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仕組み、仕掛け、仕事。田舎で事業再生させるキーワード〜但馬コネクション聴講記・2〜

      2015/03/29

昨日の話の続きです。先日、豊岡市日高で行われた但馬コネクションという会合に初参加させて頂き、スキー場や地域再生を全国で手がける、日高出身、クロスプロジェクト代表の辻隆さんのお話を聴講させて頂きました。

辻さん

いよいよ話は田舎での事業再生という本丸へ。

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『仕組み、仕掛け、仕事』この3つの言葉が田舎で事業再生をするキーワード。

いくらお客が来ても「仕掛け」やその前の「仕組み」ができていなければ儲からない。私たちクロスプロジェクトは、仕組み:仕掛け:仕事=4:4:2で考えるけど、地元の人は仕組み:仕掛け:仕事=1:1:8くらいでどうしても考えてしまう。田舎ほど、仕事として儲かるまでの「仕組みづくり」や「仕掛け」をほとんど考えない。すぐに地元の「仕組み」は変えられないし、「仕事」内容を変えると現地スタッフが怒る。

だから、再生に取り組むときには、まずは売れるための「仕掛け」を最初に行う。何故か?「仕掛け」はは田舎の人ほど不得意な部分で介入する人も少ないので、ここから手始めに行う。全国10カ所以上で再生をさせているが、その中でも若いスタッフを連れてきて、じっくり腰を据えて「仕掛け」を行う。1年すると、運がいいのか入場者数や売上の数字が伸びているもので、地元の人は現状に満足しがちになる。「なんだ知らんけどお客さん増えたなぁ、これでええわ」と思うが、それはお客様を呼ぶための「仕掛け」しかしていないので、実際は儲からない。儲からないと地域の人が幸せにならないので、3-4年「仕掛け」をしたのち、やっと「仕組み」づくりに入る。でも、スキー場の中には、売れる仕組み作りをするときに反発する人がいるもので、例えば「俺の代で閉めるのに、と諦めてた人」や、地域の賢い人が出てくると、他との均衡を取ろうとして先に進まないことが多い。

しかし、クロスプロジェクトスタッフが守っていることがある。それは「仕事に関しては最後まで口を出さないこと」。スキー場の再生に入って5−6年くらいたって、ようやく地元や現地スタッフとの信頼関係ができてきて、そのときに初めて「仕事」(例えばテーブルの配置換えや壁紙、メニューなど)の改革を行っていく。

儲かる「仕組み」とはどういうことか?星野リゾートの儲かる仕組みは、「持たざる経営、ナンバーワンリッチな建物、ナンバーワン立地、ナンバーワンの宣伝広告を打つ」つまり、圧倒的な経営をすること。当社と同じくスキー場の再生を手がける(株)マックアースの儲かる仕組みは、スキー場と併設するホテルの収入で儲けている。つまり「仕組み」を考えることはとても大事で、「仕組み」があって初めて儲かる。

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但馬では特にそう思うのですが、儲かる仕組みをじっくり構築しないので、お客様が来ないとすぐに値段を下げてしまいます。また、仕掛けがいままであまり無かったので、テレビ番組に取り上げられるようになるとお客様がその時にドッと来るので、それに慢心してしまいがちです。せっかく、いま、マスコミやメディアの皆様がこの地域を取り上げて頂く「仕掛け」をして下さっているので、その間に、はやく儲かる仕組みをそれぞれの店舗で考えて実践して頂きたいです。カンタンに儲かるものはありません。手を動かさずして儲かることはありません。

話の続きは明日へ。明日は実際にクロスプロジェクトグループはどう「儲かる仕組み」を作ってきたか、のお話をします。

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - 地域活性化, 田舎での商売心得

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