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ジオパークの本質をもう一度学び直そう 〜3/27『山陰海岸にジオパークは必要か?』開催記

      2018/03/30

山陰海岸ジオパークが日本ジオパーク委員会から条件付き再認定(イエローカード)になってから早や半年。

他のジオパークの動向を知り、自分たちに何ができるのかを知りたかったので、27日に外部からゲスト講師をお招きして勉強会を開催しました。今日のブログはそのイベント報告です。

こんにちは。兵庫県北部・豊岡市で小さな宿&店の集客アドバイザー時々観光ガイドをしている今井ひろこです。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

お題は「山陰海岸にジオパークは必要か?」

今回のお題はセンセーショナルな題名。島原半島ジオパークさんが先にされていた討論会「島原半島にジオパークは必要か?」をそのまま頂き(了承済)

「山陰海岸にジオパークは必要か?」

という題に。

参加者は午前22名、午後24名で、年度末のド忙しい日中にも関わらず、京丹後市〜鳥取市までの事業者、ガイド、市民、大学の先生、行政職員、元ジオパーク推進協議会事務局員の方も居られました! 

特に今まで殆どこういうのに参加してこなかった市民や事業者が参加して下さったのが嬉しかったです。

正直、私の周りではジオパークはオワコン。麒麟のまち観光局(DMO)や但馬牛の日本農業遺産申請、諸寄の日本遺産追加申請(北前船)など、次々出てくるコンテンツに興味が移っています。

そんな中でのイエローカードに「地域づくりだけなら、ジオパークじゃなくていいんじゃね?DMOができるのなら、そっちのほうが地域絞れるし」という思いが私の中にもありました。

そのため、今のユネスコ世界ジオパークの方向性をよく知っている、世界ジオパークの審査員を務める柚洞(ゆほら)先生にお願いして「ジオパークとは何か?」を学ぶ勉強会を計画しました。

午前中の講演を聞いて

午前中のセッションは午後に向けての話題提供として、まずは、この4月から伊豆半島ジオパークの学術専門員として赴任する、鳥取環境大学の新名阿津子先生から「ジオパークの可能性」というお話をして頂きました。めっちゃめちゃ良い話でした!(公開NGなので内容は参加者から直接聞いて下さい)

(右端が新名先生)

また、兵庫県立大学の先山先生からは、ジオパーク推進協議会の事業として3回のステップアップ会議のファシリテーターを務めた感想、思いなどをお伺いしました。

どうやら3回の開催で何か結論を出すというよりは、意見をブレストで出す会議だったようで(ガス抜き?)、3回の結果をどう事務局がグルーピングし、結果をまとめて活かそうとしているのか、ミーティングのゴールが正直見えなかった私です。(もしかしたら、私が席を外している間に話されたかも知れませんが)

午後のセッションで山陰海岸ジオパークの金属疲労が露呈。

午後からは、この春から鳥取環境大学に赴任する、徳山大学経済学部の柚洞(ゆほら)先生に今のユネスコ世界ジオパークについて等、4時間にわたって、話題提供とワークショップをして頂きました。

外から見た「山陰海岸ジオパークってどう見えている?」という話を聞いて、やっぱりそうだよなーーーって感じでした。

その中でも特に印象に残った事柄、言葉は

1)「あ、山陰さんね」

他のジオパークからはどんなジオパークなのか、特徴も含めて見えてない。一体感の無いジオパークはジオパーク委員会からも関心が薄い。それだけ注目されていないようです。むむ!

2)ジオパークと言わずにジオパークを語る

その例として挙げたのが「ブラタモリ」。暮らし、食材、歴史など身近な素材から、その地域ならではのことをガイドはタモリさんに聞いて考えさせている。デキないガイドほど一方的に喋ってしまう。人の話はちゃんと聞き、ジオパークと言わなくてもジオパーク的なことを示せるようにしよう、と。(私もTPOに合わせて「ジオパーク」という言葉を使うようにしています。)

3)Sustainable Development

ユネスコ世界ジオパークの理念から、私たちは学びなおさないといけないかもと思いました。「ジオパーク活動とは端的にいうと地域づくりですよ。地形地質をベースとして、保護保全活動、教育活動、そして地域振興活動などを手段として、持続可能な地域づくりをしていく地域」と伝えていました。そこに内包されている核の部分を伝えてきたかどうか。

Sustainable Development

持続可能な開発。・・・とは何?!

