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人口減少の中、交流人口を増やしたほうがいい理由

   

先週3日と4日に行われたじゃらんリサーチセンター主催の観光セミナーに参加して、計5時間の講演の中で腑に落ちたことを昨日から書いています。今日は交流人口を増やしましょう、というお話です。

交流人口が増えた場合の経済効果って?

観光庁が昨年2月にまとめた旅行動向調査によると、日本人の一人当たりの消費は年間121万円だそうです。もし地元市町から10人減ると、1210万円・・・1万人の人口が減ると年間消費額は何と121億円が消える計算になります。121億円というと、私の住む香美町の予算が250億円なので、町の年間予算の半分に相当します。これが全国となると、消費は冷え込むのも無理は無いですね。ではどうするのか?移住人口の増加を期待できないのであれば、それを交流人口で補うという考え方があります。

日本人一人の消費減少分121万円を補うためには、

*外国人観光客ー1人1回あたりり消費額 11万2千円ですから11人分
*日本人の宿泊旅行ー1人1回あたり消費額は4万7千円(交通費込)ですから26人分
*日本人の日帰り客ー一人1回あたり消費額は1万5千円ですから、何と81人必要。

となります。だからどこも宿泊客を増やしたいと思うし、外国人を増やしたいと思うワケです。

交流人口のコスト

日本人と外国人の旅行動向は今後どうなる?

国内に目を向けると、旅行する人としない人が二極化しているとのこと。旅行する人は何度もするし、しない人は全くしない。特に20歳以上の若い人は旅行しなくなりました。そもそもクルマを持っていないし、お金を使う優先順位はスマホです。観光はダサいと思っているとか?! とはいえ、学生の4割は田舎暮らしにあこがれているという別の結果も出ています。切り口を変えて旅に誘うきっかけを、受け入れ側の田舎は提供していかなければならないですね。

また、香住の宿を今支えているリピーターはシニア層やミドル層。20年、30年先はリピーターでないですね。シニアになってくるにつれ、現地でお金を落とさなくなることもありますし、そもそも年金支給額の減額などで旅行するほど余裕がなくなってくると予想されます。

一方、日本を訪れる外国人の数が1300万人を突破した現在、大都市圏はホテルの予約が取りづらい状況で、京都の場合ではしない中心部の宿が取れないので電車で1時間や2時間圏内に宿泊するケースさえ出始めています。確かに先日京都へ行ったときに、あまりの外国人の多さに驚きました! これは豊岡市など特急停車駅にいい風が吹きますね。今後、東京オリンピック開催の2020年までは最低でもこの状態が続くようです。

京都駅にて先日、京都駅の案内所にて

また、インバウンドのゴールデンルートになっている東京、京都、大阪の風景はすでにいろんな方がSNSであげており、今後、旅行雑誌やSNSに登場していない風景や文化を知り、みんなから羨ましがられるものを撮影したいを求めて、外国人がまだ押し寄せていない場所「The観光地」以外のところにどんどん行き始めています。

よくよく考えると、今まで観光地でないところが観光振興にシフトし始めています。ジオパークや美しい村連合もエコパークもそうです。日本各地が観光地になりつつある今、観光地としてこの但馬が選ばれ、持続可能な地域となるには、観光振興だけでなく地域振興(地域にお金が落ちること)を両立させ、住民の意識をつなげることが大事ですね。

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - 地域活性化, 外国人観光客(インバウンド), 田舎での商売心得

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