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「・忖度」問題に見え隠れするジオパーク関係者のジェネレーションギャップとは?

   

トレンドワードを使うとネットニュースになりやすい。その記事から見えてきたジオパーク関係者のジェネレーションギャップについて考えたいと思います。

こんにちは。兵庫県北部・豊岡市で宿専門の集客アドバイザー時々観光ガイドをしている今井ひろこです。当ブログへお越しいただき、ありがとうございます。

インターネットニュースにジオパーク記事が?!

今週、私が暮らす香美町の記事がyahooのトップ記事になっていました!

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中身はジオパークネタです。すごいじゃーん、香美町! 

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よく読んでみると、恐らく流行語大賞が狙える「忖度(そんたく)」が使いたいための後付け記事っぽかったです。

残念ながら、この記事に上がっているような忖度はありません。記者さん、表面的な取材はダメよ。

この記事を簡単に説明すると、4/22に2000人以上が参加して行われるマラソン大会の幟に「香住・ジオパークフルマラソン」と、つのだ☆ひろ方式のような「・」が付いている理由についての記事です。

(つのだ☆ひろといえば「メリー・ジェーン」♪)

どうして「・」が新たに付いたのか。マラソンの実行委員会が「地名+ジオパーク」という使い方を禁じた山陰海岸ジオパークのルールに従って、手書きで付けて下さったとのこと。

私の主人の宿でも協賛しており、毎年、色違いのT-シャツを頂きます。実行委員会さん、配布ご苦労様です。

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山陰海岸ジオパークの名称ルールは、山陰海岸ジオパークのホームページで(分かり難いところですが)公開されています。

ジオパーク忖度

このルールに従い、地名と直接ジオパークを結びつけないよう、つのだ☆ひろ方式を採用して下さったのです。なので、全く忖度でも何でもありません。

どうして地名とジオパークを直接結びつけたらあかんのか?

山陰海岸ジオパークは三陸ジオパークに続く広さで、3府県3市3町で構成する広いエリアです。2010年に世界ユネスコジオパークになった当時、認知度は高いとはいえませんでした。

その為、当時の山陰海岸ジオパーク推進協議会事務局は、山陰海岸ジオパークそのもののブランド化を図り地域振興に役立てたらと、思ったのでしょう。

ロゴマークや名称をイベントや商品・サービスに使う際の規則を決めました。(下記リンクをクリック)

ロゴマーク申請

大阪出身の私が思うに、山陰海岸国立公園は確かに鳥取〜京丹後沿岸ですが、「山陰」という名称は基本的に鳥取島根方面を指し、兵庫県や京都府北部はそれぞれ「但馬」「丹後」と使うような気がします。

山陰海岸ジオパークと「海岸」を付けたために、山間部では「私らぁ、山だしけ、海関係ネェし」と言われたことも数知れず。

それだけブランド化前はネーミングに違和感を覚えるもの。当然、ご当地イベントなどでは違和感を少なくするため、例えば、「鳥取ジオパークウォーク」や「竹野ジオパークカヌー大会」、「岩美ジオパークチャレンジトレイル」って付けたくなります。その方がどこで開催しているかも分かりやすいですもんね。

その動きを見越して、当時の山陰海岸ジオパーク事務局は先手を打ったのだと、私は理解をしています。

もし、山陰海岸国立公園内で、「香住国立公園サイクリング大会」と命名したら、すぐに環境省からお咎めが来るでしょう。

ブランド化にはネーミングが極めて重要!

山陰海岸ジオパークに付加価値をつけて地域振興に役立てるにはブランド化が必須。ブランド化を進めることで、3府県3市3町の連帯感も生まれてくるのだと思います。

ブランド化にはネーミングが極めて重要です。

せっかく、山陰海岸ジオパークの評判・評価が高まったとしても、香住ジオパークや竹野浜ジオパーク等という地名+ジオパークというネーミングを見たときに、それらは山陰海岸ジオパークを指しているのだと観光客は認識できません。もう一度行ってみようと思っても、何ジオパークだったっけ?となり、たどり着くことが出来ません。

観光客などが混乱しないよう、「山陰海岸ジオパーク」と使うことで、ブランド化は進んでいきます。

私が経営コンサルタントだからこそ、ブランド化につながる名称問題については気になるのです。

しかし、私の知る民間事業者の中では「山陰海岸ジオパーク」の言葉を聞かなくなったどころか「オワコン(終わった&古いコンテンツ)」「あぁ、懐かしいね」と言われるようになり、ブランド化の難しさを肌で感じます。

民間事業者の間でどうジオパークブランドを活用したら良いのか、未だに模索は続いています。

私が感じた、ジオパーク関係者間のジェネレーションギャップとは?

