信していくことが急務

鹿やイノシシに希少植物が食い荒らさせると同時に、山が崩壊しているところが奥の方から進んでいることを広く知らせること。足を使った調査が必要なので、猟師に協力頂きながら調査を進めていく案も出ていました。

3)生きた動物を使ったツーリズムの展開

山に人が入らなくなったことが、山に住む生き物たちを里へ下りさせることにつながっている。まずは、山に人が入り、森を闊歩する動物を生で見てもらうツアーを開催すると、ツアー関係者や地域雇用を生み出すことになるのでは、という話が出ました。安全にガイドするのが難しい山の中ですが、安全なルートづくりなど、すでに活動が豊岡市で始まっているようです。雪のシーズンにスノーシューを履いて、雪の中にいる鹿や動物たちを観察するほうが比較的安全なので、そういうツアーを積極的にしていきたいと、猟師の岡居さんはおっしゃっていました。

4)地域の若手の人材を育成する

最近但馬で増えているのは、一世代を超えて帰ってくる若い人たち。お爺ちゃんの苦労を目の当たりにしてきた父母でなく、お爺ちゃんと一緒に夏休みを過ごした但馬のいい思い出を持つ若い人たち。。。また、但馬に生まれ、大学や就職で外へ一回出た若い人たちは、但馬のポテンシャルの高さに気づいています。しかし、帰ってきても就職先がなく、あっても臨時職員などが多いのが現状で、結局人口減少が加速度的に進んでしまいます。人が住まない地域が獣害に見舞われるのは当たり前。だから、若い地元出身者や一世代超えて帰って来てくれる若い人たちへの支援が必要です。

 

「田舎に帰り、夢のある何かがあれば、若い人たちはその地に根付いていく」とは、NPOコウノトリ市民研究所の上田先生がおっしゃっておられました。その夢を提示するのは、今但馬に住む私たち大人です。現在、若い人たちに対しての起業サポートは但馬地域の自治体は手厚いとは言えません(豊岡市も香美町もIターンで来る中企業以上の人の起業を想定したものになっている) 大~中企業が誘致できないのであれば、若い人たちに今ならではの仕事を但馬で起業してもらうほかありません。起業することを視野に入れて高校時代から大学時代を過ごして、都会で就職して手に職や技をつけて、但馬に戻り起業する、という具合に「都会を職業訓練の場」という考え方でいけば、都会へ出ることはネガティブではありません。むしろ、外へ出ることで但馬の素材に注目することができて一石二鳥。あとは、但馬の各自治体や県が起業サポートを金銭面や営業面から行えば、今までにないアイデアと洗練されたデザインで新しい但馬を創り出せるのではないかと思います。

但馬を再生するには若人たちの力がぜひとも必要です。地域で、自治体で帰ってくる若い人たちをサポートして、私たちアラフォー世代が盛り上げて、夢の見える&実現できる但馬にしていきましょう!

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - 地域活性化, 講演・セミナー活動

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