ジオパーク看板こそ戦略的に作るべし
2014/10/04
昨日、ジオパークの看板には目的別に最低4種類あることをブログに書きました。看板はトータルコーディネートする必要があります。ジオパークエリアに入ったら、同じ作りの看板が遠くから見えたら、「あ、ジオパークの看板だ!何か興味深いことがきっと書かれているはず!」と分からせる効果があります。もしジオパークの中を旅していて、ジオパークの看板なのに全く違うデザインの看板があったら見落としてしまうかもしれないですね。
古参のジオパークほど初期に作ったものと最近作ったものとではレイアウトなどが変わっていることが多いそうです。糸魚川ジオパークはジオパーク認定前からのものがとても難解だということで、2013年の世界ジオパーク再認定前に分りやすい表記に作り変えておられました。そうでなければ、うちのようにいろんな細かい表記を上からシール貼って修正していたり・・・
最近ジオパークになった所は殺人的なスピードで看板を一気に作っていくところが多いです。そういうところはテンプレートで文章を書くスペースや文字数、写真の位置などをすべて決めてから一気に作ったそうです。(隠岐ジオパーク、伊豆半島ジオパークなど)そうすると、統一感が取れますが、看板の原稿を作る先生方はとても大変そうです。それには、ジオパークの専門家や自治体関係者、ハードを作る看板屋だけでなく、プロのデザイナーやコピーライターが関わることで、大変見やすい看板になるそうです。
さらに厄介なのは、ここ1-2年は、ジオパークになる前からジオサイト看板を付けなければいけないほどレベルが上がっていますので、ジオパークと名乗れるようになったら、ジオパークの名称や推進協議会の名前なども修正が必要です。鉄板の看板だと1枚数十万しますから、張り替えやすくフィルムにして貼り付け、退色する4-5年後を目途に内容を変える方法をとっているジオパークもあるそうです。
看板の土台も国立公園、国定公園内であればむやみやたらと立てることができません。そのため、合併した市町などでは、旧市町で作っていた古い看板の土台やプレートを再利用して、上から貼り付けるということもしているそうです。リユース大事ですね。
ジオパークは巡ってこそ楽しいもの。そこで、糸魚川ジオパークは隣はどのジオポイントかということを看板でどのくらいの距離なのかも合わせて看板を作っています。これがどのジオパークでも欲しいですね。
(糸魚川GP:親不知)
ユニバーサルデザインでいうと、車いすの方も見やすいように、また、景色を看板でさえぎらないように、景勝地では斜め傾斜タイプの看板を付けておられるところもあるそうです。看板の角っこで怪我しないようなデザインセンスも必要だとか。そして、鳥のウンコが付いてしまい、こびりついて取れないので定期メンテナンスも必要ということでした。何事にもメリットデメリットがあるようです。
また色弱の方に看板がどういう風に見えているかをスマホのアプリ「色のシミュレータ」で見ることができるので、看板原稿が出来たら、一度チェックしてみると良いというお話もされていました。地層の重なり具合を表現される場合などは色弱チェックは必須ですね。
そもそも、看板は誰のため?
初めてジオパークを訪れる観光客向けだけど、実は地元の人も見てほしい看板なのですよね。その土地がどの様に素晴らしい場所なのかを知ることにつながります。でもそうなると、看板の内容は当たり障りのないものになってしまいがち。そこで、トリビアな話をするのはジオガイドの役目になるので、ジオガイドが使いやすい看板の内容とデザインにしています、と伊豆半島ジオパークの鈴木先生から報告がありました。さすがです!
このようにジオパークの看板というのは無駄についているわけではなく目的別、そして誰に向けて書いているのかが分かるよう、各ジオパークが工夫して戦略的に作られています。すごい!ジオガイドは積極的に活用していきましょう!
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