えんたくんでワークショップ開催
10月29日、山陰海岸ジオパークガイド交流会を行いました。その全体プロデュースは、ジオパーク推進協議会から依頼を受け、私がさせて頂きました。この交流会は、鳥取市から京丹後市までのエリアのガイドが一堂に会し、ガイド同士の交流を深めるのが目的です。
さて、今回の特徴は8回目になる山陰海岸ジオパークのガイド交流会では初の「外部講師を呼んでの講演会」。2人の講師を今回呼ぶことになっているということで、講演会の後には周辺の見どころをガイドするか、又はワークショップを行ってほしいと言われました。そこで、講演会の内容を深め、より多くの参加者と共有できる、そんなワークショップを開こうと考えました。
そこで私が今回採用した方法。実は2月に参加したKEEP協会主催の「つなぐ人フォーラム」で200名近い参加者で行った方法でした。まず、道具は「えんたくん」。段ボールでできた円盤の上に紙を敷いて使います。キーワードを書いた紙を見せながら紙芝居のようにプレゼンをするKP法の第一人者、川嶋直さん発案のワークショップ専門ボードです。
特徴は
- 机が必要ない。膝にのせて使います。
- 円になって6人ほどの膝にのせて使うので、参加者の距離がとても近い。
- 角が無いので、かえって自由に書ける。
デメリットとすれば、インターネットで販売なので、自治体で購入する場合は伝票処理が少々煩雑なのと、1mの円盤の保管場所くらいでしょうか。
そして手法は「ワールドカフェ方式」。ひとつのワークが終わるごとに次々と席を移動するものです。但し、全員が移動せず、一人だけ「カフェマスター」と呼ばれる役割の方だけ残します。この方法の特徴は
- 班の人がどんどん変わっていくので、たくさんの人と話ができる(共有できる)。
- 班の人が入れ替わるごとに新しい意見が入ってくる。
- スピーディーに進んでいくので、居眠りする間が無い。
この方法は、初めて顔を合わせる人が多いミーティングで有効です。デメリットは、話が苦手な方も話をしなきゃいけないのでストレスに感じることがあるかなぁと思います。ちなみに、カフェマスターはファシリテーター(進行役)から出すお願いを遂行して頂く方のことで、班に一人置きます。(班のリーダーみたいなもんです)
私が但馬(兵庫県北部)で参加した殆どのワークショップは、7-8人同じ班で2時間から3時間、長方形の模造紙に付箋を貼ったりして意見を書き出し、一つの「作品」を作り発表するというものです。実は私、このパターンが苦手。最後の共有の時間も、自分の班以外の発表を聞いていないことが多く、共有に至っていないことが多い。そういう思いを抱えていたときに出会ったのが、この「えんたくん」だったのです。
「えんたくんでのワールドカフェ方式」の感想をいくつか頂きました。
*席を入れ替わったときの自己紹介を計4回もすると、苦手だったのだけどコツが掴めてきたような気がした。皆さんとの距離が近かったから、今まで以上に交流ができて、とっても楽しかった。(20代・女性)
*このような会議(ワークショップ)に参加したことがあるけど、時間通りに終わったことが初めて!(60代・女性)
*何度も意見を共有するうちに、リフレイン効果で頭に残っていくね。(40代・男性)
本当は最後に15分ほど、皆さんが書いたものを張り出して、皆さんが他の班の書いたものを共有する時間を取りたかったのですが、その時間が取れなかったのが心残りです。写真を撮って頂いたので、後日、それは別の機会に共有したいと思います。
今回、私が司会進行(ファシリテーター)をしていったわけですが、私への感想があまりないということは、逆にいうと、それだけ私が前面に出ず、本来あるべき「参加者が主体で動き、ファシリテーターは影武者」として忠実に職務を遂行して、但馬で数少ないファシリテーターの1人としていい仕事をしたと密かに喜んでいる次第です。当日のワークショップの進行に興味がある方も多いと思いますので、実際にどんな風にワークショップを滞りなく進めていったかについては、後日お話します。
ジオパークの推進協議会の皆様
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今井 ひろこ


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