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世界ジオパークが地域に根付いているのは日本だけ?

   

5日夜に行われた但馬(兵庫県北部)に勤務するALTの先生と観光関係者との交流会。他の市町の先生も魅力ある方々ばかりでした。その中のお一人で、来日して1か月という豊岡市日高東中学校のALT、カナダ人のデーグル先生にジオパーク関係者は釘づけに。

ALT交流会2014

聞けばカナダのセントジョンから来たとのこと。今月に開催される世界ジオパーク国際会議が開かれるストーンハンマージオパークに近く、この会議で山陰海岸ジオパークの世界ジオパーク再認定が決まるかどうか、という重要な国際会議なのです。世界ジオパークの認定エリアの中心都市なので、ジオパークに詳しいやん!・・・と思いきや。

「カナダといえばストーンハンマージオパークですよね!」と伝えても、ストーンハンマーって何やねん??という感じ。先生、慌ててスマホでストーンハンマーを検索し、ジオサイト一覧を見てもらったら・・・「ここ知ってる、ここ知ってる・・・あ、ほとんどが自分の住んでいる周辺!」と驚き、自分の住んでいる地域が「世界ジオパーク」であることをご存じなかった様子。

「地元の人はジオパークと言ってもピンとこなくて、地質公園と言って初めて気づいた様子だった」と、昨年、韓国の済州島で行われたAPGNに参加した方も当時おっしゃっていました。世界ジオパークって言っても外国は「地域住民への浸透」が無いのでしょうか??海外はジオパークを進めている人たちだけの取り組みになってるのかなぁと思うと、「ヨーロッパ系ジオパーク」「中国式ジオパーク」と並んで、民間への浸透度と地域振興の高い「日本式ジオパーク」ってのができてるんだなぁと思いました。

山陰海岸ジオパークは特に浸透度が高いジオパークの一つではないかと自負しています。その理由は、地域振興が新聞記事になる但馬の地域欄の特殊事情です。同じ地方欄でも、大阪市内版ではほとんどイベントが載らず、社会問題や事件、議会の話が中心です。

私が3年8か月に渡って活動したジオパーク推進員の仕事では、町の広報誌にジオパーク情報を載せていましたが、それを読んでいる住民なんてほとんどいませんでした。だって、見る箇所は「生まれました」と「お亡くなりになりました」のところ、だけ。まずは推進員(行政側)から民間の活動を活性化させ、そして興味を持って頂いた住民さんの行動を行政側でサポートし、更にはそれを報道機関が拡散するというバックアップが但馬では行われたからこそ、です。

4年前の山陰海岸ジオパークの当時の状況は惨澹たるもの。世界ジオパークの認定時を思い出すと、報道機関の皆さんが積極的に民間活動の事例を「ジオの恵み」や「食のジオパーク」と馴染みやすいフレーズで広げていただいたことと、まちおこしの一つの形として認識して頂き、取り上げてくださったマスコミさん&新聞記者の皆様の理解と協力がとにかく大きかったことを実感しています。

 

ところで、先ほどの先生に「なぜ日本に来られたんですか?中国も韓国もアジアにある中で」と聞いたら、「日本が大好きで、万葉集や源氏物語を読みました」と、イマドキの若い人でも読まない古典ものを読んで日本語を勉強なさったとか。他にマンガやアニメは好きじゃないんですか?と聞いたら「マンガが好きだから」と3作品ほど紹介して頂きました。お気に入りは「魔人探偵脳噛ネウロ」だそう。アニメは好きじゃないけど、マンガはとても好きで、インターネットで英語バージョンを愛読しているそうです。

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先生が見せて下さった「魔人探偵脳噛ネウロ」と英語Ver.

私の知っている以上に、Cool Japan!! サブカルチャーは進化していたんですね。そのうち、山陰海岸ジオパークをテーマにしたストーリー性の高いマンガの英語バージョンが作られないかな?

 

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今井 ひろこ

今井 ひろこ

1968年生まれ。大阪府出身。住友精化(株)研究所に17年勤務。在職中に但馬の環境教育を支援するNPOを設立。自然豊かな暮らしに憧れ、日本海に面する兵庫県最北の町・香美町へ移住。2010年より観光まちづくりに関わり、地域資源を活かしきれていない事業者に出会う。2014年9月にコムサポートオフィスを設立。年30回の講演や110回のコンサルティングを実施。事業者のやる気を引き出し、売上につなげるアドバイスをしている。

 - 外国人観光客(インバウンド), 山陰海岸ジオパーク

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