ジオパークを活用した地域活性<2>美味しさと地形との関係
昨日は一日、書類を整理していました。その数、120サイズの段ボール箱に5箱分(それでもまだ残り5箱分あります・・・)。ジオパークは総合大学のように、いろんな知識を要求されるため、調べ物も広範囲です。例えば、但馬牛を調べるのに、神戸ビーフや松阪牛、はたまた、酪農の話や生態なども調べていました。資料がとても多いので、紙ベースでなく、スキャニングして電子媒体として手元に整理しておこうと考えています。
最近は書類をA4一枚あたり4-5円でスキャニングしてくれる会社があるようです。また、スキャナーそのものをレンタルする方法も。2日で4000円以下、送料無料で借りることができます。時間がある今だったら借りてもいいかなと思っています。世の中、便利になりましたね。
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昨日の話の続き「ジオパークを活用した地域活性」の話です。
私がジオパーク推進補助員になった頃(2010年8月ですが)、ジオパークとは花や木などの名前が言えて、さらに石ころを鑑定し、化石を見つけて楽しむような、国立公園の地質版みたいなものだと思っていました。2010年の頭からジオパークの講演を聞きに何度か行ったのですが、ナントカ層群とかナントカ岩とか、とにかく言葉が専門的過ぎて、寝ている時間のほうが長かったです(スミマセン)。
当時、私のジオパークの教科書は、山陰海岸ジオパークの世界ジオパーク登録申請書と、担当職員が作っていた説明用のスライドしかありませんでした。どちらも、専門的か役所用語ばかりが並び、一般住民に理解できる言葉ではなかったです。あとはインターネットから独学で勉強するほかなく、日本語の文献自体が少なくて、とても苦労したのを覚えています。
例えば、平成20年に国交省から発行された「四国圏域の総合交通ネットワーク及び地域資源を活用した地域振興策に関する調査」を読んだりしながら、ジオパークを住民に対して、どう分かりやすく伝えるかを必死で考えていました。だけど、お腹にストンと落ちる言葉や説明がなかなか浮かんできませんでした。
まずは「ジオパーク」を私自身が理解し咀嚼しなければと思い、公民館の図書室で2010年4月以降の日本海新聞を読みあさっていた時のこと。あるコラムが私の目に飛び込んできました。現在も鳥取県のジオパーク専門員として活躍されている安藤さんの、カニと海底地形の関係を記したコラムです。
この記事は、石の鑑定どうしたら?と悩んでいた私に衝撃を与えるものでした。「特産物と地形は関係がある。」 当時は、岩石名、地質年代、層序の名前ばかりがクローズアップされていたので、「地形」という考え方も「美味しい食べ物」というキーワードは、ヨソのものの私が読んでも、「なるほどなぁ!それで美味しかったのか」と分かる、目からうろこの説明・・・すべてが新鮮でした。
「地形が特産品の美味しさの源!観光客が知りたいのは、岩石名じゃなくて、美味しさの理由。
これなら、私でも調べることができて、いろんな人に伝えることができる!」
このあとすぐに、特産品と地形、土壌との関係を調べることになり、ジオパークの楽しさにハマりだすきっかけになりました。
今井 ひろこ
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