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ジオパークで観光客を集客できない理由は「ウンチクにこだわり過ぎ」(2/2ページ)

   

ウンチクはうっとおしいんですよね、大多数のお客様にとって。写真を見て、キャッチコピーを見てお客様なりに想像し、値段を見た上で納得したら、そこで初めて、もう少し詳しく説明を読みます。自分が旅行へ出かけるときなどに、他社の宿泊プランを探すときにはそういう風に見ているのに、自社のことになるとなかなか気づかないものなんです。

来週、私が企画した但馬牛の農家と牛を訪ねるツアーを開催するのですが、実は一昨日まで2名しか申し込みが無く、どうしてなんだろうと思っていたのです。しかし、今回のことに照らし合わせてみると、すでにツアー名「但馬牛と棚田の暮らしを訪ねる”99.9%”モニターツアー」がウンチクにこだわったものになっていました。

小代モニターツアー99.9%強調版修正版
99.9%というこだわりを見せたかったツアー名。予約は伸び悩む。

「99.9%」ってインパクトがある数字は、日本全国の黒毛和牛の99.9%が今回訪ねる小代谷の牛「田尻号」の血統だったということから、それをプラン名に入れ込んだのですが、それでビビビっと来て申し込む人は相当マニアックなお客様だけかも、と。そこで、プラン名をシンプルに「ナマの但馬牛に会いに行こう!」ツアーに変えてみました。

小代モニターツアー99.9%強調版修正版2
このキャッチコピーに変えて2名参加申込がありました!まだ募集中です!

だって、ホンモノの但馬牛さんを間近に見ることができるんですよ、もう目と鼻の先!ホンモノに出会えるなんて素敵だし、そしてなによりもクリクリっとした目が本当にかわいい。小代で飼われている牛の大半が雌牛、そう母牛。実は畜産農家は女子率高いんです。それを見に行きながら、現地で初めて来て頂いたお客様に対して、しっかりと風土と人々の暮らし、農家と牛との循環型農業について説明する。ここで初めて『ジオパーク』が威力を発揮するのです。

但馬牛ツアー写真
ツアーでは実際に牛舎でホンモノの但馬牛に会います♪

「世界遺産」の場合は、それだけで観光客がどどっと押し寄せます。が、リピート率が低く、2年目3年目になると観光客数の下落も少なくないです。「ジオパーク」はそれだけで観光客は来ませんが、ウンチクや「へぇ~!」の内容が多く、2年目3年目も観光客数は横ばい、あるいは上がっています。つまり、「ジオパーク」は一度来られたお客様の日帰りを1泊に、1泊旅行を連泊に、という効果がありますが、一度も来たことのない方を「ジオパークだから」と来訪にひきつける効力までは未だありません。だから、世界遺産とジオパークを同時に目指す自治体があることを、今はとても理解できます。

今の時代、観光客は写真やキャッチコピーで「共感」したものにだけ興味を示します。だから、ジオパークも最初からジオジオさせないで、「かわいい!」「ジューシーで、あまーいっ!」など、共感を得るようなキャッチコピーや写真でお客様に来て頂き、実際に来て頂いたあかつきには、しっかりと地域の良さをジオ的に伝え、リピート化につなげていくことがポイントだと思います。もし、ジオパークを前面に出してツアー等募集をされてて、集客数が伸び悩んでいたら、ツアー名やチラシのキャッチコピー、宣伝文を「共感スタンス」に変えてみてください。

ジオパークで観光客を集客できない理由は「ウンチクにこだわり過ぎ」(1)|(2)

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

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