私が上記の記事で違和感を覚えたのは、この部分です。

しかし実はこの“騒動”、そもそもJGNは「問題なし」という見解だったという。事務局は「住民の活動に水を差すつもりは全くない。ジオパークの名前を使って地域を盛り上げてくれるのはありがたいことで、後援依頼があれば応じたいくらいですよ」と笑って答える。

この部分の事務局は文章の前後を読むと「山陰海岸ジオパーク推進協議会事務局」と読み解くことができます。

山陰海岸ジオパークのみならず、殆どのジオパークでは出向の行政職員が事務局となっており、平均して2年で交代します。事務局長も当然、兵庫県職員で2年で交代します。今年でもう5人目の事務局長です。(世界ジオパークでは事務局員は博物館員や大学スタッフなどのため、ほとんど変わらないということです。)

当然、上記名称に関する規則を決めた事情を知る職員はすでに居ません。事務局員が交代を重ねる中で連続性が失われている・・・? 

4年前、マラソン大会の1回目に規則に沿ってないイベント名を了承し、規則をなし崩してしまった事務局と町の対応も問題だと思いますが、そこから何とか運営側と継続協議して、4年目にしてやっとつのだ☆ひろ方式にして頂いたいきさつまでは、現在の事務局は当然ご存じなかったでしょう。

だからこそきちんと運用規則を決めて、その規則は担当者間で引き継いでおられるものと思っていましたが、私の認識はどうやら違っていたようです。

今回のインタビューでは、事務局のどなたがインタビューを受けたのかはわかりませんが、私はこう答えて欲しかったです。

実行委員会には規則に従って修正して頂き、感謝しています。山陰海岸ジオパークにこれからもご協力をして頂きたい。

私がジオパーク活動をしてきたのが2010年からなので、たった7年で古参メンバーとも言われています。

初期の頃に決めた規則のいきさつを知らないまま、新しいスタッフになった途端に規則を大幅に変えてしまうことがガイド部会でもあったと、今のガイド部会運営委員で唯一の古参メンバーの主人は言ってました。

昔からたずさわっているガイド、大学の先生方、地域の方に対して、事務局の方々や新規参入の方々とのジェネレーションギャップが広がってる?

当然、時代に合わせて新しい考え方やルールを入れていくことも必要です。しかし、過去のいきさつを調査しないまま、自分の感覚や思い込みだけで、規則をなし崩してもいいのでしょうか。

ジオパークが進化している、といえば進化しているのでしょう。ジオパークが日本で始まったのが2008年ですから、もうすぐ10年になりますし、その頃から随分とガチガチになったところと、今回のようになし崩しで何でもアリというところが出てきたように感じます。

ジオパーク用語も一時期「ジオポイント」「ジオスポット」など「ジオ+○○○○」と造語は作ってはいけないということだったはずですが、そのルールもいつの間にか無くなっており、こういうことがある度に、ガイドの言葉や印刷物を修正するなど、現場が混乱しているということを、事務局や偉い先生方は理解できないでしょうね・・・

これも「進化である」とひと言で片付けられてしまいそうですが。

今年は日本ジオパークの再審査、そして来年は世界ユネスコジオパークの再審査と、再審査が続きます。活性化出来ているか、活動が続いているかを確認する為の大事な審査です。

7年やってきて、ジオパーク関係者とのジェネレーションギャップを年々感じてきたのですが、今年ほどとても感じる年はありません。

審査で通ることがゴールではなく、山陰海岸ジオパークを活用して、地域の教育も暮らしも経済も上手く回り、幸せに暮らしていけることが私の考えている山陰海岸ジオパークのゴールです。

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - ジオパーク

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