ジオガイドの賠償責任保険の加入について
2014/09/13
山陰海岸ジオパークの場合、養成講座を修了後、ジオガイドとして推進協議会に登録しようと思ったら、自分で店を開くか、どこかのガイド団体に登録しなくてはいけません。その場合、3人以上のガイドがいたら(最低一人はジオガイド登録者)、ガイド団体登録はできますが、ネックとなるのは賠償責任保険の加入です。他のジオパークと違う点はここにあります。私は画期的な基準だと思っています。
山陰海岸ジオパークガイド募集のサイト(絵をクリックして下さい)
ジオガイドは街中を歩くガイドから山岳地帯、私のように水中を案内するガイドまで幅広いのが特徴です。そして団体の案内をすることもあれば、個人客を案内することも考えられます。事故が起こった時の保証において、ガイドに過失があった場合、認定機関(山陰海岸ジオパークはガイド養成団体と山陰海岸ジオパーク推進協議会)に法的責任が及ぶ訴訟リスクを考慮し、山陰海岸ジオパークでは賠償責任保険の加入を義務付けたわけです。
それを受けて正式にジオガイドの登録をジオパークとして受け付けた2012年2月に浮き彫りになったのは、観光協会の多くが登録ガイドの賠償責任保険を掛けずにガイド事業を行っていたということです。そのため、予備登録で300名以上いたガイドは、ふたを開けてみると二桁に留まったのです。どうして観光協会のガイドに保険をかけていないかですが、必要性が無かったのです。主に団体バスを対象に行うガイドのため、保険加入はバスをチャーターした旅行会社が持ちます。一概に保険加入してないことが良くないことではありません。
ガイド養成後のジオガイド登録は2年間は有効で、その間にガイド団体を作るか所属をし、保険要件を満たす必要があります。観光協会がジオガイドを登録する場合は観光協会又は各ガイドが保険に加入する必要があります。ガイド依頼の実績が未知数な上に、広告宣伝もしていかなければいけない、おまけに観光収入も少ないという、体力の弱い観光協会では、およそ4-5万円/年もするガイド保険に入れるわけもありません。かといって、ガイドそれぞれから保険代を徴収することにガイド自身からの抵抗も考えられます。
私が活動する香美町の場合、私のNPOや自然体験施設のように団体として保険に入っている場合と、ダイビングやカヤックのようにインストラクターが個人資格で入る保険の場合と、隣の新温泉町で行われている、ガイドの取りまとめ団体と行政が保険代を折半し、各ガイドからいくらか徴収するという3パターンです。
私は収益が多少なりともあるジオガイドなら、保険は自分自身で入るかグループ・団体で入るようにして、安全にガイドできる体制を整えてほしいと思っています。自治体が補助金等を充てて直接保険代を出すのはいかがなものかと思いますので、個人で入ることができない場合では、取りまとめ団体がガイドから会費を募って、その中から保険代を賄うようにすべきだと思っています。
ガイド料が無料でも有料でも、事故に遭った時にガイドに過失がある場合には、どれだけ案内した相手が親友であったとしても、その家族から訴えられるリスクは高いと考え、保険加入は是非してください。ただし、保険に加入したから、事故を起こしても平気なんだー、ではありません。保険はあくまで最終手段です。保険に入ってるから事故起こしても大丈夫、と笑顔でおっしゃっていたカヤックガイドがおられましたが、その店に行くお客様が聞けばどう思うでしょうか。保険加入はガイド活動する上での基本そして最終手段と考え、事故を起こさない安全管理を徹底してください。
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