地方の小さな宿とお店の集客をサポート!「今井ひろこドットコム」

宿泊施設や店舗の集客コンサルティング、プレゼンテーション指導、研修会、ジオパークにおける地域活性化を行う今井ひろこのブログサイトです

*

外国人を魅了し続ける「地獄谷野猿公苑」に学ぶこと

   

昨日の続きになりますが、信州・湯田中温泉が外国人のあこがれの場所になっているのは、ここから車で10分弱、駐車場から歩いて30分のところにある「地獄谷野猿公園」があるからです。

野猿公園

お猿さんが雪の中、露天風呂に浸かっているのを見るためだけに、東京からノンストップで見に来るお客様が何と多いこと!英語サイトの「JAPAN Guide」にも、ここ野猿公園と湯田中温泉の詳しい記事があります。これを見ながら、お客様は駆けつけるようです。

Japan Guide 野猿公園

普段から歩くのが苦手なタイ人でも、この距離を苦としないといいます。何故なのでしょうか?それを探るためには、実際に歩いて見てみるしかない!

ポイント1)外国人でもOKな案内所と喫茶店がある

バス停の横には、明らかに外国人を対象に据えたお店がありました。ラーメンもありました。オシャレ! 歩いてきて疲れたらここで一服、ってできるのが良いですね。もちろん冬はフル営業っぽかったです。

野猿公園

また、入り口には案内所や長靴、傘、雨合羽などのレンタルもありました。ここもほとんど英語表示です。外国の森にやってきたのかな?という洗練された感じがしました。

野猿公園

ポイント2)30分の遊歩道の途中に英語などの解説パネルを設置

野猿公園の入り口は2カ所あるのですが、冬期期間に開いているほうに行きましたので、30分ほどかかるようです。道は整備されていて、土砂崩れ等々はありません。

野猿公園

その道中には、雪の中でお風呂に入る猿の写真や、子猿の写真、猿のどういうところを観察したらか、また、猿の行動についてなどが、200mおきに置かれ、飽きてこないような仕組みがされていました。

野猿公園

野猿公園

IMG_0089

日本の観光パネルではここまで文字を少なくせず、たくさん書いてしまいがち。写真で訴える、外国人の視点で作られた看板がステキです。また、別の看板も。

野猿公園

ガイドさんが居なくても、楽しめる仕組みですね。夏と冬と掲示物が変わるのかな?公苑の手前には屋根付きの東屋もあって、歩くのが苦手な人にはいい休憩場所でした。ちなみに、すれ違う方に「こんにちは!」と挨拶をしていったら、50人ほどとすれ違ったのですが、全員外国人で、Hello!って返ってきました。中には私たちの長靴(但馬ブーツをこの時のために持ってきていました)を見て「Good Choice!」とおっしゃって下さった方も居られました。

ポイント3)山の中なのにSNSが使える!

私は猿が入ってる露天風呂はもっともっと大きいものだと思っていたら、思ったよりも小さくて、100室ほどある温泉旅館の露天風呂サイズでした。

野猿公園

その露天を取り囲むようにして、外国人観光客がスマホや一眼カメラで写真をパシパシ撮っています。

野猿公園

主人も現場で写真を撮って、それをすぐにFacebookに投稿していました。

野猿公園

現場で感じた「会えた−!」の感動を、そのまま現場から送信しないと、後で送ろうって思っても、もう忘れているんです、その感動って。だから、観光スポットへのWi-fi化は早急に進めた方が良いんです。自分たちがPRするのではなく、お客様がPRして下さる為のツールがSNSだからです。観光スポットへのWi-Fi化、香美町は一切されていないので、何とか進めて欲しいですね。

******

元々は、ここの職員さんが外国の雑誌に雪の中でホッコリするお猿さんの写真を投稿し、それが掲載されたことがきっかけとなっています(財団法人日本交通公社レポート参照)。今の湯田中温泉の新たな問題として、スノーじゃないモンキーの時期も継続してお客様に来て頂くこと、だそうです。キラーコンテンツすぎて、そのシーズン以外は来てもらえないという弱点があって・・・と湯田中温泉清風荘の大関さんもおっしゃってました。但馬もどんどんそのようなコンテンツを見つけていって、外国の方にも素晴らしい自然や珍しいものを通じて、この地域の良さを伝えていきたいです。

野猿公園

The following two tabs change content below.
今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - 地域活性化, 外国人観光客(インバウンド)

コメントを残す

  関連記事

10/24 福崎町商工会で地域資源活用セミナー開催!

昨夜はとっても美しい星空を眺めました。雲一つ無く、満天の星。月明かりも無く、空気 …

滞在時間を1分でも増やし、地元にお金を落としてもらう工夫を

先日、香美町で3日と4日に行われたじゃらんリサーチセンター主催のセミナーでの気づ …

じゃらんの目指す「旅する若者づくり」とは(JRC観光振興セミナーより)

8月6日に行ってきたじゃらんリサーチセンター(JRC)主催の観光振興セミナーでは …

2013年の宿泊旅行業調査結果を聞いて(2)(JRC観光振興セミナーより)

じゃらんリサーチセンター(JRC)主催の観光振興セミナーへ出席し、今の国内旅行の …

地方創生に!朝ごはんフェスはこんな風にすればもっと面白い!?

一昨日、昨日とブログで続けてきた朝フェスのお話の最終話です。ホテル、旅館、民宿、 …

環境教育は生活教育と捉えよう

先日の「ふるさと環境交流会in但馬」では、環境教育という言葉は漠然としたものと捉 …

どうやって平日に旅するお客様に自分の宿を知ってもらうか?

うちの旦那の宿では、休日にお客様が来るのは当たり前で、いかに平日にお客様にお越し …

「外国人観光客向けの日本人ガイドおもてなし講座」に参加してきました!

昨日、豊岡市のじばさん但馬で行われた「外国人観光客向けの日本人ガイドおもてなし講 …

ターゲットの設定は具体的に人物像を描こう。 〜POP講座からの気づき

先週、POPセミナーを開催しました。前回は20名以上居られたのですが、今回は10 …

宮崎牛の血統に記された「田尻系」〜和牛を支える但馬牛・田尻号〜

NPOの活動で、昨年度は兵庫県が誇る但馬牛の史跡や牛舎・棚田と和牛の暮らしを案内 …