本当に利害対立者?~ビーチクリーン活動に思う~
2014/10/13
台風19号が近づいてきています。このコースは今日の予報を見る限り、10年前の台風23号とほぼ同じルートを通ります。
2004年の台風23号は私にとっては特別な思いの台風です。この台風が通過する際に、隣の豊岡市は堤防が決壊し、市中心部が水浸しになりました。そのときに流された大量の生活ごみや森からの枯枝、河川敷の枯れヨシなどが一気に海岸沿いを覆いました。
その年から私は山陰にダイビングのインストラクションで、当時暮らしていた明石から週末に通っていました。そのため、海岸の様子を目の当たりにした私は、雪が降るまでの間、海岸に打ち上がるゴミを除去する潜水班や陸上班として竹野スノーケルセンターで何度か活動をしておりました。その活動が発展し、私が主宰するNPOの設立につながっています。NPOの名前に「たじま」と付けたのも、豊岡市竹野町での活動がベースになっているためです。
実は台風23号でのビーチクリーンの時に一緒に活動をさせて頂いたのが、地元の釣り愛好家グループ「海族ファミリー」さん。釣りメーカーのテスターの方々などプロアングラーを中心としたグループで、京阪神に広く会員が居られます。その方々のモットーは「伝えようマナーを!」ということ。釣りゴミで大事なフィールドを汚してはいけないと、年に2回、大掛かりなビーチクリーン活動をなさっており、そのうちの秋の大会を一緒にさせて頂いています。
この話をすると、ダイバーさん、そしてアングラー、両方から「ホンマですか?」と聞かれます。互いを反目する利害対立者と思われているからです。ダイバーは魚のいるところに潜り、カメラなどで撮影しながら生き物の様子を海の中で観察しています。一方、釣りグループは魚のいるところにエサの付いた釣り糸を垂らします。同じところを目的としながら、同時に同じ場所では遊ぶことができないのです。ダイバーが来るから釣りができない、魚が逃げると言うアングラーもいれば、釣りでたくさんのルアーが絡まったり、上からおもりが降ってきたりして、安心して潜ることができないというダイバーもいます。
ですが、この活動を続けているダイバーとアングラーには同じ思いがあります。それは「海が好き!」という思いと「海を守っていかなきゃ!」という使命感。そこに共通項を見い出し、私たちNPOが中心となり、ダイビング屋さんと釣りグループが「一緒に活動をしていきましょう!」と手を組み活動を続けているのです。昨年度からたけの観光協会女性部による炊き出しがはじまり、今年度からはジオカヌーチームも合流し、ジオパークでのつながりで活動がさらに広がっています。そして、今年の企画が10回目の節目を迎えました。毎年、海への感謝とこの水害を忘れないよう、10月の第3日曜日にビーチクリーン活動「海そうじプロジェクト~みんなで海のゴミ拾い」を実施しています。
利害対立者と思いがちな人や機関であっても、共通項があって、そこを共有した活動ができるようになれば、対立者ではなくなるのです。それをこの活動を通じて伝えていくことも、私の大事な役割なんだと思います。
潜水班の申し込みはあと1名程度になりましたが、陸上班の申し込みは受け付けています。19号が去った後にはかなりのゴミが漂着すると思います。陸上清掃に参加できるよ!という方が居られましたら、ぜひ下記をご参照のうえお申込みいただき、19日(日)9時に豊岡市の竹野海岸へお越しください。
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【第10回 海そうじプロジェクト・陸上清掃ダイバー募集のご案内】
海を活動の場としているアングラーとダイバー、そして地元住民が手を組み、「海をきれいに!」を合い言葉に、海岸&海底の同時清掃活動を行う【海そうじプロジェクト】。2004年の台風23号豊岡水害による海岸汚染 (海岸に街のゴミが大量漂着)で海岸清掃をおこなったことをきっかけに、海の現状を知る年一回行っているイベントであり、今回で10年目と節目の年になります。
今年の会場も、日本の渚百選、そして山陰海岸ジオパークに位置する竹野浜海水浴場とその海岸一帯です。毎回、ダイバーは海中ゴミを、釣り人や一般参加者は浜辺の陸上ゴミをそれぞれ回収しています。釣り場や海水浴場にもなっている場所での海底にはどんなゴミが漂着しているのでしょう? 回収したゴミはすべて個数調査を行います。集計結果は一般社団法人JEANを通じて、世界約80ヶ国で調査される漂着ゴミのデータの一部として集計し、世界的なゴミ問題の啓蒙活動に役立てられます。
今回の清掃活動を通して、海の中で今起こっていること、海辺の環境に与える影響はどのようなものかを知っていただき、自分たちに何ができるか、参加された皆様が一緒に考えていく良い機会になればと考えています。一人でも多くの参加者をお待ちしております
■日時 2014年10月19日(日)9:00~11:30(予定) <少雨決行>
■会場 兵庫県豊岡市竹野町・竹野浜海水浴場の新波止場周辺
■主催 特定非営利活動法人 たじま海の学校
共催 釣りグループ『海族ファミリー』、ダイブリゾートT-style
協賛 たけの観光協会、香住ダイビングサービス、株式会社ハヤブサ、株式会社 ハリミツ
協力 海の家 メリ
後援 山陰海岸ジオパーク推進協議会、豊岡市、一般社団法人JEAN
■参加費 無料
■内容 約2時間の作業時間で、会場周辺の不法投棄ゴミ、プラスチックごみなどを収拾します。
■参加要件 小学生以下のお子様は保護者同伴でご参加お願いします。
■その他
・交通費は自己負担となります。 ・駐車場は竹野浜駐車場をご利用下さい。
■参加申込先
・下記内容を必ずご記入の上、メールまたはFaxで申し込み下さい。(申込締切10/14(火))
お名前 、住所(番地不要)、TEL(携帯電話番号)、あればE-Mail
■開催確認
開催の有無に関しては、下記URLに開催当日の7時30分以降にアクセス下さい。
NPOたじま海の学校 FBページ https://www.facebook.com/umigaku
■問合せ先・申込先
特定非営利活動法人 たじま海の学校
「海そうじプロジェクト」事務局 担当:今井ひろこ
〒669-6402 兵庫県美方郡香美町香住区訓谷316番地
tel:0796-39-4811 fax:0796-39-4811 (留守番電話対応)
mail: umigaku@@@gmail.com (@を半角にして@を1つだけにして入力し送信下さい)
今井 ひろこ
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Comment
とてもいい記事ですね。
自分も釣り師で、ダイバーです。
さて一つ指摘させていただいのですが、
利害関係者は同じ対象に利益あるいは害を受ける一立場を示します。
「利」と「害」の立場の対立を示しません。
本稿で言われている最適な言葉があるとすれば、利害対立者でしょうか。
ですから終始違和感がありました。
ありがとうございます。
早速、題名等、修正して、対立という言葉に変えました。
読者の方にも違和感を与えてしまったことをここのお詫びします。
適当な言葉が浮かばなかったのですが、こうやって教えて頂き、感謝申し上げます。
そして最後までお読みいただき感謝します。