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持続化補助金の採択のポイントって?

   

先日からお話をしている「小規模事業者 持続化補助金」。今月第一回目の締め切りを前に、私のところにもホームページ製作などの相談が来ています。しかし「今、ホームページが無いから、ちょうどええわ、この機会に作るわ」だけでは、実は通らないのです。ホームページを作って具体的にどういう販促を行い、どんな人たちにどのくらい売れると予想しているのか、事業の本気度を書面で読み取ります。補助金申請書を見るのは限定された中小企業診断士の方々。生半可な気持ちでは厳しいプロの目はごまかせません。

さて、今回の公募で事業者が提出する「経営計画書」「補助事業計画書」では、どういう事に診断のポイントを置くかについて、公募要領に記載されています。

持続化補助金

まず、「経営計画書」では

1)自社の経営状況分析の妥当性
■自社の製品・サービスや自社の強みを適切に把握しているか。

2)経営方針・目標と今後のプランの適切性
■経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえたものとなっているか。■経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場の特性を踏まえているか。

具体的には、お客様(消費者、取引先双方)が求めている商品・サービスがどのようなものか、また自社の提供する商品・サービスについて、競合他社の存在や対象とする顧客層の増減など売上げを左右する環境について、過去から将来の見通しを含めて書いている内容から、経営状況が分析できているかを把握するようです。

また、自社の製品サービスや強みを書く欄には、自社や自社の商品・サービスが他社に比べて優れていると思われる点、顧客に評価されている点を記載します。これを案外分かっていない事業者さんが多いんですよね。自分ではよく分からない事業主さんは商工会などに聞いたほうがいいです。

今後の経営方針や目標を持っているか、また、方針・目標を 達成するためにどのようなプラン(時期と具体的行動)をもっているのかについても記載しなければなりません。これは抽象的な書き方では無く、1年後、3年後、5年後など具体的な時期もつけて具体的な経営方針を書く必要があります。「何となくそのうち儲けたい」しか考えていない経営者にお金をくれるほど、世の中は甘くないのです。

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一方、「補助事業計画書」では

3)補助事業計画の有効性
■補助事業計画は具体的で、実現可能性が高いものとなっているか。■補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。■補助事業計画に創意工夫の特徴があるか。■小規模事業者の活力を引き出すモデルとなるものや地方創生に資するものなど、特別な意義があるものであるか。

4)積算の透明・適切性
■事業費積算が明確で、事業実施に必要なものとなっているか。

事業計画書には、今回申請する事業で取組む販路開拓などの取組について具体的に書いていくのですが、これまでの自社・他社の取組と異なる点、創意工夫した点、特徴などを具体的に書いていくのがポイントです。つまり、今までと同じ方法での延長で事業をするのではなく、新しい切り口で今までに無いことをして、今まで得られなかった顧客層の心をつかんで財布のひもを緩めて頂き、楽しくお金を使って頂くような事業を展開しないといけないということです。

また、その事業を行うことにより、売上げ、取引などにどのような効果があるか、事業を行うことがその効果に結びつく理由も併せて、具体的に書く事が求められています。「変わったことをするからたぶん目新しさでお客様は買ってくれると思う。何となく・・・」では、補助金を投入することができません。そこでもしっかりと先を見据えているかどうかの本気度を試されているというわけです。

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なお、前回採択を受けて事業を実施した事業者も今回出すことができます。その際は全体を通して、前回の事業実施結果を踏まえた補助事業計画を作れているか、前回の補助事業と比較し、明確に異なる新たな事業であるか、といった観点からも審査を行うとのことです。

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補助金申請書を書くときというのは、このように「自分の会社の棚卸し」をしなければいけないので、面倒だという方も確かに居られますが、自分の仕事や事業に真摯に向き合ってしてこられたなら、そして、経営が軌道に乗ってなくて、本気で何とか今せなあかんと真剣に思っている方は面倒という言葉すら出てこないと思います。従業員が5人以下の小規模事業者の方を優先するとのことですので、ぜひこの補助金をゲットして事業を飛躍させてください!

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - コムサポートオフィス, 補助金申請

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