先日、京丹後のガイドクラブ・シンクロさんがFacebookにUPしていた京都宣言の看板がそれに近いと思うので貼ります。

・・・(略)・・・ 尊い命を育んできたこの母なる地球をしっかりと未来に引き継ぐことは、私たちの責務であります。地球環境を守るため全世界が協調して行動すること ・・・(中略)・・・ ライフスタイルを根本から見直し、 新しい時代の価値観に立って、社会における生産・流通 ・消費・廃棄のシステムのすべてにおいて環境を重視した取組を行います。

 (地球環境京都宣言)

これを全文読んで頂くと分かると思いますが、生産、流通、消費など経済活動はすべて入っています。ジオパークの3本柱の元となる、そもそもの「地球」への思いがごっそり抜けて、「自分の地域さえ良ければいいんだ」になっていたからこそ、連携も図れなかったのかも知れないです。

地球科学的に「持続可能」というのは環境を重視する視点が強いと感じますが、私たちはやはり経済活動の循環を作る(=儲ける)を重視していたんですよね。知識として知ってるし、将来世代に今の環境以上に良い環境にして引き継ぐことも理解していましたが、地球科学をここまで地域の方々に伝えてきたかな・・・

「綺麗事言ったってなぁ」、ってあちこちで言われて避けてきたかな、私。

山陰海岸ジオパークと他の日本のジオパークと何が違うのか? 他の世界ジオパークと何が違うのか? 意識したことありますか??

柚洞先生曰く、「プレートの沈み込みによって大陸の端が動き、日本海ができたこと。そこに火山活動が関わっている。つまり、プレートの沈み込みの結果として山陰海岸の大地ができていることを知らない人が多すぎる!」と。

ジオパークに関わっていない一般市民も参加していたのと、付加体やプレートの沈み込みという言葉にピンと来ない参加者も多く、ジオパークになりたてのところで行う講演スライドで説明して頂きました。

付加体が見えるジオサイトがあれば「これが!」となるのですが、見えているところが無いとイメージできないので意識がそこまで付いていかない。そのためには、室戸ジオパークに行って付加体を自分の目で見て「変動帯の日本」を認識しないと・・・!

柚洞先生曰く、

「みなさん、うーん・・・ 相当、重症。」

そのため、予定していた

「ジオパークを進めていくのであれば、何が民間で必要なのか?本当にここはジオパークで良いの?」 

というディスカッションをする以前の話だね、ということに。

ここは「ジオパークの本当の姿、ありよう」について一から学び直さないと相当重症だと仰って、プレート運動の様子から、他のジオパークで印象に残っている「ジオストーリー」など、その場その場で資料を探し、場を作って下さってました。

(みんなで考える!上から何でも教えすぎ)

時々シュールな時間があったりもしましたが、面白かったのは、海外の世界ジオパークの話。何故この地で生きていこうとしたのか、暮らしから見える大地・資源の活用について写真を交えてグループで考えるワークでした。

地球を意識するような話の多くに、参加者も驚いていたと思います。「地球に思いを馳せるようなガイド内容にする」ことをジオパークとして求めていますが、「単なる地域づくり」という認識だけでやっていると、地球にまで想いが馳せてないんですよね。

*****

今回、

「ユネスコ世界ジオパークなんだから世界ジオパークの大会へ行って最新の動きを知って!」
「人の話は聞きましょう!」
「話し合いより、学び直し!」
「他の日本ジオパークへ行って学ぶ」

と宿題をいろいろと頂きました。

学び直しは学術部会の先生方が早々に考えて下さるようです。そちらはお任せするとして。

私はもう一つの「人の話は聞きましょう!」に注目したいです。連携する上でディスカッションは不可欠。そのためのスキル=ミーティング・ファシリテーション(会議術)を今年しっかり学び、もう一度、今回の参加者に集まって頂き、本来する予定だった「山陰海岸にジオパークは必要か?」を再度議論をしてみたいと思います。

*****

今回の企画について、神戸新聞の阿部記者が、あの混沌とした議論の中で、大きく&整った記事にして下さいました。ありがとうございました!

ネット記事はこちら。(何と2つに分けて下さってます!) 特に柚洞先生の講演まとめは秀逸です!

ジオパーク必要か? 再認定審査へ向け会議 豊岡

https://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/201803/0011110991.shtml

ユネスコ世界ジオパーク審査員・柚洞さんの講演まとめ

https://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/201803/0011110990.shtml

最後に、ご無理を言って登壇して頂いた、新名阿津子先生、先山徹先生、超疲れさせてしまった柚洞先生に感謝申し上げます。最後まで参加して頂いた皆様、ありがとうございました。

(写真は懇親会の様子<うどんレストラン咲々>)

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

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