香住ベニガニ、松葉カニ、セコガニ、黄金ガニ、ズワイガニの「かに5種食べ比べ」は至極の味(1)
昨日のブログの続きです。いよいよ、食べ比べの時間。ここからは、にしとも・カニ市場の山田なおちゃん店長に登場頂き、それぞれの解説と違いを感じるコツをお話して頂きました。
丁寧に解説をして下さった、にしとも・カニ市場の山田店長
最初に見て驚いたのはお客様よりもむしろ私。「え・・・地ガニが出てる!(@_@)」 地ガニというのは、地物のカニという意味で、隠岐の島近海で獲られた松葉ガニ(オスのズワイガニ)の事です。数が少なく高いので、安いカニ食べ放題バスツアーなどでは、外国で水揚げされて船内冷凍されたカニを使っています。参加費5000円にしていたのですが、この地ガニだけで5000円は下らない・・・! 店長、太っ腹しすぎっ!
其の一・松葉ガニのオスvsメス
松葉ガニの湯がいたものとセコガニ(ズワイガニのメス)の湯がいたものをそれぞれ食べてみて、甲羅味噌の部分の違いを観察。オスは茶緑色に対して、メスは内子(脳みそ&内臓)と外子(卵)があり、味がそれぞれ違います。メスの内子はオレンジ色でクリーミーな味がします。オスは磯の香りがして、こちらも味わいは濃厚です。
粒々なのが外子(卵)、この奥に内子(脳みそ&内臓)が入っています。
「メスには5万個の卵が付いていて、年2回産卵するんですけどねぇ、私たちの口に入るくらいのカニに育つのは、わずか10個程度と言われてます。そのことを想って食べて下さい!」と、さすがは魚介類に思いの深い山田店長です。店長さんは、松葉ガニシーズンが始まって、とても忙しい中、セコガニは食べやすいようにと一つ一つ捌いて食べやすくして頂いてました。素人が食べるだけでも時間がとってもかかります。ありがとうございます!
其の二・松葉ガニvsベニズワイガニ
どちらも地物で、湯がいたものを食べてみました。ベニズワイガニの殻は赤色が鮮やか。身はジューシーで甘く上品な味でした。松葉ガニの殻はくすんだピンク色。身は繊維がしっかりしていて弾力があり、濃いカニ味がします。私の好みはやっぱりベニズワイガニかなぁ。水深が600-1200mと深い場所に住むベニズワイに対し、200-400mに住む松葉ガニ。カニとひと言で言ってもずいぶん違います。
蒸し身の比較写真を撮影する前に食べてしまいました。
其の三・焼きガニvs蒸しガニ
香住の宿でよく出される「焼きガニ」ですが、炭を使った「炭火焼ガニ」、オーブンやガス火・電熱器で焼く「焼きガニ」もありますし、ホットプレートや陶板の平鍋を使った「蒸しガニ」もあります。それぞれに特徴がありますが、これらが同時に出ることは無いと思います。私も同時に食べ比べするのは初めてでした。今回は船内冷凍のズワイガニで対戦!
「カニの味が一番シンプルに分かるのは蒸しガニ。ほんの少しアジシオをかけて、表面の色が白くなったら出来上がり。あまり蒸し過ぎても美味しくない、レアくらいが美味しい!」と店長のアドバイスと共に食べてみると、蒸しガニは身がぷっくりしてジューシーでした!一方、焼きガニ(今回は電熱器)は水分は少し減っていますがカニの甲羅の香ばしい香りがします。どちらもいいなぁ!「炭火焼ガニが昔は多かったんだけど、宿を改装してきれいになると、部屋が汚れる炭火焼は少なくなっていったんですよね。」と店長。うちの旦那の宿は炭火を使っていますが、畳を毎日2回3回拭き、ふすまのさんまで毎日掃除で大変だったことを思い出しました。
この3対決だけでも、カニという食材でいろんな調理方法でいろんな味が楽しめるということがお分かりいただけたかと思います。この楽しみ方が関西人は大好きで、冬は必ず松葉ガニを食べないと正月は越せない、とまで言われているわけです。まだまだ対決は続きます!明日続きをお話します。

今井 ひろこ


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