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自分の強みに気づいていない経営者って多いんです

      2014/11/30

今月、伊豆半島ジオパークにある2カ所の事業所に販促アドバイザーのお仕事に行っていました。一つは食品販売、もう一つは旅館です。どちらもジオパークをどう事業に活用したらいいのか、どうすれば利益が上がるのかというご相談でした。

伊豆半島ジオパーク

「ジオパークはネットワーク活動♪」
視察で訪れていた静岡県の川勝知事と
ガイドの佐野さんと一緒に(浮島海岸にて)

ジオパークで直接、商品開発をする。例えば、特産品の食品をお土産タイプにして販売する、ジオパークのポロシャツを作って販売する、大地に根ざしたということで水を販売する、カヤックツアーを行う、などなど・・・。しかし、それはジオパークエリア内の限定的なものですし、持続可能な事業になっているところはまだまだ少ないようです。

私はジオパークを間接的に活用して事業を展開してほしいと、いろんなところで伝えています。確かに、日本でジオパークに関わる自治体(準会員、その予備軍含めて)は、国内の全自治体の2割弱まで増えています。すごい数だと思いますが、逆に言うと、日本の自治体の8割はジオパークを知らないということを意味します。ほとんどのところが知らない、といっても過言ではありません。自分のお客様がジオパークエリアの中にしかいないのであればともかく、日本全国に住む方や旅行者が購買者になり得る場合、商品価値の説明には、まずジオパークの説明から入る必要があります。その説明に慣れていないと結局、商品価値の伝え方に手こずり、商品が売れなくなるという悪循環になってしまいがちです。

実は、ジオパークを何としてでも商売に使いたいと思うあまりに、商売に肝心な「大事なこと」が見えなくなっている経営者が多いです。今回アドバイスさせて頂いた2事業所はどちらも「オーナーやスタッフの強み」が、ジオパークにたずさわり、他人よりジオパークに詳しいことと思っておられました。それらは確かに強みなんですが、それ以上に事業に生かせる「真の強み・より強い個性」というものを経営者はそれぞれ持っているのです。ご本人にそれを伝えると

「あのぉ、それでいいんですか?それがそんなにすごいことなんですか?当たり前のことと思ってた・・・それって商売に生かせるんですか?」

と何度も聞かれました。それくらい、真の強みに気づいていない経営者の方が多いんです。

私は、ジオパーク推進員の時代、ジオパークで「地域のあるもの探し」をし、この地域でしか語れない理由をジオ的な視点で探り、その結果を商品のPRや観光MAPに落とし込んでいました。その手法は、実は人に対しても同じなのです。その人だからこそできること、過去に培った技術、趣味などが事業に生かせることがあるのです。新しい技術や商品アイデアというものは、急に生まれるものでなく、今まで世に出ているアイデアや商品を掛け合わせたものといいます。自分が辿ってきた人生の中で、今の事業に生かせることが必ずあるはずです。振り返ってみると「あぁ、あの時やってて良かった」と思うときがあるはず。

伊豆半島ジオパーク

下田駅にある黒船の模型。黒船来襲くらいの変革が必要ですね

真の強みに気づく方法。それは、残念ながら第三者に見て頂くほかないのです。自分の目玉が前や周囲をみるためにあるのであって、自分の顔を自分の目玉では直接見ることができないのと同じです。鏡などの道具を通して見たり、他人から指摘して頂いたり、そうでもしないと自分の素顔って見えないのです。そして気づかせて頂いたら、それを真正面で受けとめ、活用すること。心配なら、セカンドオピニオンのようにいろんな方に訪ねてみたら良いです。「私の強みって何だと思いますか?」って。もし、経営者の方で自分の強みをうまく事業に活用できているか自信のない方は、私にご相談ください。

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - コムサポートオフィス, ジオパーク, マーケティング

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