近畿のスキー場はアジアを代表するスキーリゾートに〜但馬コネクション聴講記・4/終〜
昨日の話の続きです。先日、豊岡市日高で行われた但馬コネクションという会合に初参加させて頂き、スキー場や地域再生を全国で手がける、日高出身、クロスプロジェクトグループ代表の辻隆さんのお話を聴講させて頂きました。
今日はこのお話シリーズの最終回、地域再生に結びつける鍵について、に話は移ります。
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クロスプロジェクトグループは、基本的に再生に入る各地に現地法人を作っている。理由は「儲けたお金は地域に還元するべき」。大会社、例えば東急、西部鉄道などもスキー場を手がけている。確かに大手が買い取ってスキー場を再生させた場合、雇用は生まれるが、儲けたお金は地元に落ちず、すべて本社のある東京へ行ってしまう。それでは地域再生の資本が地元に落ちない。そのため、スキー場は全て法人税を地元に払い、現地法人社長も地元の方にお願いしている。
いま、地元の神鍋が危機に貧している。養父市の若杉高原おおやスキー場では、再生を手がけた当初「軒を貸して母屋を取るのか」と揶揄されたが、今はそんなことを言う人は大屋に居ない。地方ほど住民が自分たちの住む地域の魅力に気づいていないので、外から大手資本が入ってきて搾取されるのだ。日本の地方の観光地は何度となく痛めつけられてきた。
地方には「仕掛け」という感覚が少ない。それは、日本のスキー場の支配人の多くが60代後半であるのに対し、お客様の6割は20代で3割がファミリーで、そんな年代の支配人が若い人たちの求めるモノを理解することはできない。逆に「仕掛け人」が若者であると、お客様と同年代だけに、とてもとっつきやすい。クロスプロジェクトグループは「仕掛け」や「仕組み」を担当したスタッフがある一定の成果を得たら次のスキー場へ異動させるシステムをとっていて、異動させたときには、その下で働いている地元採用の若いスタッフを昇格させる。ただし、「仕事」は経験と実績がいるから、そこは地元のシニアスタッフが担う。例えばリフトの整備などはシニアスタッフが若手を指導する事の方が多い。
今、自分は「近畿のスキー場はアジアを代表するスキーリゾートになる」と思っている。その理由は5つ。
1.平成28年には近くなる!
お客様がスキー場を選ぶ理由の第一位は「アクセスの簡単さ」。平成28年には、高速道路が日高まで来る。スキー場の多くは峠をいくつも超えていくところが多いが、神鍋の場合は峠に到着する前にスキー場がある。そして、高速が延びたら、高速を下りて15分ほどでスキー場に到着する。アクセスが良くなる。

2.こんなに近いのに天然雪。日本海があるから。
アジア圏のスキーリゾートは韓国や中国にもあるが、実はそのほとんどが人工雪で、天然雪は日本だけ。その理由は日本海があるから。日本海があるからこそ、天然雪を作ってくれる。
3.開発コストが安い!
日本のスキーリゾートは90年代までリフト設置など設備投資をしっかりとしてきたので、開発コストが安い。
4.スキー場が暖かい。
世界中のスキー場の平均気温はー15度。世界的に有名なカナダ・ウィスラーでも山頂は-15度を下回る。しかし、神鍋のスキー場の平均気温は0度。こんなに温かいスキー場は初めて来たと外国人は一様に驚き、喜ぶ。
5.日本は売り物だらけ。
日本に来たらスキーもできるが、買い物もできる。買い物できる大阪、京都、神戸から一番近いスキー場が神鍋高原である。
冬1-2月の寒い頃は、もしかしたらユニバーサルスタジオに勝てるかもしれないと本気で思っている。だから、神鍋のスキー場の再生を始めている。うちの職場は、20代と60代のスタッフが感謝し合える職場になっている。スキー場の再生は5年から10年という時間をかけて行っている。神鍋という地を孫の代まで永続できるように皆さんでしていきましょう。
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4日間に渡ってブログを綴りましたがいかがでしたでしょうか?私も地域活性化に携わってきたひとりなので、とても共感できることが多くありました。今回の但馬コネクションのセミナー&懇親会のときに辻さんとお話をさせて頂いたところ、早速、数日後、クロスプロジェクトグループの但馬スタッフ総元締め(?)の池田さん(ジャニーズ系のかっこいい方)にもお会いする機会もできて、但馬の新たな広がりを感じることができました。実はこの辻さんに但馬のスキー場再生をお声がけして但馬に引っ張ってこられたのは、私と同じく香住在住で但馬銀行の倉橋さんだとか。心の熱い素晴らし方を但馬の地域再生に呼んで来て頂き、ありがとうございました。
左がクロスプロジェクトグループ代表の辻さん、
右が彼を引っ張ってきた但馬銀行の倉橋さん。
ステキな出会いに感謝!
今回の講演会で伺った内容については、ダイジェスト版がこのブログにも掲載されていましたので、そちらもご覧下さい。
スキー場 再生請負人3(クラブアルペン情報局)
今井 ひろこ
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